異世界で理想のスローライフを!目指して頑張ってます!!

ララ

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8話 初依頼

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ギルドの資料室でしっかり予習は済ませた!早速薬草採取に出かけよう!!‥‥っていうのは冗談。

なぜかって?漫画やアニメなら初日から薬草採取やら魔物討伐やら受けるんだろうけどさ。無理だよ?まあ薬草採取だけならできるだろう。薬草採取だけ、ならね?城壁を抜けたらそこに広がるのは未知の世界。もちろん薬草はあるだろう。でもあるのは薬草だけじゃない。魔物もいるんだ。

もし薬草を採取している間に魔物に襲われたら?あのときサムとヴォルフに助けてもらえなければ俺は死んでいた。弱いんだ、どうしようもないほどに。それにまだ魔物と命を懸けて戦う覚悟だってない。

戦闘講習を終えるまで街の外に出るつもりはない。それじゃあ何をするか?ーー街の中でできる依頼を受ける。

街の人が出すお手伝い依頼とか‥‥わかりやすく言うと単発バイトみたいな感じかな?農家の手伝いとか城壁工事、家事代行なんていうのもある。城壁工事は誰もが通る道だ。なかなか体力のいる仕事だから大変だけどこれくらい冒険者を目指すならこなせなきゃいけない。体力ないからなあ~。どうしよう?ひとまず簡単そうな依頼を受けてみようかな?

んん~、この中だとダントンさんのナーゴの収穫の依頼がよさそうかな?ナーゴがどんなものかはわからないけど‥‥。よし!やってみよう!

受付に依頼ボードに貼ってあった紙を持っていく。

「これを受けようと思うんだが‥‥。」

「はい、こちらの依頼ですね。‥‥受理いたしました。依頼達成したら依頼主からこちらの紙にサインをもらってください。サインの入った紙を受付に出していただくと依頼達成となり代金が支払われます。」

「ありがとう!」

「はい、行ってらっしゃいませ。」

依頼の紙には集合場所までの地図が乗っていた。地図を頼りに集合場所へ向かう。歩いていくと目的地に近づくにつれて建物が少なくなり、畑が多くなる。地球で見たことのある植物もあれば味の想像がつかないものもある。

ーーここかな?

「ナーゴ収穫の依頼を受けた者なんだが‥‥。」

「ああ!こっちに来てくれ。あと数人来る予定だからそろったら始めるぞい!」

元気なお爺さんだ。

「ーー予定時間だな。来ない奴らはもう知らん!さあ始めるか。お前さんたちはナーゴを知っておるかね?」

反応を見る限りナーゴはよく知られている食材なんだな。

「お前さんはよそから来たのかの?それなら知らんくてもおかしないわな。ここらでよく取れる食材なんじゃ。地中に埋まっておる。ーーほれ!これじゃ。腹持ちがよくて安いんでこの街に滞在するつもりならいつか絶対食べるじゃろ。これを一人このかご10個収穫して土を落とすために水洗いしたら終わりじゃ。早く終わったらそれだけ早く帰ってもらって構わん。ただし適当な仕事は許さんぞ!ではお願いしよう。」

見た目はじゃがいもだな。味が同じかはわからないが‥‥。さて、はやく終わらせてしまおう!

ーーおっ終わった‥‥。あ”あ”ー、腰が痛い。こんなに大変な作業だと思わなかった。かがんで引っこ抜いて‥‥。それが終わったら一つずつ丁寧に洗って‥‥。最近はパソコンと向き合うばかりでろくに体を動かしていなかったからなおさら大変だった。明日は絶対筋肉痛だあ~。

結局4時間ぐらい作業していたかな?中にはもっと早く終わっている人もいた。あしを怪我した冒険者なんかはさすが作業が早かった。俺みたいな駆け出しもひいひい言いながらやってた。あとは子供が何人か。依頼をうけても当日来ない奴も毎回何人かいるそうで多めに募集しているんだって。

「終わりましたぁ~。」

「追う!完璧だな。ほう~、丁寧な仕事じゃのう。ちと待っとれ。書いてくる。ーー待たせたの。ほれ。」

「これは?」

「とくにいい働きをしとったというギルドへの報告じゃ。昇格の際は人格も重要じゃからの。こういう以来の時に依頼主から太鼓判を押されとると昇格しやすくなるんじゃ。」

「へえ~ありがとう!」

「こちらこそ!また受けておくれ!ーーそこ!適当すぎる。やり直しじゃ!!」

ははっ、元気な人だ。厳しいが仕事をちゃんとやれば怒られることもないのにな。適当にやるから怒られるし、時間もかかる。あの若者はまだ終わりそうにないな。さて、達成報告に行くか!


ーーあっリネーさんがいる。やっぱりリネーさんのとこだけ空いてるんだよなあ。

「こんばんは。これをお願い。」

「はい、依頼達成ですね。こちらが報酬です。」

「ありがとう。」

受け取った報酬は一日の宿代と夕食代に使って少し余るくらい。もう夜ご飯の時間だ。今日は何を食べようかな~?





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