ギリ彼~甘々兄とドS弟~

ブルー・エメラルド

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第一章 天国と地獄

第一話 浮気っ子の日々

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私が『彼ら』に出会ったのは高2の時の入学式。
新入生代表として壇上へ上がる少年がいる。

私は舞台を見ずに携帯をいじっていた。
新入生代表は、入試成績トップが読み上げる。
つまり、七三メガネのダサ男が話すに決まっている。

興味ない

でも、彼が壇上に上がり終え、こちらを振り返った時
在校生たちがそろって黄色い声や驚きの声を上げた。
私もつられて、壇上を見る。

この瞬間、私は彼に一目惚れした。
惚れたと言っても、恋に落ちたとかじゃない。
ただ、欲しいと思った。

「鈴木海(すずき かい)」

そう呼ばれて凛としたよく通る声で返事をする。
髪は所々くせが付いていて、少し白銀色っぽい。
目はクリクリとしていて、チワワのような印象を受けた。
可愛い、の一言が似合う海くん。

近づく方法を必死に探した。

そしてたどり着いたのが、彼の部活に所属することだったが
なぜか彼は部活動に所属していない。
ある日、偶然海くんと同じ電車で帰る機会があった。
私は、これは神様からのプレゼントだと思い、話しかけてみる。

「はじめまして、私は藤咲麗華、あなた新入生代表で喋ってた鈴木海くんよね。」

彼は最初少し驚いた表情を見せたけど、すぐにニコッと笑って返事してくれた。

「はじめまして、藤咲先輩!」

あーもう、本当に可愛い小動物みたい!!

「あ、あのね海くんもう部活決めた?」

「なぜそんなことを聞くんですか?」

うっ…ですよねー
「バババ、バスケ部の友達がプレイヤー勧誘手伝ってって言われて…」

「なるほど。ですが先輩、すみません。
俺、部活は所属できないんです。バイトで忙しくて…」

なんて偉いのかしら…

でも待って!
私の調べによると海くんはバイトなんてしてない…

嘘をついた…?
そう思って動揺した私は
思わず聞いてしまった。

「海くん、バイト、してないよね。」

「せん、ぱい…?」

しまった!
こんなこと知ってたら…
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