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第17話 吸血鬼の友達
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「うわぁーー! 僕、なにも悪くなにのにーっ!」
「いいっしょ! これも青春の一ページっしょ!」
頭を抱える僕と、そんな僕に肩を組むランドルフ。
今日の授業?は、身体測定だ。
まぁ、身体測定とは言っても、歯科検診や、聴診も行う。
だから僕らは、他の生徒に混ざって、体育館へと移動しているんだけど……。
その背後で、
「兄貴! 先生に、兄貴の潔白を証明してきました!」
「アーギン! シロに近づかないで! あなたの事、まだ信用していないんだから!」
「黙れ小娘! お前に兄貴の何がわかる!」
「あなたにだけは、言われたくはないわ!」
犬猿の仲となったアーギンとリタが、いがみ合っている。
正直、目立つし、恥ずかしいからやめて欲しい……。
僕があまり目立ちたくないのも、吸血鬼だとバレたくないから、というのが大きい。
あとは単純に、目立つと恥ずかしいからだ。
「穴があったら入りたい……」
身体検査は、滞りなく進んだ。
「身長は……156cmですね」
否、僕の精神は滞った。
今この瞬間だけ、血液か粘液を摂取したい……っ!
そうすれば、身長を20cm以上も盛れるのに……!
「身長は……182cmですね」
「うぇーい! 俺っち長身~!」
たまたま僕の後ろだったランドルフが、ムカつく数値を叩き出していた!
身体測定の次は、聴診だった。
ボタンを開けて、シャツをめくり上げ、胸元を見せる必要があるんだけど……
「ゲヒッ、よっ、よろしくね」
ハゲた、鼻の下の以上に長いお医者さんだった。
「よ、よろしくお願いします……」
「ひひっ、君、小さいね。それに、はっ、肌も白いね~」
なんか、絶妙にセクハラ臭い。
この方が女子ではなく、男子の聴診を行っていることが、妙に納得できてしまう……。
とは言え、"当然"エッチな展開があった訳でもなく、最後の検診、歯科検診の場所へと足を運んだ。
「よろしくお願いします」
「はーい。じゃあ、口をあーんしてねー」
歯科検診の担当は、先程とは打って変わって、美人な女医さんだった。
子供に思われているのか、彼女の話し方は、どこか母性を感じさせるものだった。
「あーん……」
「虫歯は……無いわね。歯茎も……問題なし、と」
「ほーへふか?」
「ふふっ、ちょっと不健康そうな見た目だったから心配だったけど、意外と健康なようね~」
きちんと三食食べて、栄養も取っているし、食後の歯磨きも欠かしていないからね!
肌が白いのに、歯が黄色いとか、嫌だもん。
ちなみに、吸血鬼(ヴァンパイア)も普通に食事を取る。
ただ、人間や大半の悪魔は、食事によって栄養と魔力を得るけど、吸血鬼の場合は、ほとんど栄養素しか摂取出来ない。
だから、人間や悪魔の血液や粘液といった、魔力濃度の濃いものを摂るのだ。
「うーん。見た感じ、大丈夫そうなんだけども……ん?」
奥歯から手前へと診察する女医さんだったが、途中、違和感を感じたらしい。
手が止まった。
「犬歯が……削れている? いや、これは……欠けているのかしら?」
ちょ、ちょっと待ってください……!
牙への追及は……
「でも、綺麗だし、生活には支障なさそうね。じゃ、これからもよく磨くように」
「……はい」
なんとか、追及は避けられたようだ。
僕は頭を下げて、検診を終えた。
体育館の入口付近に戻ると、ランドルフとリタ、それにアーギンが僕を待ってくれていた。
「シロっち、一緒に教室に戻ろうぜー!」
「戻ろ、シロ。あっ、アーギンは抜きでね」
「静まれ小娘! それよりも、兄貴! 実は俺の身長、去年から3cmも伸びたんですよ! もう成長期が終わ
「誰得なのよ、その情報っ!」
「無論、兄貴のためだ! こうして、俺の全てを曝け出すことこそが、兄貴への忠誠の証なのだ! 兄貴、それとですね! 実は体重が……」
なぜか、検診の結果を自信満々に語るアーギン。
会話の内容自体は、なんてことのない日常会話なんだけど……圧がすごい。
まるで、訪問販売の人だ……。
……だけど。
友達が増えたみたいで、すごく嬉しかった。
「とりあえず、皆で教室まで戻ろうか!」
僕の表情は、満面の笑みだったと思う。
◇◇◇
パーシヴァル魔法学院、第四倉庫。
そこには、既に誰もいない。
だが、倒された机や、散らかった椅子が、過去に誰かがいたことを告げてくれる。
「もぬけの空、か……。アーギンの敗北を悟って、即座に逃げたのじゃろうな。アーギンはさしずめ、蜥蜴の尻尾、といったところか……」
大鎌を片手に、スーツ姿のリリーは、重々しく溜め息を吐いた。
彼女の隣に立つ黒服の女性は、魔法杖を腰に仕舞う。
書類や手掛かりがないか、くまなく調査する他の黒服を見て、煙草に火をつけた。
「すぅー……はぁー……。まさか、『窮極派』に学生連中が混じっていたとはね……。事実が明るみに出れば、最悪、王宮から処罰されるぜ。理事長様よ」
「何を言う。ここは治外法権じゃ、陛下も手出しはできまい。それと……わらわの真横で煙草を吸うな」
