元王女で転生者な竜の愛娘

葉桜

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第23話

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 ふ、と意識が浮上するような感覚があって、緩やかに目蓋を持ち上げる。
 いつの間にかに寝ちゃってたんだなと気付くのと、ベッドにはもうリュミィの姿がない事に気付くのは同時。未だすやすやと寝息を立てるリフを起こさないように気をつけながら体を起こして見渡すと、ベッドから離れた窓際近くの床の上でくるりと丸まっている人影があった。
 それがカノンであることは見間違えようもない。
 ベッドから降りて静かに近寄ると、あと少しというところでカノンがもぞりと身動ぎする。

「おはよう、カノン」

 そっと声を掛けると、うっすらと開いた目をカノンは柔らかく細めた。

「おはよ、リリィ。……リュミィなら少し前に出てったよ。またすぐに来るからってさ」
「そっか。リュミィ、よく寝れてたらいいんだけど……カノンはよく寝れた?」
「んー……俺は後で昼寝するから気にしなくていいよ」

 くぁ、と欠伸をしながら言うカノンはまだ眠そうで、確かに長くは寝れていない事がわかる。
 此処にはやることがあって来てはいるけれど、かといってやることばかりで休む暇もないという訳では決してない。

「朝食が済んだら、探索がてらお庭に行こうか。リフのことも外で飛ばせてあげたいし……昼間の方が人の行き来はあるでしょう?」
「それは収穫がなかったとわかった上での提案?」
「さあ? 成果はこれから出るかもしれないし」
「そういう言い回しを聞いてると、レインが父親代わりなんだなってしみじみ思うよ」

 褒められているのか貶されているのかはわからないけど、自分で思うよりもずっとレイン兄やシル姉たちに影響されてはいるんだろうね、私は。




 私が身支度を済ませた頃には、リフも起きて活動を始めていて。カノンはうとうととしてはいたけれど、そうして少し過ごしていると、控えめなノック音が部屋の中に響いた。

「起きているだろうか?」

 続いて聞こえたテオの声に、私はドアへと近づきながら答える。

「起きてるし身支度も済んでるよ。今開けるね」

 言いながら扉を開くと、そこにはテオの姿があった――のだけれど、彼以外にも二人ほど佇んでいた。

「おはよう、リリィ。よく眠れたか?」
「え? あ、うん。おはよう……ございます?」

 うちにいた時――というよりも私達の前で見せていた砕けた様子ではあるけれど、見知らぬ人、それも明らかに城勤めの二人を連れているとなれば、私は気安く応じていいものかと悩むわけで。一人は料理の乗っている台を押しているから料理を運んできてくれたのはわかるし……もう一人も見掛けた事のある人だけれど。
 しどろもどろ気味になる私にテオはきょとんとした表情を浮かべ、だけどすぐに理由に気付いた様子で、

「ああ、彼らは事情を知る者たちだ。話も通してあるし、気にしすぎなくていい」
「それはテオの態度で察しはしていたけれど、ちょっと不安になったというか、扉を開けてびっくりしたというか。……テオのせいじゃないんだけどね」

 ほんの少しだけ眉根を下げたテオに、緩く顔を横に振って中に入るようにと促す。いつまでも部屋の入り口で立ち話、だなんて相手がテオじゃなくたってよろしくはないのだから。

 最初に扉を潜ったのはもちろんテオだ。
 声は聞こえていたのもあって、まってましたと言わんばかりに飛び込んでいったリフに気付いたテオはそれを抱き留め、嬉しそうに笑う。

「おはよう、リフ。朝から元気だな」
「キューイ!」
「朝からテオに会えたのが、嬉しくて仕方ないそうだ」
「そうか。俺も元気なリフに会えて嬉しいよ。……カノンは、随分と眠そうだな? おはよう。もしや、寝心地が悪かったのか?」
「はよ、テオ。俺の寝不足に関しては気にしな……――ん?」

 落ち着き無くテオの手からもぞもぞと抜け出して、リフは肩へとよじ登り、更に頭の上にまでよじ登って満足げに尻尾を揺らす。その様子を微笑ましそうに眺めていたカノンだったけど、不意に声が不自然に途絶えた。
 はて、何があったのだろうか? 特別変なものはないと思うのだけれど?
 と、思い当たることもなくカノンの視線を辿ると、

「…………」

 そこには女性が一人。給仕服に身を包み、私達の食べる朝食を厨房から運んできたのであろう台を押すメイドの女性だ。
 栗色の髪に茶色の眼。際立って美人という訳ではない、けれども素朴で飾らない可愛さを感じさせる顔立ちのその人は、酷く驚いたような顔でカノンを見詰め返していた。

 知り合い、なんだろうか? でもその割にはカノンはメイドさんをじっと見詰めているだけだけど……?

 不思議に思いながらも黙って見守っていると、見つめ合うようにしているカノンとメイドさんに気付いてテオが口を開いた。

「先に紹介を済ませようか。彼女はラスカ、普段はジェドに仕えてくれている侍女だ」

 テオの言葉にハッとしたようにして、ラスカと呼ばれた女性が丁寧な礼を取り、

「ご紹介に預かりました、ラスカと申します。本日より、皆様の身の回りのお世話をさせていただきます」
「もしかして、彼女が昨日、テオが言っていた……?」
「ああ。王都で過ごしている間は、彼女と……場合によってはコイツ――ティートに着いていてもらおうと思ってる」

 リフを頭に乗せたままのテオがちらりと見遣った先には、テオと変わらないくらいの年の頃に見える男性がいた。その人は昨日、アナスタシア王女とのやり取りの最中にもいた騎士と思しきひとで。
 ティートと呼ばれた彼はテオがリフを頭の上に乗せたまま気に留めていない様子に目を瞬かせながらも、促すような言葉を聞けばしっかりと私とカノンへと向き直り、

「近衛騎士ティート・コルラディーニと申します」
「確か、昨日お見かけしましたよね?」
「お気づきでしたか。あの場ではご挨拶をという雰囲気とはいかず、テオドール殿下からの声がけがあったのみですから、覚えていらっしゃらないものと思っておりましたが」

 切り揃えられたグレージュの短髪をふわりと揺らし、蒼玉サファイアの眼を柔らかく細める。
 ほんの少しだけレイン兄を思い出させるような穏やかさだけど、それ以上に爽やかな印象を強く与えてくるイケメンだ。前世の私なら直視出来なかったかもしれない。
 古今東西、正統派は男女問わず素敵なものなのである。

「リリィ・クーリエといいます。こちらはカノン・セレスティアル、その子がリフです。短い間でしょうが、お世話になります。ラスカさん、ティートさん」

 つられて笑みを浮かべながら名を告げて、深く頭を下げる。
礼儀は大事なことだからね。
 リフは変わりなくテオの頭の上に居座ったままだけど、視界の端ではカノンが軽く頭を下げたのは見えた。
 すると顔を上げた私の目には、きょとんとしたようなラスカさんとティートさんの姿が目に映った。かと思えばふわりと微笑み、

「ただの侍従にかしこまる必要はありません、リリィ様。どうかお気を張らずにいてくださいませ」
「そうです。全てではありませんが事情も把握していますし、我々のことはお好きに呼んでくださって構わないんですよ?」
「そ、そんな! むしろこんなただの町娘にこそ、そんなにかしこまらないでください!」

 慌てて顔を横に振って、私は叫ぶようにそう告げる。
 言うまでもなくこれは本心だ。いくらこの国の王子が連れてきて、国王陛下が客として受け入れたとはいえ、私はやんごとないような身分があるわけではないただの小娘なのだから。
 カノンとリフに対してなら理解はできる。彼らが聞いている事情の中にはカノンが何者であるかも含まれているのだろうから、知っていれば敬意を払わずにはいられないだろう。

