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  もっこりがもっこりが忘れられない

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「でね」
「はい」
「神谷さんとその腐のつくおねえさんが会うわけね」
「はいはい」
「で、神谷さんが、神谷アキラですって名乗って、腐のつくおねえさんも名乗って」
「名乗って」
「おねえさんって言ったけど・・・・」
「もうイイです」
「もうイイか?」
「もうイイです」
 分かった、と佐々木が頷く。

「で、腐のつくおねえさんが、私は子供の頃から神谷さんの大ファンでって言うのね」
「はい」
「神谷さんも、ありがとね、だけどホモのアニメは勘弁してくれる、気持ち悪いからって言うのね」
「面と向かって気持ち悪いとか言わない」
「言っちゃダメ?」
「言っちゃダメ」
 吉田が頷く。

「それで腐のつくおねえさんが、神谷さんの作品、全部好きですけど特にシティーハンターが大好きなんですって言うのね」
「はいはい」
「で神谷さんが、ああそうありがとう、僕もシティーハンターには思い入れがあってね、でもホモのアニメには出ないよ、て」
「絶えず言うんだ」
「絶えず言う、絶えず言う」
 佐々木が頷く。

「そう言うホモのアニメは山ちゃんに任せてるから、山ちゃんにやってもらってってね」
 ハハハハハッと吉田が笑う。
「任せてないから」
「任せてない」
「山寺さんも断るから」
 ああそうか、と佐々木が頷く。

「で腐のつくおねえさんが」
「はい」
「私はそのシティーハンターの中でも、もっこりって言うセリフが忘れられないんです」
「ハハハハハハハハッ」
 顔を抑えて吉田が大笑いする。
「子供の頃から頭の中がもっこりでいっぱいで、もっこりが忘れられないんです」
「ハハハハハッハハッハハハハッ、最悪だ」
「最悪とか言うな」
「すいません・・・・・・なんで謝ってんだろう俺」

「それで」
「はい」
「子供の頃からもっこりの事で頭いっぱいの私が考えた、もっこりのアニメなんです」
「も・・・・・もっこりのアニメ」
「主演は神谷さんじゃないとダメなんです、山寺さんじゃダメなんですって腐のつくおねえさんが言うのね」
「ハハハハハッ、はい」
「神谷さんお願いします、って腐のつくおねえさんが言うと、さすがにそこまで言われれば神谷さんもね、そうか俺のもっこりの所為があんたの人生狂わせたんだな」
「狂わせたって言うか、勝手に狂ってるって言うか・・・・・」
「分かった、あんたのアニメ出よう」
「言わない、言わない」
 吉田が首を振る。

「まだまだもっこりは、山ちゃんに任せられん、ってね」
「あの・・・・・・」
 吉田が言う。
「フランスの人が作った実写のやつは、山寺さんがやってましたよ」
「いや、そういうバッタもんはね」
「バッタもんとか言うな」


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