2 / 2
仕事と友達
しおりを挟む最低な朝を迎えた
携帯は電源オフのまま
寝たような寝てないようで
とにかく頭が冴えない。
誕生日は金曜日で今日は休みだ
思う存分寝ることができるが
眠気はない
ただボーっと意識だけある状態。
眠くないの目が冴えない
とにかく今は1人で横になっていたい
硬い布団に自分の体が少しずつ埋まって
体が固まっていくのを感じていた。
冷蔵庫と空調の乾いた音だけが薄ら聞こえる部屋にインターホンの音が鳴り響いた。
重い腰を持ち上げてドアを開けると
そこには学生時代からの友人がいた
高瀬「電話でないから直接きたわ!
happy birthday!!!」
部屋にあげてくだらない話をして
昼から慣れない酒を飲み
男2人のむさ苦しい誕生日会をした
高瀬「だいぶ酔ったな、外でも歩くか」
外はもう暗くなっていた
2人でおぼつかない足を引きずり
外へでて缶チューハイ片手に
近くの土手沿いを歩いた
ふと心地の良い沈黙が訪れる。
季節の変わり目、春を告げるような
風と共に高瀬は大きく息を吸い込んで
河原に腰を落とし口を開いた。
高瀬「なぁ俺たちが出会ってもう15年だ、人生の半分以上を一緒に過ごしてる事になるんだよ。俺に隠し事できると思ってるのか?」
さすが親友。
なにかある。と察してくれたようだ
言われた通りだ
隠し事はできそうにもない。
僕「隠すつもりはなかったけど
昨日なフラれたんだよ
つまんねぇから。ってさ
そんなの自分が一番わかってるっての
いつかこうなるとは思ってたから
そこまでショックでもないんよ」
高瀬「確かにつまらん」
15年にもなると遠慮がない。
しかしフラれたての親友相手に言う言葉なのか?と思い少しむくれていた。
高瀬「お前の面白さに気づけないなんて、つまんねぇ女だったな」
さて!と持ってた缶チューハイを全て飲み干して立ち上がる
高瀬「お前は人の為に行動できる奴だ。人にできない事をする。見てて飽きない、お前は面白いよ。俺が保証する」
僕「お前に保証されてもな…」
うるせぇと笑いながら僕の手を引く
僕は立ち上がり帰るべ!
と優しく声をかけてくれた
家に帰るとまた朝まで飲み明かし
フラれたて事なんて忘れてしまうくらい
思い切り楽しませてもらった
次の日は泥のように眠り
せっかくの日曜日を睡眠と頭痛で潰した
最悪の誕生日から一転
親友と過ごす最低の誕生日になった
月曜日の朝、高瀬のおかげで
引きずる事なく仕事に迎えそうだ
これからは仕事に集中しよう。
もうつまらない自分には
仕事しかない。
今までも人並みに頑張ってきた
これからは人並み以上に頑張ってみよう
フラれた相手を見返すではないが
今よりマシな男になって
なにもない。なんて言わせない
仕事のできる恰好いい男になる。
28歳。
何かを始めるのに遅いなんてない
人生はこれから。
葵との別れも僕の成長の糧だ
高瀬もいる。
春。
通勤路にある桜の蕾は
開き始めた。
0
お気に入りに追加
1
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
選ばれたのは美人の親友
杉本凪咲
恋愛
侯爵令息ルドガーの妻となったエルは、良き妻になろうと奮闘していた。しかし突然にルドガーはエルに離婚を宣言し、あろうことかエルの親友であるレベッカと関係を持った。悔しさと怒りで泣き叫ぶエルだが、最後には離婚を決意して縁を切る。程なくして、そんな彼女に新しい縁談が舞い込んできたが、縁を切ったはずのレベッカが現れる。
【完結】婚約者と幼馴染があまりにも仲良しなので喜んで身を引きます。
天歌
恋愛
「あーーん!ダンテェ!ちょっと聞いてよっ!」
甘えた声でそう言いながら来たかと思えば、私の婚約者ダンテに寄り添うこの女性は、ダンテの幼馴染アリエラ様。
「ちょ、ちょっとアリエラ…。シャティアが見ているぞ」
ダンテはアリエラ様を軽く手で制止しつつも、私の方をチラチラと見ながら満更でも無いようだ。
「あ、シャティア様もいたんですね〜。そんな事よりもダンテッ…あのね…」
この距離で私が見えなければ医者を全力でお勧めしたい。
そして完全に2人の世界に入っていく婚約者とその幼馴染…。
いつもこうなのだ。
いつも私がダンテと過ごしていると必ずと言って良いほどアリエラ様が現れ2人の世界へ旅立たれる。
私も想い合う2人を引き離すような悪女ではありませんよ?
喜んで、身を引かせていただきます!
短編予定です。
設定緩いかもしれません。お許しください。
感想欄、返す自信が無く閉じています
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
【完結】忘れてください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
愛していた。
貴方はそうでないと知りながら、私は貴方だけを愛していた。
夫の恋人に子供ができたと教えられても、私は貴方との未来を信じていたのに。
貴方から離婚届を渡されて、私の心は粉々に砕け散った。
もういいの。
私は貴方を解放する覚悟を決めた。
貴方が気づいていない小さな鼓動を守りながら、ここを離れます。
私の事は忘れてください。
※6月26日初回完結
7月12日2回目完結しました。
お読みいただきありがとうございます。
【本編完結】若き公爵の子を授かった夫人は、愛する夫のために逃げ出した。 一方公爵様は、妻死亡説が流れようとも諦めません!
はづも
恋愛
本編完結済み。番外編がたまに投稿されたりされなかったりします。
伯爵家に生まれたカレン・アーネストは、20歳のとき、幼馴染でもある若き公爵、ジョンズワート・デュライトの妻となった。
しかし、ジョンズワートはカレンを愛しているわけではない。
当時12歳だったカレンの額に傷を負わせた彼は、その責任を取るためにカレンと結婚したのである。
……本当に好きな人を、諦めてまで。
幼い頃からずっと好きだった彼のために、早く身を引かなければ。
そう思っていたのに、初夜の一度でカレンは懐妊。
このままでは、ジョンズワートが一生自分に縛られてしまう。
夫を想うが故に、カレンは妊娠したことを隠して姿を消した。
愛する人を縛りたくないヒロインと、死亡説が流れても好きな人を諦めることができないヒーローの、両片想い・幼馴染・すれ違い・ハッピーエンドなお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる