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2話

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隣国カルディア王国に着いて半年経った頃。私は王都へ行くのに馬車で3時間ほどかかる街に住んでいた。

活気のあるところで交通の要として機能している。住民の結束が強く治安も整っている。

そんな街の隅に小さいながらも家を買って1人暮らしていた。

当初ここに行く着くと倒れてしまった。明らかに訳ありで怪しい私をそれでも住民は介抱してくれた。

理由も聞かずに話したくなれば話しなさいと言ってくれて生活を整えてくれた。

本当に感謝しても仕切れない。当時身につけていた僅かな宝石を売って生活費にした。

そのお金で家を買ってそれからは薬師として生きている。

私の作るポーションや薬は結構評判なのよ?今では噂を聞きつけた商人がわざわざ買い付けに来るくらいにね。

生活も安定して辛かった日々を思い出すことは徐々になくなっていった。

住民は温かく優しい。自分で作る食事は王宮のやたら高価な食材ばかりを使った料理よりも何倍も美味しい。近所の人とおかずを交換したりして毎日がとても楽しいわ!

国外追放にしてくれたことを今では感謝しているくらいに幸せなの。

だから‥‥その幸せがずっと続くものだと勝手に勘違いしていたーー。

ーー最近体調が悪い。

食べ物を食べられないし食べると吐いてしまう。微熱があったりやたらと眠くなってしまい昼夜問わず寝て過ごすことも多い。

コンコンッ!!

「クレア?いないの?」

尋ねてきてくれたのは私と同い年くらいのマーユ。彼女は2人の子供がいるお母さんだ。

「ーーごめんなさい。少し体調が悪くて‥‥。」

「大丈夫?最近多いんじゃない?何か気になる症状はあるかしら?」

「薬屋の不養生よね。」

「もう!そんなこと言ってる場合じゃないわ!何か病気ならお医者様を呼ばなくちゃ!手遅れになってからじゃダメなんだからね!」

「ふふっ、ありがとう。」

「何よ!笑っちゃって!」

「いえ、嬉しいのよ。そんなふうに心配してくれて。」

「当たり前じゃない!クレアは大切な友達なんだから!それに妹みたいで放って置けないのよ。」

「まあ!私が妹?同い年なのに?」

「ええそうよ。クレアって少し浮世離れしているところがあるから心配なの!さあ!最近の症状を言いなさい!」

「は~い。食べ物が食べられなかったり微熱が続くわ。あとひたすらに眠いの。」

「ふむふむ‥‥。あの‥‥詳しいことは言いたくなかったらいいのよ?でもこの質問には答えてくれるかしら?」

「どうしたの?そんな遠慮して。」

「クレア。あなた半年以内に誰かと閨をともにしたことはある?」

「っ?!‥‥ある‥‥わ。どうしてそんなことを聞くの?」

何となくわかっていた。でも違うと言って欲しかった。

「あなた、妊娠しているわ。」
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