 でも私は違う、ただの平民の娘でしかない。
 それなのに命令だから、とかしずいているのであれば、それは当たり前のように受け入れてはいけないと思うのだ。

「私の事はどうぞリリィ、と呼んでやってください。敬語も敬称も要りません。もちろん、それも無理強いしませんけど、私なんかに丁寧に接する必要はないというか……」
「慣れてないからなあ、リリィは恭しく接されるって事に」
「ただの村娘がそんなのに慣れてるわけないでしょ!」

 くすくすと笑うカノンを半目で睨みつけるけど、楽しげなその表情が崩れることはもちろんなかった。意地が悪い。

 とはいえアクアリアとして王城で暮らしていた頃は侍従達から恭しく接されていたのだから、経験がないわけじゃない。
 でもそれも記憶に残っている限りの短い期間の事だ。前世を含めなくたって私の人生のほとんどは平民暮らしなのだから、慣れろという方が無理な話なのである。

 そんなわけなのだから骨の髄にまで行き届いた礼儀作法により、丁寧すぎるくらい丁寧に接してくれたシル姉には困り果てたしのは言うまでもない。前世一般人の感覚を侮らないで欲しい。

「まあ、そうだな。俺もそう特別に扱われるのは落ち着かないし、リフだってそうだ。といってもリフのことだから不思議と感じるくらいだと思うが」

 軽い伸びをしながら立ち上がったカノンは浮かべた笑みをそのままに片手を腰にあてがい、どこか間延びしたように、穏やかにそう言う。
 そのライムグリーンの双眸はじっと見定めるようにティートさんに向けていたけど、漠然とながらも好意を示しているように私には見えた。

「キミ達にとって一番楽な在り方で接してくれれば良いよ。そうしては咎められてしまうなら仕方ないけどな」

 言いながらカノンがちらりと視線を向けたのはテオだ。
 彼はカノンの視線を受けてふ、と微笑み、カノンから視線を外し、

「咎める人間など何処にもいないさ。陛下からも望むままにと言われているんだからな」
「……勝ち誇ったような目で俺を見るのはやめろって。いくらお前から聞いてたとはいえ、鵜呑みにして気さくに接して無礼を働いちまうわけにもいかないだろ? ――

 テオがにやりと笑って見る先では、観念したかのように両手を挙げて降参の意を示すティートさんの姿がある。
 ティートさんは本来なら敬う事をやめてはならない筈のテオに対して、気安すぎるほど気安く答えていた。それをテオは気にもせず、むしろ普段とは大きく違う、まるで気心知れた友人でも前にしているかのように幼さを残す笑みを浮かべている。

「他人の言葉より自分の目で見たものを信じる主義だもんなあ、ティートは。俺がつまんねえ嘘を吐くわけないのに疑いの眼を向けてきたくらいには」
「いや、流石に風竜の子供に懐かれたってのは聞くだけじゃ信じられないだろ。ジェド殿下どころかリディだって疑うっての。むしろ今でも俺は疑ってる」
「それはなんでだよ、疑う余地なんてねぇじゃねえか」

 どうやら思い込みでもなくテオとティートさんは気の置けない間柄であるらしい。だからといって軽口の応酬が始まるとは思ってもみなかったけど。

 えー……、えぇと、仲良いわねキミ達?

 戸惑う私とは異なりカノンはイイね、だなんて楽しげで、リフにいたってはご機嫌に尻尾を揺らしているけれどテオとティートさんのやり取りに口を挟む事はもちろんなくて。
 けれどもそのやり取りはやんわりとした声で終わりが告げられた。

「テオドール様もティートさんもそこまでに。リリィさんが戸惑っていらっしゃいます」

 窘めるような色は帯びながらも優しい声音を発したのはラスカさんだ。
 彼女は部屋の中にまで押して来た配膳台をテーブルへと寄せると、乗せてあったものを素早く並べて笑顔を浮かべ口を開いて言った。

「これ以上は立ち話をするよりも、朝食を召し上がりながらになさっては如何でしょうか?」
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