2 / 2
二話
しおりを挟む
「美味しい。」
「そっ、そうかしら??」
「ああ、美味しいよ。君が淹れてくれた紅茶を飲めるなんて夢みたいだ。世界で1番美味しいよ。」
ど、どうしたのかしら?
いつも一言二言しか話さない彼がこんなに話すなんて‥‥自白剤が効いているのかしら。
「それで?聞きたいことって?」
「あっ、あのそれは‥‥その。」
「ふふっ、かわいいね。落ち着いて。君の声ならいつまでも聞いていられるよ。」
カワイイ?かわいい。可愛いって言われた?!
うそっ?本当に????
ブワッ!!顔が赤くなる。
「ふふっ、顔が真っ赤だよ。林檎みたいだ。食べてしまいたい。ちゅっ。」
「ひやぁっ!!」
「可愛い。可愛すぎる!!」
「あっあの。なななんで??」
「なんで?君は俺の妻だろ?ああ、でも可愛すぎて困るな。可愛すぎるから他の男に惚れられたら困る。閉じ込めて囲ってしまいたいくらいだ。」
「他の男って‥‥。フレッド様には恋人がいると言うのは本当ですか?」
「コイビト。こいびと。恋人‥‥?俺に?恋人??何を言っているんだい??俺が愛してるのは君だけだよ。」
「で、でも!!噂になっていますわ!!それに‥‥見てしまったんです。あなたが仕事だと言っていた日に女性と宝飾店に入っていくところを!!これでもまだ言い逃れするおつもりですか?もし、あなたに恋人がいると言うのなら私は身を引きます。お飾りの妻として娶ったのでしょう??身の振り方は早めに決めたいので本当のことを教えてください!」
「エレノア‥‥。違う。違うんだ!ごめん。こんな‥‥誤解させてしまっていたなんて。でも信じてくれ!俺が愛しているのは君だけだよ。愛しい奥さん。」
「なっ、なにを!!だって私たちはキスどころか初夜も共にしなかったのですよ?それなのに信じろと?!私を馬鹿にしていらっしゃるの?騙せるとでも??」
「ごめんね。こんなことになるなんて‥‥。本当はサプライズにしたかったんだけど。はい。これを君に。」
「これは‥‥?」
手渡されたのはまだ加工の済んでいないブレスレットのようなもの。
「君に渡したくて準備していたんだ。幼馴染にアドバイスをもらいながら作っていたんだよ。やっぱり女性の方が感性がいいからね。それなのに君に誤解させてそんな顔させてしまうなんて。だめだなぁ。」
「こ、これ。」
「これは守護石を使ったブレスレットだよ。最高品質の魔石に守護魔法がかかっていて君に危険が訪れた時俺がそばに居られなくても守れるように身につけて欲しい。」
「ぁ、‥‥。でもなんで?じゃあ‥‥。」
「すまなかった。俺は君に一目惚れしたんだ。それから君を見かけては遠くから見たりして君の内面まで好きになった。でも恋愛をしたことがなかったからどうしたらいいかわからなくて‥‥。この婚姻はもちろん俺が望んだものだ。」
「惚れっ!好きって。でもならなぜ初夜の日は?」
「怖がらせたくなかった‥‥。辺境伯家からの婚姻なんて君では逆らえない。だから心を通わせてからって思っていたんだけど‥‥それが君を不安にさせていたんだね。」
「わっ、私‥‥確かに不安でしたわ。顔も知らない方に嫁ぐのは。でも初めてあなたを見た日、私も恋に落ちましたの。それだけじゃない、領民のために心を砕く姿も、剣を振るい戦うその勇姿も。あなたの内面まで好きになっていた。だからあなたに恋人がいるかもしれないって‥‥悲しかったし悔しかった。」
「エレノア。改めて言わせて欲しい。
愛している。世界で誰よりも幸せにすると誓う。だから結婚してください!」
「私もフレッド様のこと愛しております。よろしくお願いします。」
「エレノア!!」
がばっ!!
ぎゅーぎゅーと抱きつかれてたくさんのキスを浴びせられる。
両思いだったなんて‥‥。
その夜は一晩中語り合って次の朝部屋を出ると使用人たちの生暖かい視線が‥‥居た堪れない。
後から聞いたのだが使用人は私の思いもフレッドの思いも知っていたらしい。
だからこそようやく結ばれた2人を祝福しますって言われた。
自白剤を使った日以来フレッドは人が変わったように暇さえあれば愛を囁くようになった。
もともと初恋に臆病になっていただけで話が大好きな人だったらしい。
それからたくさん話して愛し合って子宝にも恵まれて私は両親のような素敵な温かい家庭を築けた。
今日も旦那様は最高にかっこよくて優しくて幸せです!
「そっ、そうかしら??」
