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二つのドラゴンボール
二十歳すぎて漫画なんか読んでんじゃねぇ
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「で、また何年か経って」
「はい」
「話のキリのいい所でさぁ」
「はいはい」
「鳥山先生が、もうやだ、本当にやだと」
「ハハハハハッ」
「もう知らん、何にもねえんだと」
「ねえんだと」
「描く気もやる気も、アイデアも何にも無い」
「何にも無い?」
「何にもない」
佐々木が頷く。
「子ども?知ったことかと」
「ハハハハハッ、先手を打って言ってる」
「もう十年ぐらい描いてるよねぇ、小学生の時に読み始めたのは二十歳過ぎだろう、いつまでも漫画なんか読んでんじゃねぇよ」
ハハハハハハハッと吉田が大爆笑する。
「先輩」
「んん?」
「まず、後追いで読んでる人もいるんだから」
「ああっ」
「生まれる前からドラゴンボールがあって、後追いって言うか、遡って読んでる子どももいるんだから」
「そうやね」
「あと・・・・これスゴイ重要な事ですけど」
ニヤニヤしながら吉田が告げる。
「二十歳過ぎて漫画なんか読んでんじゃねぇは、漫画家が絶対言っちゃいけない言葉です」
「ハハハハハッ、だから・・・・・・」
笑いながら佐々木が答える。
「その絶対言っちゃあいけない言葉を口にするぐらい、鳥山先生も追い詰められたのね」
「ああっそうか、まぁそうか」
「で編集者も、ああもうそれを口にするようになったら、この人終わりだなと」
「ハハハハハッ、終わりだと」
「分かりました先生、今やってるナントカ編が終わったら、終わりにしましょうって言うのね」
「はい・・・・ナントカ編が終わったらね」
「そしたら鳥山先生が、泣きながら握手をするわけね」
「ハハハハハッ、泣きながら」
「ありがとう、こんなに嬉しい事はない」
「漫画家やってて一番嬉しいことが、辞めること?」
そうそう、と佐々木が頷く。
「初めて連載が決まった時より、嬉しい」
「始める時より、止める時の方が嬉しい」
ハハハハハハハッと吉田が笑う。
「そして鳥山先生が名言を残すのね」
「名言?」
「もし本当にこの世にドラゴンボールがあるのなら、この鳥山アキラ七つ集めて願うことはただ一つ」
「はい」
「ドラゴンボールが終わること」
ハハハハハハハッと大爆笑して、
「どこが名言だよ」
と吉田がツッコむ。
「はい」
「話のキリのいい所でさぁ」
「はいはい」
「鳥山先生が、もうやだ、本当にやだと」
「ハハハハハッ」
「もう知らん、何にもねえんだと」
「ねえんだと」
「描く気もやる気も、アイデアも何にも無い」
「何にも無い?」
「何にもない」
佐々木が頷く。
「子ども?知ったことかと」
「ハハハハハッ、先手を打って言ってる」
「もう十年ぐらい描いてるよねぇ、小学生の時に読み始めたのは二十歳過ぎだろう、いつまでも漫画なんか読んでんじゃねぇよ」
ハハハハハハハッと吉田が大爆笑する。
「先輩」
「んん?」
「まず、後追いで読んでる人もいるんだから」
「ああっ」
「生まれる前からドラゴンボールがあって、後追いって言うか、遡って読んでる子どももいるんだから」
「そうやね」
「あと・・・・これスゴイ重要な事ですけど」
ニヤニヤしながら吉田が告げる。
「二十歳過ぎて漫画なんか読んでんじゃねぇは、漫画家が絶対言っちゃいけない言葉です」
「ハハハハハッ、だから・・・・・・」
笑いながら佐々木が答える。
「その絶対言っちゃあいけない言葉を口にするぐらい、鳥山先生も追い詰められたのね」
「ああっそうか、まぁそうか」
「で編集者も、ああもうそれを口にするようになったら、この人終わりだなと」
「ハハハハハッ、終わりだと」
「分かりました先生、今やってるナントカ編が終わったら、終わりにしましょうって言うのね」
「はい・・・・ナントカ編が終わったらね」
「そしたら鳥山先生が、泣きながら握手をするわけね」
「ハハハハハッ、泣きながら」
「ありがとう、こんなに嬉しい事はない」
「漫画家やってて一番嬉しいことが、辞めること?」
そうそう、と佐々木が頷く。
「初めて連載が決まった時より、嬉しい」
「始める時より、止める時の方が嬉しい」
ハハハハハハハッと吉田が笑う。
「そして鳥山先生が名言を残すのね」
「名言?」
「もし本当にこの世にドラゴンボールがあるのなら、この鳥山アキラ七つ集めて願うことはただ一つ」
「はい」
「ドラゴンボールが終わること」
ハハハハハハハッと大爆笑して、
「どこが名言だよ」
と吉田がツッコむ。
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