佐々木と吉田 崩壊するのに、どうやって戦争すんだよ編

崩壊するのに、どうやって攻めるの？

攻めるぞ、攻めるぞ、攻めるぞって言って、攻めるバカがどこにいんだよ

「あの・・・・・2020年のアメリカ大統領選挙あったじゃん」
「はい」
「あの時、トランプさんが文句言って、議会襲撃事件、起こしたじゃん」
「まぁ・・・・今、改めて思うと、とんでもない話ですね」
「でさぁ、俺思うんだけどさぁ」
　佐々木が手を振る。
「あの時、動かないんだったら、いつ動くんだよ」
「それは・・・・・」
　吉田が首を振る。

「まだ準備が出来てなかったんだから・・・・」
「あのさぁ・・・」
　佐々木が言う。
「近代戦闘だから違うと言えば違うんだけどさぁ」
「はい」
「攻めるぞ、攻めるぞ、攻めるぞって言って攻めるバカがどこにいんだよ」

「いや、それは・・・・」
　いやいやいやいや、と佐々木が首を振る。
「そうなんだけど、そうなんだけど」
　苦笑しながら、はい、と吉田が言う。
「攻めるぞ、攻めるぞ、やるぞ、やるぞって言ってると、相手も準備万端になるだろう」
「まぁそうですけど・・・・」

「あの・・・・先輩」
　吉田が尋ねる。
「勝つか負けるかの話じゃなくて、台湾侵攻が成功するかどうかの話じゃなくて、するかどうかの話ですよね？」
「あのさぁ・・・・」
　佐々木が答える。
「負けると分かってやるバカかがどこにいんだよ」
　ハハハハハッと吉田が笑う。