「ああ、美味しいよ。君が淹れてくれた紅茶を飲めるなんて夢みたいだ。世界で1番美味しいよ。」
ど、どうしたのかしら?
いつも一言二言しか話さない彼がこんなに話すなんて‥‥自白剤が効いているのかしら。
「それで?聞きたいことって?」
「あっ、あのそれは‥‥その。」
「ふふっ、かわいいね。落ち着いて。君の声ならいつまでも聞いていられるよ。」
カワイイ?かわいい。可愛いって言われた?!
うそっ?本当に????
ブワッ!!顔が赤くなる。
「ふふっ、顔が真っ赤だよ。林檎みたいだ。食べてしまいたい。ちゅっ。」
「ひやぁっ!!」
「可愛い。可愛すぎる!!」
「あっあの。なななんで??」
「なんで?君は俺の妻だろ?ああ、でも可愛すぎて困るな。可愛すぎるから他の男に惚れられたら困る。閉じ込めて囲ってしまいたいくらいだ。」
「他の男って‥‥。フレッド様には恋人がいると言うのは本当ですか?」
「コイビト。こいびと。恋人‥‥?俺に?恋人??何を言っているんだい??俺が愛してるのは君だけだよ。」
「で、でも!!噂になっていますわ!!それに‥‥見てしまったんです。あなたが仕事だと言っていた日に女性と宝飾店に入っていくところを!!これでもまだ言い逃れするおつもりですか?もし、あなたに恋人がいると言うのなら私は身を引きます。お飾りの妻として娶ったのでしょう??身の振り方は早めに決めたいので本当のことを教えてください!」
「エレノア‥‥。違う。違うんだ!ごめん。こんな‥‥誤解させてしまっていたなんて。でも信じてくれ!俺が愛しているのは君だけだよ。愛しい奥さん。」
「なっ、なにを!!だって私たちはキスどころか初夜も共にしなかったのですよ?それなのに信じろと?!私を馬鹿にしていらっしゃるの?騙せるとでも??」
「ごめんね。こんなことになるなんて‥‥。本当はサプライズにしたかったんだけど。はい。これを君に。」
「これは‥‥?」
手渡されたのはまだ加工の済んでいないブレスレットのようなもの。
「君に渡したくて準備していたんだ。幼馴染にアドバイスをもらいながら作っていたんだよ。やっぱり女性の方が感性がいいからね。それなのに君に誤解させてそんな顔させてしまうなんて。だめだなぁ。」
「こ、これ。」
「これは守護石を使ったブレスレットだよ。最高品質の魔石に守護魔法がかかっていて君に危険が訪れた時俺がそばに居られなくても守れるように身につけて欲しい。」
「ぁ、‥‥。でもなんで?じゃあ‥‥。」
「すまなかった。俺は君に一目惚れしたんだ。それから君を見かけては遠くから見たりして君の内面まで好きになった。でも恋愛をしたことがなかったからどうしたらいいかわからなくて‥‥。この婚姻はもちろん俺が望んだものだ。」
「惚れっ!好きって。でもならなぜ初夜の日は?」
「怖がらせたくなかった‥‥。辺境伯家からの婚姻なんて君では逆らえない。だから心を通わせてからって思っていたんだけど‥‥それが君を不安にさせていたんだね。」
「わっ、私‥‥確かに不安でしたわ。顔も知らない方に嫁ぐのは。でも初めてあなたを見た日、私も恋に落ちましたの。それだけじゃない、領民のために心を砕く姿も、剣を振るい戦うその勇姿も。あなたの内面まで好きになっていた。だからあなたに恋人がいるかもしれないって‥‥悲しかったし悔しかった。」
「エレノア。改めて言わせて欲しい。
愛している。世界で誰よりも幸せにすると誓う。だから結婚してください!」
「私もフレッド様のこと愛しております。よろしくお願いします。」
「エレノア!!」
がばっ!!
ぎゅーぎゅーと抱きつかれてたくさんのキスを浴びせられる。
両思いだったなんて‥‥。
その夜は一晩中語り合って次の朝部屋を出ると使用人たちの生暖かい視線が‥‥居た堪れない。
後から聞いたのだが使用人は私の思いもフレッドの思いも知っていたらしい。
だからこそようやく結ばれた2人を祝福しますって言われた。
自白剤を使った日以来フレッドは人が変わったように暇さえあれば愛を囁くようになった。
もともと初恋に臆病になっていただけで話が大好きな人だったらしい。
それからたくさん話して愛し合って子宝にも恵まれて私は両親のような素敵な温かい家庭を築けた。
今日も旦那様は最高にかっこよくて優しくて幸せです!
25
お気に入りに追加
44
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説

