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14話 sideギルド

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バタンッ

ものすごい勢いで開けられた扉。

「ギルドマスター!!なんなんですか?!あの新人!!」

普段冷静でそこそこ勤務歴も長いブライトが取り乱している。

まあそれも無理はないわな。

あれほどの腕を持った薬師なんてそうそうお目にかかれることはない。

凄腕の薬師は大体王家か貴族に囲い込まれるからな。

市井に紛れていることなんて普通ないんだよなぁ。

「ああ、安心しろ。俺も動揺してる。」

「?!」

「薬草に関する知識も完璧。なんてったってペーパー試験は全問正解だ。満点を防ぐ為の超難問だって合ってたからな。それどころか実技も素晴らしい。ロイヤルクリームって作るのめっちゃ難しいし材料だって滅多に手に入らない‥‥。自分で採ってきたってほんとか?!ほんとなんだろうな!!」

「マスター、落ち着いて。」

「これが落ち着いてられるか!!さっき鑑定したら彼女が作ったものは全て最高ランクだ。間違いなく一流の薬師だ。それに冒険者としても申し分ない。こんな人材どこで埋もれてたんだよ‥‥。お前から見て彼女はどうだ?」

「どう‥‥とは。所作や話し方からも気品が感じられどこかの貴族令嬢ではないかと。ただ冒険者としても来たあたり没落か追放のどちらか。私としては追放だと思うのですが‥‥。あんな人材そうそう手放すはずもありませんが虐げられていたとしたら別ですね。それに他国の方かと思います。常識に疎いようですし‥‥。」

「まあそうだろうな。ブライト、彼女は信頼に足る人物か?」

「判断材料が少ない為まだ確証は持てていませんが信頼できる人材かと。聞き込みを行ったところ貴賤関係なく接する穏やかな良識あるお方です。実際に対面した印象もそう変わりありませんでした。警戒して排除するよりも取り込みここに居着いてくだされば他の冒険者の刺激にもなりますしいいのでは?」

「だよなぁ~、一応監視兼護衛はつける。まあ監視よりかは護衛メインだな。護衛が必要とも思えんが‥‥。彼女がもとは貴族だろうと今は平民。貴族に絡まれていたら助けが必要だろう。ブラントそのつもりでな。」

「はい!」

ブラントが出て行った扉を見つめながらしばし考える。

いい意味でも悪い意味でも彼女の存在はこのギルドを変えていくだろう。

この先どうなるかわからんが見守っていこう。なんだか面白いことになりそうだ‥‥。

冒険者ギルドからの報告とも実際会った感じはそう変わりないな。

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