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しおりを挟む大きな窓にはカーテンが引かれ、その間から漏れる日の光だけが室内をぼんやりと照らしている。
隼人の家の大きなベッドで麻由は産まれたままの姿で横たわっていた。
その上に中途半端に服をはだけた隼人が覆い被さっている。
隼人は麻由の胸の上でつんと尖った朱色の飾りを丹念に舌で舐めしゃぶる。
「あ、は……ぁ、あ……」
「やっぱり麻由はすごくきれいだ」
少し潤んだ隼人の瞳が自分を見下ろしている。
隼人のほうがきれいだ、とつい思ってしまう。切れ長の瞳が欲情して細められる様はとても扇情的だ。
「優しくする。俺に麻由を愛させてくれ」
こくん、とうなずくと片足を持ち上げられ、足の甲にそっとキスを落とされる。
そのまま舌は親指と人差し指の間を丁寧になぞっていく。
「やっ、そんなとこ、汚……っ」
「麻由に汚いところなんかない」
赤い舌を見せつけるようにねっとりと這わされる。上目遣いで濡れた瞳を向けられるとぞくりとしたものが背中からせり上がってくる。
知らなかった。そんなところすら隼人に愛されると気持ちがいいだなんて。
普段の生活ではぴっちりと閉じられたそこを割り広げられて丁寧に愛撫される。まるで秘所を刺激されているのを擬似的に体験しているようだ。
そう気づいて麻由のお腹の奥はぎゅうっと収縮した。
隼人に足を持たれたことで丸見えになっているであろう秘部から蜜が伝う。その様を見ていた隼人がにっ、と口角を上げた。
「これ、気持ち良かったか?」
「わ、わかんな……」
「じゃあ気持ち良くなるまでしよう」
隼人の舌は人差し指と中指の間に移動する。体の隅々まですっかり敏感になっていて、薄い皮膚をなぞられると再び蜜が溢れた。
「あっ、やぁ……」
「いい声になってきた」
もう口から漏れ出るのは甘い声ばかりだ。身体中、隼人に触られればどんなところでも気持ち良くなってしまうのではないかとすら思う。
隼人は次に中指と薬指の間に舌を這わせようとする。
麻由は隼人のスラックスをくしゃりと皺になるほどつかんだ。
「も、やめて……ぇ」
足を舐められる前にした拒否とはまるで意味合いの違う拒絶の言葉だ。
そこを舐めたら次はきっと薬指と小指の間。もしかしたらもう片方の足も同じようにされるかもしれない。
そんなのはもう、待てなかった。
体の中心は痛いくらいに切なく疼いて、秘所はシーツまで伝うくらいに濡れている。
もっと触れて欲しい。雷に打たれたくらいの甘い刺激が欲しいと、体が叫んでいる。
「焦らせるつもりはなかったんだが、こんなに感じてくれるなんてな」
隼人は足の指から顔を離すと、今度は唇で足の内側をなぞっていく。
「は……ぁっ」
薄く形の良い唇が濡れそぼる蜜口に近づくと麻由は期待感に思わず熱い吐息を漏らした。
足は肩に掛けられ、隼人の唇はすでにしっとりと濡れている秘部へと這わされる。
まだ閉じた花びらに軽く口づけを落とされ、割れ目を撫でるように優しく舌でなぞり上げられる。
浅いところを何度も何度も舐められて、そこから中に溜まっていた蜜がこぽりと溢れた。
「わかるか? こんなに濡れている」
「ん……っ、だって、気持ちいいから……っ」
隼人は麻由のしどけない様子に愛おしそうに目を細めると、こぼれた蜜を舌先に絡め、淡い茂みをかき分けて秘めた真珠を探り出す。
紅く膨れた秘珠は粘ついたもので湿った舌先で円を描くように舐め上げられる。
「あっ、それ……っ、だめぇ」
ビリビリと甘い痺れが全身に走って、思わず体をくねらせる。
「かわいい」
隼人は小さく笑うと、隘路に指を一本差し込んだ。くいと曲げてざらついたところを刺激される。それだけでもたまらないのに、そのまま花芽をジュッと吸われた。
「は、ああぁぁ――っ」
びくんっと体を反らして、麻由は登りつめた。
うつろな目で息を整えていると、さらに指を増やされる。二本の指が、収縮する中をさらに執拗にかき混ぜた。
「あ、んっ、待ってぇ――も、もう……」
早く、隼人のものが欲しい。繋がって一つになりたい。
隼人は一瞬指の動きを止めると、困ったように目をそらす。
「久しぶりだから、もっと慣らさないと痛いだろう」
だが、麻由の蜜路は濡れそぼり、愛しい人を待ちわびて蕩けている。ここまで準備が出来ていて痛いということもないだろう。
隼人の少し気まずそうな顔に、麻由は察する。
「隼人さん、怖くないよ。どんな風に抱かれたって」
「っ、麻由……」
やはり隼人は自分を手酷く抱いたことを悔いているようだった。それで深く愛し合うのを恐れているらしい。
「俺は、少し自分が怖いよ。またあんな風に君に触れたらと思ったら」
「今の隼人さんなら大丈夫だよ。……それに、ちょ、ちょっとくらいなら激しくっても大丈夫、だから……」
真っ赤になって言う麻由に隼人はまぶしそうに目を細める。
「それは、なんというか……いいことを聞いた、な」
「は、隼人さんだけだから! 私が触られて気持ちいいのは、隼人さんだけ」
「まったく君は……どれだけ俺を煽れば気が済む?」
隼人は体を起こすとスラックスの前をくつろげる。
麻由はのろのろと腕の伸ばすと、隼人のシャツを引っ張った。
脱ぐなら、全部がいい。隼人の肌をもっと近くに感じたい。もっと、触れあいたい。
そんな気持ちをわかってくれたのか、隼人は来ていたものを全部脱ぎ去る。
「麻由、いい?」
自身の先端をあてがわれて、蜜に濡れた入り口を上下にこすられる。
待ちきれないように、秘所はヒクヒクと蠢いていた。
麻由がうなずくと隼人がゆっくり腰を沈めていく。
狭い路を大きな質量でいっぱいにされる。その圧迫感が幸せだった。
「隼人さんっ」
甘えるように手を伸ばすと隼人が覆い被さる。きつく抱き合い唇を重ねると、隼人は抽送を開始した。
腰を引かれるたびに、まだ離したくないというように隘路は狭まり、奥を押し上げられるとさらにきつく締まった。
「ずっと、ずっと離さない」
「うん……っ」
その言葉が嬉しくて目尻に涙が浮かぶ。
(私だって、ずっと離れたくない……っ)
中の収縮が大きくなり、麻由の到達が近いことを知らせる。
「あ……、もう……っ」
「麻由、一緒に」
指を絡め合って、最奥を突かれると、麻由は再び気をやった。
絡めた指にきつく力を入れると、隼人の欲望が自分の中で弾けたのを感じた。お腹の中に熱いものが広がっていく。
そのまま埋め込まれたものを引き抜かずきつく抱きしめ合う。
「麻由、愛してる」
耳元でささやかれた甘い声に、胸がいっぱいになって、目尻にたまっていた涙が溢れて流れた。
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