嘘は吐けない
みど里
恋愛
ルヴィ・システィーヌは貴族でありながら、一般牢に収容され憔悴していた。
そこに元婚約者でもあった怒れる王子が訪ねてくる。
「貴様の沙汰だ。自白剤による公開審問を行う」。
ルヴィは、例え嘘でも罪を認めてそれだけは避けねばと震えるが――。※11/11王子視点後日談追加。

最悪なお見合いと、執念の再会
当麻月菜
恋愛
伯爵令嬢のリシャーナ・エデュスは学生時代に、隣国の第七王子ガルドシア・フェ・エデュアーレから告白された。
しかし彼は留学期間限定の火遊び相手を求めていただけ。つまり、真剣に悩んだあの頃の自分は黒歴史。抹消したい過去だった。
それから一年後。リシャーナはお見合いをすることになった。
相手はエルディック・アラド。侯爵家の嫡男であり、かつてリシャーナに告白をしたクズ王子のお目付け役で、黒歴史を知るただ一人の人。
最低最悪なお見合い。でも、もう片方は執念の再会ーーの始まり始まり。

女騎士と文官男子は婚約して10年の月日が流れた
宮野 楓
恋愛
幼馴染のエリック・リウェンとの婚約が家同士に整えられて早10年。 リサは25の誕生日である日に誕生日プレゼントも届かず、婚約に終わりを告げる事決める。 だがエリックはリサの事を……
婚約者が肉食系女子にロックオンされています
キムラましゅろう
恋愛
縁故採用で魔法省の事務員として勤めるアミカ(19)
彼女には同じく魔法省の職員であるウォルトという婚約者がいる。
幼い頃に結ばれた婚約で、まるで兄妹のように成長してきた二人。
そんな二人の間に波風を立てる女性が現れる。
最近ウォルトのバディになったロマーヌという女性職員だ。
最近流行りの自由恋愛主義者である彼女はどうやら次の恋のお相手にウォルトをロックオンしたらしく……。
結婚間近の婚約者を狙う女に戦々恐々とするアミカの奮闘物語。
一話完結の読み切りです。
従っていつも以上にご都合主義です。
誤字脱字が点在すると思われますが、そっとオブラートに包み込んでお知らせ頂けますと助かります。
小説家になろうさんにも時差投稿します。

溺婚
明日葉
恋愛
香月絢佳、37歳、独身。晩婚化が進んでいるとはいえ、さすがにもう、無理かなぁ、と残念には思うが焦る気にもならず。まあ、恋愛体質じゃないし、と。
以前階段落ちから助けてくれたイケメンに、馴染みの店で再会するものの、この状況では向こうの印象がよろしいはずもないしと期待もしなかったのだが。
イケメン、天羽疾矢はどうやら絢佳に惹かれてしまったようで。
「歳も歳だし、とりあえず試してみたら?こわいの?」と、挑発されればつい、売り言葉に買い言葉。
何がどうしてこうなった?
平凡に生きたい、でもま、老後に1人は嫌だなぁ、くらいに構えた恋愛偏差値最底辺の絢佳と、こう見えて仕事人間のイケメン疾矢。振り回しているのは果たしてどっちで、振り回されてるのは、果たしてどっち?

忙しい男
菅井群青
恋愛
付き合っていた彼氏に別れを告げた。忙しいという彼を信じていたけれど、私から別れを告げる前に……きっと私は半分捨てられていたんだ。
「私のことなんてもうなんとも思ってないくせに」
「お前は一体俺の何を見て言ってる──お前は、俺を知らな過ぎる」
すれ違う想いはどうしてこうも上手くいかないのか。いつだって思うことはただ一つ、愛おしいという気持ちだ。
※ハッピーエンドです
かなりやきもきさせてしまうと思います。
どうか温かい目でみてやってくださいね。
※本編完結しました(2019/07/15)
スピンオフ &番外編
【泣く背中】 菊田夫妻のストーリーを追加しました(2019/08/19)
改稿 (2020/01/01)
本編のみカクヨムさんでも公開しました。

【完結】溺愛婚約者の裏の顔 ~そろそろ婚約破棄してくれませんか~
瀬里
恋愛
(なろうの異世界恋愛ジャンルで日刊7位頂きました)
ニナには、幼い頃からの婚約者がいる。
3歳年下のティーノ様だ。
本人に「お前が行き遅れになった頃に終わりだ」と宣言されるような、典型的な「婚約破棄前提の格差婚約」だ。
行き遅れになる前に何とか婚約破棄できないかと頑張ってはみるが、うまくいかず、最近ではもうそれもいいか、と半ばあきらめている。
なぜなら、現在16歳のティーノ様は、匂いたつような色香と初々しさとを併せ持つ、美青年へと成長してしまったのだ。おまけに人前では、誰もがうらやむような溺愛ぶりだ。それが偽物だったとしても、こんな風に夢を見させてもらえる体験なんて、そうそうできやしない。
もちろん人前でだけで、裏ではひどいものだけど。
そんな中、第三王女殿下が、ティーノ様をお気に召したらしいという噂が飛び込んできて、あきらめかけていた婚約破棄がかなうかもしれないと、ニナは行動を起こすことにするのだが――。
全7話の短編です 完結確約です。

恋心を封印したら、なぜか幼馴染みがヤンデレになりました?
夕立悠理
恋愛
ずっと、幼馴染みのマカリのことが好きだったヴィオラ。
けれど、マカリはちっとも振り向いてくれない。
このまま勝手に好きで居続けるのも迷惑だろうと、ヴィオラは育った町をでる。
なんとか、王都での仕事も見つけ、新しい生活は順風満帆──かと思いきや。
なんと、王都だけは死んでもいかないといっていたマカリが、ヴィオラを追ってきて……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる