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10.見えない味方と更紗の覚悟
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悟は自分に覆いかぶさる更紗を見上げた。彼女の苦悶の表情に、自分が守られたのだと理解する。
肩と背中を叩かれた更紗は痛みがひどくて呼吸をするのがやっとの状態だ。
「き、如月さん……!」
悟は、辛そうにくずおれる更紗を支える。
「はっ!ようやくおとなしくなったか」
不良集団は二人を取り囲み、見下ろした。
更紗を支えながら悟は彼らを睨み返す。
「女の子相手に武器振り回して恥ずかしくないの?」
「は?その女に守られてばかりのてめぇに言われる筋合いなんかねぇわ」
ギリッ。
歯を食いしばり、悟は不良集団に立ち向かおうとする。
「……ダメ」
しかしそれを更紗が腕を引いて止めた。
「約束したでしょ……道鋏くんのことは私が守るって」
痛む身体を起こして立ち上がり、更紗は真っ直ぐ悟の目を見つめた。
「私が道鋏くんには手を出させない。だから、下がっていて」
「如月さん……」
鉄パイプの直撃を受けたのだ。痛いに決まっている。それなのに、笑顔さえ浮かべて悟を守ろうとする姿勢に胸がチクリとする。
「つまんねぇ小芝居してんじゃねぇよ。虫唾が走るわ!」
そう言った不良はそのままポケットから何かを取り出して更紗に吹きかけた。
「……っな!」
吹きかけられた途端、目を開けていられなくなる。
「おい、お前何を」
「安心しろよ。ただの催涙スプレーだ」
(涙が止まらない……これは最悪の状況かも)
怪我を負っているし視力も奪われた。守らなければならない悟を逃がせていない。
「見えなきゃ避けることも、攻撃を当てることも……そっちの奴を守ることもできねぇなぁ。……さ、覚悟はいいか?」
不良たちが武器を構える気配が伝わってくる。
窮地を脱する手立てを思いつけないまま、更紗は不良たちを相手にするため立ち上がる。今の状態では勝ち目は薄いが、それでも黙ってやられるつもりはない。
更紗と不良集団が再びぶつかり合おうとした時、集団の後方から声が上がった。
「グハッ!」
「な、なんだお前は!」
不良たちの意識が前方の更紗ではなく後方に移る。
「――騒がしいと思ったら、集団で少数を痛ぶる下衆どもが湧いていたか」
不良たちの向こうに一つの影。
緩くウェーブのかかった茶髪に透空学園の制服で身を包んだ男子生徒の姿がそこにあった。
しかし更紗は目を開けられず、姿を確認することができない。
(だ、誰……?)
「なんだ、お前!」
「邪魔すんじゃねぇよ」
「おい、そんな奴に構うな!」
「俺たちの目的はこっちの女だ」
(誰だか分からないけど、気にしてる場合じゃない)
不良たちが更紗の方を向く気配がし、身構えた。
しかし不良たちが更紗に襲いかかるよりも、現れた彼が声を発する方が早かった。
「〈おれと、戦え〉」
不思議な響きの声が耳に届くと、更紗の胸がざわめいた。戦わなければならないような焦燥感に襲われる。
(こんなこと、前にも……)
思い出すのはレイに誘惑する香りを掛けられた時のこと。
(でも今はあの時みたいな匂いはしてないし、それに……抗える)
胸はざわめくけれど、行動を完全に支配されたわけではない。
命令を逃れた更紗とは違い、不良たちの大半が身体を反転させて狙う相手を変えた。
「おいお前ら!敵はそっちじゃ……」
「ほう、抗える者もいたか。お前がこの集団のリーダーだな」
彼は向かってくる不良たちを拳でねじ伏せながら口元に笑みを浮かべた。
「お前とも戦ってやるから待っていろ」
更紗には何が起こっているのか分からない。
(ひとまず助かったのかな……?この状況に乗じて道鋏くんを逃がさないと……って、あれ?道鋏くんは?)
気づいた時には周囲から悟の気配が消えていた。
(道鋏くんの気配がない!)
ほとんど開かない目で探すと少し先にぼんやりと影が見える。
「うわっ!待って!道鋏くん、行っちゃダメ!」
先ほどの命令で悟も動いていたようだ。腕を強く引いて進むのをやめさせる。
「あ、あれ?俺はいったい何を……?」
「正気に戻ったんだね、良かった」
危険が及ばないように悟を下がらせ、今何が起こっているのかの説明を求めた。
「分からない。透空学園の制服を着た男子がひとりで戦ってるみたいだけど」
「うちの生徒?」
「うん、そうみたいだよ。知り合いかな?」
「見えれば分かるかもしれないけど……」
あいにく更紗は目を微かに開けるのがやっとで、誰だか認識することはできない。
「特徴は?」
「茶髪で緩いパーマ」
更紗の頭をよぎったのはレイだった。彼もウェーブがかった茶髪で襟足を少し伸ばしている。さらに先ほどの命令のことも合間って疑惑が深まった。
(市原先輩が暴力を振るうところなんて想像つかないけど……)
もう少し特徴が分かれば判断できるかもしれないと考え、更紗は質問を続ける。
「襟足は?長い?」
「ここからじゃ見えない」
「ワイシャツを第二ボタンまで開けてる?」
「いや、しっちゃかめっちゃかに引きちぎられてて、ボタンとか分からない」
「顔は?女の子に好かれそう?」
「悪鬼羅刹。男でも泣き出しそう」
最後の質問で分かった。彼はレイではない。
「……いったい誰なんだろう」
正体不明の彼は不良集団のほとんどを蹴散らし、残っているのは命令を跳ね除けたリーダーのみだった。
「仲間は全員いなくなったぞ。お前がこの集団を束ねているのなら、仲間のメンツをかけておれを倒さなければならないだろう」
「な、なんなんだ、てめぇは……」
今にも泣き出しそうな情けない顔だった。完全に戦意を喪失している。
武器を所持した仲間たちが倒れ伏しているのを前にすれば、次に自分がどういう運命を辿るか想像ができたのだろう。
前に出ることはなく、プライドを投げ捨てて逃げ出した。
「……情けないやつめ」
彼は追いかけなかった。呆れを隠さず首を振るだけだ。
彼は更紗たちを一瞥する。
「…………」
しかしそのまま何も言わずに去ってしまう。
足音で去るのを感じ取った更紗だが、まだ素早く動くには無理があった。
(同じ学校の生徒なら、きっとまた会えるよね)
そんな期待をする更紗だった。
「ふー、これで目が開けられる。ありがとう、道鋏くん」
先ほど乱闘が起こった現場から少し離れた公園で、更紗は水道で目をゆすぐ。
ほとんど視力のない更紗を支えて歩いてくれた悟に礼を述べると、彼は頭を振った。
「助けてもらったのは俺の方。ありがとう、如月さん」
悟の態度に、最初あった険はない。不良たちから身体を張って守ろうとした更紗の愚直とも言える真っ直ぐさを目にして、更紗に抱いていた悪印象は消えてなくなった。
それどころか――。
(彼方が天使って呼ぶ理由が分かった)
濡れた顔をハンドタオルで拭う更紗を眺めてこっそりと微笑む。
「そういえば、怪我は大丈夫?」
「あぁ……うん、折れてはないと思う」
背中と肩、足を順に確認する。痛いけれど動かすことができた。
「いったい、あいつら何の目的で襲ってきたの?」
巻き込んでしまった手前、事情を話さないわけにもいかない。更紗は女子高生杯に出場することと、そこに至った経緯を話した。
「そんなことのためにこんな酷いことを……」
「私もここまでやるとは思ってなかったよ」
「出場するのやめようとは思わないの?」
「思わないよ」
更紗がはっきり答えると、悟が息を飲む。
「どうして……?こんなの異常だよ。出るのをやめたって誰も責めたりなんてしない」
「他の誰かがどう思うかじゃないの。これはもう私のわがままなんだけど……卑怯な手段を使って妨害してくる相手が許せないの。だから、真っ向勝負で勝ちたい」
最初は自分が美女子高生杯に出るなんて荷が重かった。容姿を褒めそやされて育ってきたとはいえ、自信なんてなかったし、負けたら瑠奈にも迷惑がかかってしまう。それでも――。
「勝って、こんなやり方間違ってるって言ってやるの。……だから、まずは勝たなくちゃ!」
キラキラとした瞳をしてそう言ってのける更紗を止める気にはならなかった。
悟は瞳を細めて心から言う。
「応援してる。如月さんのこと」
そして、二日後。
全日本美女子高生決定杯当日がやってきた。
肩と背中を叩かれた更紗は痛みがひどくて呼吸をするのがやっとの状態だ。
「き、如月さん……!」
悟は、辛そうにくずおれる更紗を支える。
「はっ!ようやくおとなしくなったか」
不良集団は二人を取り囲み、見下ろした。
更紗を支えながら悟は彼らを睨み返す。
「女の子相手に武器振り回して恥ずかしくないの?」
「は?その女に守られてばかりのてめぇに言われる筋合いなんかねぇわ」
ギリッ。
歯を食いしばり、悟は不良集団に立ち向かおうとする。
「……ダメ」
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「約束したでしょ……道鋏くんのことは私が守るって」
痛む身体を起こして立ち上がり、更紗は真っ直ぐ悟の目を見つめた。
「私が道鋏くんには手を出させない。だから、下がっていて」
「如月さん……」
鉄パイプの直撃を受けたのだ。痛いに決まっている。それなのに、笑顔さえ浮かべて悟を守ろうとする姿勢に胸がチクリとする。
「つまんねぇ小芝居してんじゃねぇよ。虫唾が走るわ!」
そう言った不良はそのままポケットから何かを取り出して更紗に吹きかけた。
「……っな!」
吹きかけられた途端、目を開けていられなくなる。
「おい、お前何を」
「安心しろよ。ただの催涙スプレーだ」
(涙が止まらない……これは最悪の状況かも)
怪我を負っているし視力も奪われた。守らなければならない悟を逃がせていない。
「見えなきゃ避けることも、攻撃を当てることも……そっちの奴を守ることもできねぇなぁ。……さ、覚悟はいいか?」
不良たちが武器を構える気配が伝わってくる。
窮地を脱する手立てを思いつけないまま、更紗は不良たちを相手にするため立ち上がる。今の状態では勝ち目は薄いが、それでも黙ってやられるつもりはない。
更紗と不良集団が再びぶつかり合おうとした時、集団の後方から声が上がった。
「グハッ!」
「な、なんだお前は!」
不良たちの意識が前方の更紗ではなく後方に移る。
「――騒がしいと思ったら、集団で少数を痛ぶる下衆どもが湧いていたか」
不良たちの向こうに一つの影。
緩くウェーブのかかった茶髪に透空学園の制服で身を包んだ男子生徒の姿がそこにあった。
しかし更紗は目を開けられず、姿を確認することができない。
(だ、誰……?)
「なんだ、お前!」
「邪魔すんじゃねぇよ」
「おい、そんな奴に構うな!」
「俺たちの目的はこっちの女だ」
(誰だか分からないけど、気にしてる場合じゃない)
不良たちが更紗の方を向く気配がし、身構えた。
しかし不良たちが更紗に襲いかかるよりも、現れた彼が声を発する方が早かった。
「〈おれと、戦え〉」
不思議な響きの声が耳に届くと、更紗の胸がざわめいた。戦わなければならないような焦燥感に襲われる。
(こんなこと、前にも……)
思い出すのはレイに誘惑する香りを掛けられた時のこと。
(でも今はあの時みたいな匂いはしてないし、それに……抗える)
胸はざわめくけれど、行動を完全に支配されたわけではない。
命令を逃れた更紗とは違い、不良たちの大半が身体を反転させて狙う相手を変えた。
「おいお前ら!敵はそっちじゃ……」
「ほう、抗える者もいたか。お前がこの集団のリーダーだな」
彼は向かってくる不良たちを拳でねじ伏せながら口元に笑みを浮かべた。
「お前とも戦ってやるから待っていろ」
更紗には何が起こっているのか分からない。
(ひとまず助かったのかな……?この状況に乗じて道鋏くんを逃がさないと……って、あれ?道鋏くんは?)
気づいた時には周囲から悟の気配が消えていた。
(道鋏くんの気配がない!)
