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5.専属侍女は美少女です
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サミュエルさんに送り出されたあたしは、レジスさんとリィンハルトさんと一緒に王城を出ていた。
そこで待っていた馬車に乗りこれから向かうのは、大神殿と呼ばれる〈世界樹〉にほど近い場所にある、レジスさんやリィンハルトさんたち神官の総本山であり教会だという。
曰く、〈聖女〉は儀式を執り行う日まで大神殿で過ごすのが通例らしい。
ただ、昔からずっと召喚が行われるのは王城で、そうなのだから元々〈聖女〉も王城で過ごしてたみたいだ。
でも様々な問題とかが発生したことで、今は〈聖女〉は大神殿で保護されながら準備をしている、と座り心地抜群のふわふわクッションとかいう間違いなく高価だろう座席をしている馬車に乗ってすぐ、レジスさんが教えてくれた。めちゃくちゃふかふかでお尻痛くならない。すごい。
そうして馬車に揺られてしばらく。
小窓から見える景色が建物や家屋から自然が多くなって少しした所で馬車が止まり、それからドアが開かれてリィンハルトさんが降り、レジスさんが降り、
「お手をどうぞ」
残るはあたしか、と降りようとしたところでリィンハルトさんから手を差し伸べられた。
馬車から降りるのに別に苦戦はないし、転びそうな要素はない。でも差し伸べられた手という善意を前に、逡巡した末にあたしはその手に自分の手をおずおずと重ねた。
そうしてそっと手を引かれながら降り立つと、荘厳な雰囲気のある神殿の入口に佇むローブを着込んだ神官と思しき人たちが数人待っているのが見えた。
彼らは深々とレジスさんに頭を下げたあと、リィンハルトさんに手を取られるあたしを見て再度、深々と頭を下げ、
「ようこそおいでくださいました、聖女様」
と、異口同音に言われ迎えられたのであった。
な、なんか居心地悪いっていうか、こう、落ち着かなーい!
神殿の内部に入っても、ホコリ一つないんじゃないかって程に綺麗な廊下ですれ違う人たちから、恭しくお辞儀をさせられ続けた。
それは祭司であるレジスさんに対しての礼儀でもあったんだろうけれど、例外なく〈聖女〉たるあたしにも敬意を示しているのが伝わってきて、そんな柄じゃないどころかただの一般人であるあたしにとっては、いっそ申し訳ない気持ちになるほどの事であった。
そんな気持ちを、もちろんレジスさんもリィンハルトさんも知るはずもなく。
けれども決して立ち止まることなくレジスさんは廊下を行き、そして。
「こちらがシズク様のお部屋となります」
そう言いながらレジスさんが立ち止まったのは、ひと一人が佇む扉の前だった。
佇んでいたのは女の子。目測であたしと変わらないくらいの年頃だ。
給仕服――つまりはメイド服に身を包んだその子は長いアッシュグレーの髪に、青い目というリィンハルトさんとどことなく似た顔立ちの美少女で。
「彼女はシズク様付きの侍女。リィンハルト共々、シズク様に仕える者に御座います」
レジスさんの言葉に続くように、侍女だという女の子は丁寧な礼を取りながら、
「エルネスティーネ・レーティアと申します。これから、聖女様の身の回りのお世話をさせていただきます」
言ってあたしを見て綺麗に微笑んだ女の子は、リィンハルトさんと同じ名字を名乗ったのであった。
そこで待っていた馬車に乗りこれから向かうのは、大神殿と呼ばれる〈世界樹〉にほど近い場所にある、レジスさんやリィンハルトさんたち神官の総本山であり教会だという。
曰く、〈聖女〉は儀式を執り行う日まで大神殿で過ごすのが通例らしい。
ただ、昔からずっと召喚が行われるのは王城で、そうなのだから元々〈聖女〉も王城で過ごしてたみたいだ。
でも様々な問題とかが発生したことで、今は〈聖女〉は大神殿で保護されながら準備をしている、と座り心地抜群のふわふわクッションとかいう間違いなく高価だろう座席をしている馬車に乗ってすぐ、レジスさんが教えてくれた。めちゃくちゃふかふかでお尻痛くならない。すごい。
そうして馬車に揺られてしばらく。
小窓から見える景色が建物や家屋から自然が多くなって少しした所で馬車が止まり、それからドアが開かれてリィンハルトさんが降り、レジスさんが降り、
「お手をどうぞ」
残るはあたしか、と降りようとしたところでリィンハルトさんから手を差し伸べられた。
馬車から降りるのに別に苦戦はないし、転びそうな要素はない。でも差し伸べられた手という善意を前に、逡巡した末にあたしはその手に自分の手をおずおずと重ねた。
そうしてそっと手を引かれながら降り立つと、荘厳な雰囲気のある神殿の入口に佇むローブを着込んだ神官と思しき人たちが数人待っているのが見えた。
彼らは深々とレジスさんに頭を下げたあと、リィンハルトさんに手を取られるあたしを見て再度、深々と頭を下げ、
「ようこそおいでくださいました、聖女様」
と、異口同音に言われ迎えられたのであった。
な、なんか居心地悪いっていうか、こう、落ち着かなーい!
神殿の内部に入っても、ホコリ一つないんじゃないかって程に綺麗な廊下ですれ違う人たちから、恭しくお辞儀をさせられ続けた。
それは祭司であるレジスさんに対しての礼儀でもあったんだろうけれど、例外なく〈聖女〉たるあたしにも敬意を示しているのが伝わってきて、そんな柄じゃないどころかただの一般人であるあたしにとっては、いっそ申し訳ない気持ちになるほどの事であった。
そんな気持ちを、もちろんレジスさんもリィンハルトさんも知るはずもなく。
けれども決して立ち止まることなくレジスさんは廊下を行き、そして。
「こちらがシズク様のお部屋となります」
そう言いながらレジスさんが立ち止まったのは、ひと一人が佇む扉の前だった。
佇んでいたのは女の子。目測であたしと変わらないくらいの年頃だ。
給仕服――つまりはメイド服に身を包んだその子は長いアッシュグレーの髪に、青い目というリィンハルトさんとどことなく似た顔立ちの美少女で。
「彼女はシズク様付きの侍女。リィンハルト共々、シズク様に仕える者に御座います」
レジスさんの言葉に続くように、侍女だという女の子は丁寧な礼を取りながら、
「エルネスティーネ・レーティアと申します。これから、聖女様の身の回りのお世話をさせていただきます」
言ってあたしを見て綺麗に微笑んだ女の子は、リィンハルトさんと同じ名字を名乗ったのであった。
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