追放された悪役令嬢はシングルマザー

ララ

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6話

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「送っていただいてありがとうございました。」

「いいえ、騎士として当然のことをしたまでです。」

「あのっ、これお礼として受け取ってください。」

「これは??」

「私、薬屋を営んでいるんです。私の作った回復ポーションです。」

「(手作り‥‥嬉しい!)ありがとうございます!大切に使いますね?」

「怪我したら使ってくださいね?」

「はい、ところで旦那さんは‥‥??」

「あの‥‥この子の親は私だけなんです。」

「?!失礼なことを聞いて申し訳ございません。」

「気に病まないでください。今日は遅くまでありがとうございました。いらぬ心配かもしれませんがお気をつけて。」

「ありがとうございます。ではおやすみなさい。」

「ぅーん?お母さま??」

彼が去る直前で目を開けたルーカス。その瞳は紫色をしていた。

瞳の色を確認した瞬間違和感のないように隠した。

きちんと隠せただろうか?

心臓がバクバクなる。

どうしよう?バレた?でも‥‥一瞬だった。彼が見ていたとも限らない。

大丈夫。きっと大丈夫よ。

「お母さま?」

「ああ、ごめんね。ルーカス。目薬しましょう?」

「うん!」

「もう夜も遅いわ。おやすみなさい。」

「おやすみー!!」

すやすやと穏やかな寝息を立てて眠る我が子を見守る。

きっと大丈夫よ。もう彼に会うことはないだろうし。

あと3週間ちょっと。接触のないように気をつけましょう!気を引き締めるのよ!クレア!!



ーーーー

「あっ団長帰ってきた!」

「「「「「お帰りなさい!!」」」」」

「なんだ?お前たち。」

「まあまあ飲みましょう。今日は最後まで付き合いますから!」

「飲んで嫌なことは忘れちゃいましょう!」

「俺も失恋したんです!慰めてください!!」

「お前はいつも失恋してるだろ。大体あって3秒で惚れだって何だよ。しかも毎回彼氏持ちだしさぁ~。」

「だって~うぅ~。」

「何でお前がもう酔ってるんだ!」

「おい、何だこれは?」

「団長を慰める会です!」

「はぁ?何でお前らに慰められなきゃならないんだ??」

「ぇ?だって失恋したんでしょう?あのお嬢さんお子様いたじゃないですかー!」

「あぁ、旦那はいないそうだ。」

「「「「「「「?!」」」」」」」

「じゃあいける?!」

「お前ら、絶対に手出すなよ?」

「おお、怖っ。さすが団長。殺気混じりはマジですね。」

「お嬢さん怖がらせないでくださいよ!」

「それがよ!団長、あのお嬢さんの前では爽やかに笑ってたんだよ!」

「「「嘘だぁ~!」」」

「本当だって!」

「え?団長笑えたんですか?」

「失礼な奴だな。俺だって笑えるさ。さあ!お前ら邪魔だ!どっか行け!!」

「「「「はははっ!!」」」」

「はぁ~結局飲みたいだけだろ。」

「まあまあ良いじゃないですかぁー!!」

「そうだ!そうだ!!」

騒がしい夜は深夜に至るまで続いた。
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