9 / 9
9話
しおりを挟む
「まずは時間をとってくれてありがとう。ルーカスは?」
「もう時間も遅いから寝かせたわ。」
「そうか‥‥。単刀直入に聞く。君はクレア・シルフォニアか?そしてルーカスはシルフォニア王家の血を引いている?」
ヒュッ
「ぁ‥‥ぇ‥‥。」
なんで?どうして??パニックを起こしてしまう。
「ごめん、そうか。そうなんだな。」
抱きしめてくれる彼の体温は暖かいはずなのに寒くて仕方がない。
「クレア、聞いてくれ。隠していて悪かった。俺の名前はエルネスト・カルディア。ここカルディア王国の第二王子だ。」
「第二王子‥‥??」
「ああ、そうだ。そしてシルフォニアを落とすよう命じられた。」
「ええ、そうよね。あの国は滅びるべきだわ。」
「ルーカスのことなんだが‥‥。」
「お願い!ルーカスを助けて!私はどうなったって良いわ!でも‥‥あの子に罪はない!!」
「落ち着いて、クレア。もちろんルーカスを殺させはしない。そして君もだ。愛している。2人を誰よりも愛しているんだ。」
「私も‥‥あなたを愛しているわ。エル。」
「2人を守るためにも‥‥結婚してくれ!クレア!」
「?!」
「突然ですまない。それにこんなところで。君とルーカスを守るためには俺と結婚してシルフォニアを属国扱いにして統治するのが最もリスクが少ない。もちろんそのためだけの結婚なんかじゃない。心からクレアを愛しているんだ。このことがなくてもいつかこと思いを伝えるつもりでいた。」
「‥‥っ!嬉しい!!愛する人と結ばれてルーカスも無事だなんて‥‥。ルーカスはもう瞳を隠さなくて良いのね。ああ!こんな都合のいいことがあっても良いの?それともこれは夢??」
「夢じゃない。それはYESってことだよな?」
「ええ!!」
「愛してる。生涯君たちを守ると誓うよ。どうかこれから共に歩んでくれ。」
「私も愛しています。生涯の伴侶として寄り添うことを誓います。」
リビングで行われたプロポーズ。ひっそりと静まり返った夜に2人は愛を誓い合った。
ーーーー
2人は正式に結婚し、エルネストはシルフォニアに攻め入り国を滅ぼす。民を解放しカルディア王国の属国とする。常に慈悲深く民の人気のあった正妃が帰ってきて王家の血を継ぐルーカスがいたことから民の反発はほとんどなく平和な統治が続いた。
贅を尽くした王侯貴族は例外なく処刑された。クレアを貶めたアゲハは私がヒロインなの!こんなの違う!と叫びながら断頭台へ上がった。
『ほっほ、第二の人生、幸せになれたようで何よりじゃ。これからも幸せに暮らせるようちと加護をつけといたぞ。4人の未来に幸せが在らんことをーー。』
「ぼくりっぱなお兄ちゃんになるの!」
「もう時間も遅いから寝かせたわ。」
「そうか‥‥。単刀直入に聞く。君はクレア・シルフォニアか?そしてルーカスはシルフォニア王家の血を引いている?」
ヒュッ
「ぁ‥‥ぇ‥‥。」
なんで?どうして??パニックを起こしてしまう。
「ごめん、そうか。そうなんだな。」
抱きしめてくれる彼の体温は暖かいはずなのに寒くて仕方がない。
「クレア、聞いてくれ。隠していて悪かった。俺の名前はエルネスト・カルディア。ここカルディア王国の第二王子だ。」
「第二王子‥‥??」
「ああ、そうだ。そしてシルフォニアを落とすよう命じられた。」
「ええ、そうよね。あの国は滅びるべきだわ。」
「ルーカスのことなんだが‥‥。」
「お願い!ルーカスを助けて!私はどうなったって良いわ!でも‥‥あの子に罪はない!!」
「落ち着いて、クレア。もちろんルーカスを殺させはしない。そして君もだ。愛している。2人を誰よりも愛しているんだ。」
「私も‥‥あなたを愛しているわ。エル。」
「2人を守るためにも‥‥結婚してくれ!クレア!」
「?!」
「突然ですまない。それにこんなところで。君とルーカスを守るためには俺と結婚してシルフォニアを属国扱いにして統治するのが最もリスクが少ない。もちろんそのためだけの結婚なんかじゃない。心からクレアを愛しているんだ。このことがなくてもいつかこと思いを伝えるつもりでいた。」
「‥‥っ!嬉しい!!愛する人と結ばれてルーカスも無事だなんて‥‥。ルーカスはもう瞳を隠さなくて良いのね。ああ!こんな都合のいいことがあっても良いの?それともこれは夢??」
「夢じゃない。それはYESってことだよな?」
「ええ!!」
「愛してる。生涯君たちを守ると誓うよ。どうかこれから共に歩んでくれ。」
「私も愛しています。生涯の伴侶として寄り添うことを誓います。」
リビングで行われたプロポーズ。ひっそりと静まり返った夜に2人は愛を誓い合った。
ーーーー
2人は正式に結婚し、エルネストはシルフォニアに攻め入り国を滅ぼす。民を解放しカルディア王国の属国とする。常に慈悲深く民の人気のあった正妃が帰ってきて王家の血を継ぐルーカスがいたことから民の反発はほとんどなく平和な統治が続いた。
贅を尽くした王侯貴族は例外なく処刑された。クレアを貶めたアゲハは私がヒロインなの!こんなの違う!と叫びながら断頭台へ上がった。
『ほっほ、第二の人生、幸せになれたようで何よりじゃ。これからも幸せに暮らせるようちと加護をつけといたぞ。4人の未来に幸せが在らんことをーー。』
「ぼくりっぱなお兄ちゃんになるの!」
403
お気に入りに追加
457
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説

