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9話
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街に入ってまずはギルドに向かうことにする。
昼過ぎの広場は随分と混み合っていた。
エルフや獣人、ドワーフといった様々な種族の人がいて見ているだけでも楽しい。
私の国は昔は酷く人間至上主義で最近ようやく他種族に向けて開かれてきたけれどやっぱり王都で他種族を見ることは少なかった。
ギルドへ向かう途中の通りには様々な屋台や武器屋、魔道具屋が並んでいて1日じゃとても見て回れないだろう。
色々と目移りしてしまうがまずは用事を済ませよう。
身分証を作って冒険者登録をしないことには何も始まらない。
情報収集もしないとね!!
おっ!ここかな?
頑丈そうな扉‥‥。
あれ?開かない。
私の力じゃ開けられないの?!
仕方がない。
『身体強化』
おっ、開いた!!
わあ~~~!!
すごい!!
屈強な人がたくさん。
ちょっと威圧感も感じるけどthe冒険者ギルドって感じ。
後ろから入ってきた人には生温かい視線を向けられる。
恥ずかしいっ
え~っと、あそこが受付かしら?
4列あって結構並んでいる。
でも一つだけ空いてるのよね。
何か理由があるのかしら?
まあ、いいわ。
早く登録を済ましてしまいたいから空いてるところに並びましょ!
「あの、冒険者登録がしたいのですが‥‥。」
「はい、新規の方ですね。お名前をお願いします。」
「エレノアです。」
エレノア。そう、もう名字はない。
そのことで少し感傷的になるかもと思っていたけれどそんなことはなかった。
私の中でもう随分と割り切れていたみたい。
「身分証はお持ちですか?」
「これ、門で受け取った仮の身分証なんですけど‥‥。」
「構いませんよ。ではこちらの水晶に触れてください。」
「ーー何も起こりませんね。」
「ええ、起こらない方がいいですよ。これは過去の犯罪を識別する魔道具ですから。では当ギルドの制度を説明いたします。」
「お願いします。」
「まず、このギルドはどなたでも登録することができます。多くの国や街で身分証として使うことができます。当ギルドで斡旋する仕事は大きく分けて4種類。採取、討伐、護衛、日雇いです。依頼はそちらのボードに張り出されています。受ける依頼の紙をボードからとって受付で受理してください。また冒険者にはランクが存在します。下から見習い、青、鉄、銅、銀、金、黒、白金となっております。このランクによって受られる依頼に制限があったり、指名依頼が回ってくることがあります。ではこちらに血を一滴たらしてください。」
「あの‥‥これは?」
「ギルドタグを作るためです。タグはランクごとに色が分かれています。また、血を垂らすことでその血に含まれる魔力に反応して個人を識別できるタグを作ることができます。ギルドではタグによって様々なことが管理されます。依頼の達成度やランクもこのタグを見ればどこのギルドでも即座にわかるようになっております。タグを紛失した場合は有料で再発行をお願いします。また、依頼を1ヶ月ほど受けないとギルドへの登録は自動的に取り消しになるのでご注意ください。」
血を一滴垂らすとタグが光った。
これで登録はできたみたいだ。
「あの、ありがとうございます!!」
お礼を言うと職員さんは驚いたように目をぱしぱしとしていた。
何かおかしなことしたかしら?
ギルドでの登録はできたからあとは情報収集ね。
昼過ぎの広場は随分と混み合っていた。
エルフや獣人、ドワーフといった様々な種族の人がいて見ているだけでも楽しい。
私の国は昔は酷く人間至上主義で最近ようやく他種族に向けて開かれてきたけれどやっぱり王都で他種族を見ることは少なかった。
ギルドへ向かう途中の通りには様々な屋台や武器屋、魔道具屋が並んでいて1日じゃとても見て回れないだろう。
色々と目移りしてしまうがまずは用事を済ませよう。
身分証を作って冒険者登録をしないことには何も始まらない。
情報収集もしないとね!!
おっ!ここかな?
頑丈そうな扉‥‥。
あれ?開かない。
私の力じゃ開けられないの?!
仕方がない。
『身体強化』
おっ、開いた!!
わあ~~~!!
すごい!!
屈強な人がたくさん。
ちょっと威圧感も感じるけどthe冒険者ギルドって感じ。
後ろから入ってきた人には生温かい視線を向けられる。
恥ずかしいっ
え~っと、あそこが受付かしら?
4列あって結構並んでいる。
でも一つだけ空いてるのよね。
何か理由があるのかしら?
まあ、いいわ。
早く登録を済ましてしまいたいから空いてるところに並びましょ!
「あの、冒険者登録がしたいのですが‥‥。」
「はい、新規の方ですね。お名前をお願いします。」
「エレノアです。」
エレノア。そう、もう名字はない。
そのことで少し感傷的になるかもと思っていたけれどそんなことはなかった。
私の中でもう随分と割り切れていたみたい。
「身分証はお持ちですか?」
「これ、門で受け取った仮の身分証なんですけど‥‥。」
「構いませんよ。ではこちらの水晶に触れてください。」
「ーー何も起こりませんね。」
「ええ、起こらない方がいいですよ。これは過去の犯罪を識別する魔道具ですから。では当ギルドの制度を説明いたします。」
「お願いします。」
「まず、このギルドはどなたでも登録することができます。多くの国や街で身分証として使うことができます。当ギルドで斡旋する仕事は大きく分けて4種類。採取、討伐、護衛、日雇いです。依頼はそちらのボードに張り出されています。受ける依頼の紙をボードからとって受付で受理してください。また冒険者にはランクが存在します。下から見習い、青、鉄、銅、銀、金、黒、白金となっております。このランクによって受られる依頼に制限があったり、指名依頼が回ってくることがあります。ではこちらに血を一滴たらしてください。」
「あの‥‥これは?」
「ギルドタグを作るためです。タグはランクごとに色が分かれています。また、血を垂らすことでその血に含まれる魔力に反応して個人を識別できるタグを作ることができます。ギルドではタグによって様々なことが管理されます。依頼の達成度やランクもこのタグを見ればどこのギルドでも即座にわかるようになっております。タグを紛失した場合は有料で再発行をお願いします。また、依頼を1ヶ月ほど受けないとギルドへの登録は自動的に取り消しになるのでご注意ください。」
血を一滴垂らすとタグが光った。
これで登録はできたみたいだ。
「あの、ありがとうございます!!」
お礼を言うと職員さんは驚いたように目をぱしぱしとしていた。
何かおかしなことしたかしら?
ギルドでの登録はできたからあとは情報収集ね。
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