ほとんど開かない目で探すと少し先にぼんやりと影が見える。
「うわっ!待って!道鋏くん、行っちゃダメ!」
先ほどの命令で悟も動いていたようだ。腕を強く引いて進むのをやめさせる。
「あ、あれ?俺はいったい何を……?」
「正気に戻ったんだね、良かった」
危険が及ばないように悟を下がらせ、今何が起こっているのかの説明を求めた。
「分からない。透空学園の制服を着た男子がひとりで戦ってるみたいだけど」
「うちの生徒?」
「うん、そうみたいだよ。知り合いかな?」
「見えれば分かるかもしれないけど……」
あいにく更紗は目を微かに開けるのがやっとで、誰だか認識することはできない。
「特徴は?」
「茶髪で緩いパーマ」
更紗の頭をよぎったのはレイだった。彼もウェーブがかった茶髪で襟足を少し伸ばしている。さらに先ほどの命令のことも合間って疑惑が深まった。
(市原先輩が暴力を振るうところなんて想像つかないけど……)
もう少し特徴が分かれば判断できるかもしれないと考え、更紗は質問を続ける。
「襟足は?長い?」
「ここからじゃ見えない」
「ワイシャツを第二ボタンまで開けてる?」
「いや、しっちゃかめっちゃかに引きちぎられてて、ボタンとか分からない」
「顔は?女の子に好かれそう?」
「悪鬼羅刹。男でも泣き出しそう」
最後の質問で分かった。彼はレイではない。
「……いったい誰なんだろう」
正体不明の彼は不良集団のほとんどを蹴散らし、残っているのは命令を跳ね除けたリーダーのみだった。
「仲間は全員いなくなったぞ。お前がこの集団を束ねているのなら、仲間のメンツをかけておれを倒さなければならないだろう」
「な、なんなんだ、てめぇは……」
今にも泣き出しそうな情けない顔だった。完全に戦意を喪失している。
武器を所持した仲間たちが倒れ伏しているのを前にすれば、次に自分がどういう運命を辿るか想像ができたのだろう。
前に出ることはなく、プライドを投げ捨てて逃げ出した。
「……情けないやつめ」
彼は追いかけなかった。呆れを隠さず首を振るだけだ。
彼は更紗たちを一瞥する。
「…………」
しかしそのまま何も言わずに去ってしまう。
足音で去るのを感じ取った更紗だが、まだ素早く動くには無理があった。
(同じ学校の生徒なら、きっとまた会えるよね)
そんな期待をする更紗だった。
「ふー、これで目が開けられる。ありがとう、道鋏くん」
先ほど乱闘が起こった現場から少し離れた公園で、更紗は水道で目をゆすぐ。
ほとんど視力のない更紗を支えて歩いてくれた悟に礼を述べると、彼は頭を振った。
「助けてもらったのは俺の方。ありがとう、如月さん」
悟の態度に、最初あった険はない。不良たちから身体を張って守ろうとした更紗の愚直とも言える真っ直ぐさを目にして、更紗に抱いていた悪印象は消えてなくなった。
それどころか――。
(彼方が天使って呼ぶ理由が分かった)
濡れた顔をハンドタオルで拭う更紗を眺めてこっそりと微笑む。
「そういえば、怪我は大丈夫?」
「あぁ……うん、折れてはないと思う」
背中と肩、足を順に確認する。痛いけれど動かすことができた。
「いったい、あいつら何の目的で襲ってきたの?」
巻き込んでしまった手前、事情を話さないわけにもいかない。更紗は女子高生杯に出場することと、そこに至った経緯を話した。
「そんなことのためにこんな酷いことを……」
「私もここまでやるとは思ってなかったよ」
「出場するのやめようとは思わないの?」
「思わないよ」
更紗がはっきり答えると、悟が息を飲む。
「どうして……?こんなの異常だよ。出るのをやめたって誰も責めたりなんてしない」
「他の誰かがどう思うかじゃないの。これはもう私のわがままなんだけど……卑怯な手段を使って妨害してくる相手が許せないの。だから、真っ向勝負で勝ちたい」
最初は自分が美女子高生杯に出るなんて荷が重かった。容姿を褒めそやされて育ってきたとはいえ、自信なんてなかったし、負けたら瑠奈にも迷惑がかかってしまう。それでも――。
「勝って、こんなやり方間違ってるって言ってやるの。……だから、まずは勝たなくちゃ!」
キラキラとした瞳をしてそう言ってのける更紗を止める気にはならなかった。
悟は瞳を細めて心から言う。
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そして、二日後。
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