転生先が意地悪な王妃でした。うちの子が可愛いので今日から優しいママになります! ~陛下、もしかして一緒に遊びたいのですか?
朱音ゆうひ
恋愛
転生したら、我が子に冷たくする酷い王妃になってしまった!
「お母様、謝るわ。お母様、今日から変わる。あなたを一生懸命愛して、優しくして、幸せにするからね……っ」
王子を抱きしめて誓った私は、その日から愛情をたっぷりと注ぐ。
不仲だった夫(国王)は、そんな私と息子にそわそわと近づいてくる。
もしかして一緒に遊びたいのですか、あなた?
他サイトにも掲載しています( https://ncode.syosetu.com/n5296ig/)

前世を思い出したので、最愛の夫に会いに行きます!
お好み焼き
恋愛
ずっと辛かった。幼き頃から努力を重ね、ずっとお慕いしていたアーカイム様の婚約者になった後も、アーカイム様はわたくしの従姉妹のマーガレットしか見ていなかったから。だから精霊王様に頼んだ。アーカイム様をお慕いするわたくしを全て消して下さい、と。
……。
…………。
「レオくぅーん!いま会いに行きます!」

この罰は永遠に
豆狸
恋愛
「オードリー、そなたはいつも私達を見ているが、一体なにが楽しいんだ?」
「クロード様の黄金色の髪が光を浴びて、キラキラ輝いているのを見るのが好きなのです」
「……ふうん」
その灰色の瞳には、いつもクロードが映っていた。
なろう様でも公開中です。

誰も残らなかった物語
悠十
恋愛
アリシアはこの国の王太子の婚約者である。
しかし、彼との間には愛は無く、将来この国を共に治める同士であった。
そんなある日、王太子は愛する人を見付けた。
アリシアはそれを支援するために奔走するが、上手くいかず、とうとう冤罪を掛けられた。
「嗚呼、可哀そうに……」
彼女の最後の呟きは、誰に向けてのものだったのか。
その呟きは、誰に聞かれる事も無く、断頭台の露へと消えた。

最悪なお見合いと、執念の再会
当麻月菜
恋愛
伯爵令嬢のリシャーナ・エデュスは学生時代に、隣国の第七王子ガルドシア・フェ・エデュアーレから告白された。
しかし彼は留学期間限定の火遊び相手を求めていただけ。つまり、真剣に悩んだあの頃の自分は黒歴史。抹消したい過去だった。
それから一年後。リシャーナはお見合いをすることになった。
相手はエルディック・アラド。侯爵家の嫡男であり、かつてリシャーナに告白をしたクズ王子のお目付け役で、黒歴史を知るただ一人の人。
最低最悪なお見合い。でも、もう片方は執念の再会ーーの始まり始まり。

わたしを捨てた騎士様の末路
夜桜
恋愛
令嬢エレナは、騎士フレンと婚約を交わしていた。
ある日、フレンはエレナに婚約破棄を言い渡す。その意外な理由にエレナは冷静に対処した。フレンの行動は全て筒抜けだったのだ。
※連載

あなたの仰ってる事は全くわかりません
しげむろ ゆうき
恋愛
ある日、婚約者と友人が抱擁してキスをしていた。
しかも、私の父親の仕事場から見えるところでだ。
だから、あっという間に婚約解消になったが、婚約者はなぜか私がまだ婚約者を好きだと思い込んでいるらしく迫ってくる……。
全三話

好きにしろ、とおっしゃられたので好きにしました。
豆狸
恋愛
「この恥晒しめ! 俺はお前との婚約を破棄する! 理由はわかるな?」
「第一王子殿下、私と殿下の婚約は破棄出来ませんわ」
「確かに俺達の婚約は政略的なものだ。しかし俺は国王になる男だ。ほかの男と睦み合っているような女を妃には出来ぬ! そちらの有責なのだから侯爵家にも責任を取ってもらうぞ!」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
【認証不要です】
6話、棋士←騎士?
誤字指摘ありがとうございます。
直しました!棋士だとだいぶ意味が変わってしまいますね💦