女は、飄々とした態度で、肩を竦めた。
「数百年も生きてる年寄りは、いろいろと厳しいねー」
「主様が、煙草の臭いを嫌がるのじゃよ。わらわ自身は別にどうも思わん」
「へーそうかい、健気なこった。ま、一本だけは許してくれよ」
「……一本だけじゃぞ」
感謝の意を伝えたのか、片手で会釈し、女は再度、煙草に口をつける。
「はぁー……。にしても、魔法錠のカギを作成して、空間魔法で盗んだ本ごと送る、と……。よくもまぁ、こんな高度な事をやってくれたなぁ。うちの学生も、捨てたもんじゃねぇぜ」
「『窮極派』でなければ、の話じゃがな」
「はは! ちげーねぇ!」
高笑いする女の、煙草臭い口臭に、リリーは顔を歪める。
「相も変わらず、品が無いのぅ……ま、よい。それよりも最たる問題は、この学院に重要な歴史書が保管されていることが、敵方に気が付かれてしまった、という点じゃ」
「これから、面倒な事になるぜ? 理事長様の金が、全部消し飛ぶかもな」
「……なぜ嬉しそうなのじゃ?」
「まっさっかー! 心の中では、大号泣だぜ?」
じとーっと見つめてくるリリーに、女はおどけた様子で返した。
「でも、穏便に済まないのは確実だろうな。どうやら、理事長様もやる気みたいだし」
「当然じゃ。ほとんど不死身とはいえ、わらわの主様を傷つけたのじゃぞ? 万死に値するの」
「はは、よく言うぜ! あいつに危険な任務を頼んだのは、お前じゃねーのか?」
「さようじゃ。不死身である主様以上に、適任がおらんでの。じゃが、それとこれとは別じゃ。主様の身体に傷をつけた以上、この世から消えねばならん」
にやりと、蛇のような微笑みを湛えるリリー。
シロに図書委員になるように頼んだのは、紛れもなく彼女だ。
窮極派の存在がある以上、多少なりとも危険な職務に他ならない。
そして結果、シロは一度死んだ。
それは、リリーに責任の一端があると言っても差支えない。
リリーのせいでシロが傷ついた、のだが……彼女は、主を傷つける者は許さない、と語る。
……明らかに、おかしい。
だが、突っ込むようなことはせず、そのどこか歪な忠誠心に、女はフッと笑みをこぼす。
「夢魔っつーのは、トチ狂ってやがんな」
煙草を吐き捨て、火を踏み消した。
「いいっしょ! これも青春の一ページっしょ!」
頭を抱える僕と、そんな僕に肩を組むランドルフ。
今日の授業?は、身体測定だ。
まぁ、身体測定とは言っても、歯科検診や、聴診も行う。
だから僕らは、他の生徒に混ざって、体育館へと移動しているんだけど……。
その背後で、
「兄貴! 先生に、兄貴の潔白を証明してきました!」
「アーギン! シロに近づかないで! あなたの事、まだ信用していないんだから!」
「黙れ小娘! お前に兄貴の何がわかる!」
「あなたにだけは、言われたくはないわ!」
犬猿の仲となったアーギンとリタが、いがみ合っている。
正直、目立つし、恥ずかしいからやめて欲しい……。
僕があまり目立ちたくないのも、吸血鬼だとバレたくないから、というのが大きい。
あとは単純に、目立つと恥ずかしいからだ。
「穴があったら入りたい……」
身体検査は、滞りなく進んだ。
「身長は……156cmですね」
否、僕の精神は滞った。
今この瞬間だけ、血液か粘液を摂取したい……っ!
そうすれば、身長を20cm以上も盛れるのに……!
「身長は……182cmですね」
「うぇーい! 俺っち長身~!」
たまたま僕の後ろだったランドルフが、ムカつく数値を叩き出していた!
身体測定の次は、聴診だった。
ボタンを開けて、シャツをめくり上げ、胸元を見せる必要があるんだけど……
「ゲヒッ、よっ、よろしくね」
ハゲた、鼻の下の以上に長いお医者さんだった。
「よ、よろしくお願いします……」
「ひひっ、君、小さいね。それに、はっ、肌も白いね~」
なんか、絶妙にセクハラ臭い。
この方が女子ではなく、男子の聴診を行っていることが、妙に納得できてしまう……。
とは言え、"当然"エッチな展開があった訳でもなく、最後の検診、歯科検診の場所へと足を運んだ。
「よろしくお願いします」
「はーい。じゃあ、口をあーんしてねー」
歯科検診の担当は、先程とは打って変わって、美人な女医さんだった。
子供に思われているのか、彼女の話し方は、どこか母性を感じさせるものだった。
「あーん……」
「虫歯は……無いわね。歯茎も……問題なし、と」
「ほーへふか?」
「ふふっ、ちょっと不健康そうな見た目だったから心配だったけど、意外と健康なようね~」
きちんと三食食べて、栄養も取っているし、食後の歯磨きも欠かしていないからね!
肌が白いのに、歯が黄色いとか、嫌だもん。
ちなみに、吸血鬼(ヴァンパイア)も普通に食事を取る。
ただ、人間や大半の悪魔は、食事によって栄養と魔力を得るけど、吸血鬼の場合は、ほとんど栄養素しか摂取出来ない。
だから、人間や悪魔の血液や粘液といった、魔力濃度の濃いものを摂るのだ。
「うーん。見た感じ、大丈夫そうなんだけども……ん?」
奥歯から手前へと診察する女医さんだったが、途中、違和感を感じたらしい。
手が止まった。
「犬歯が……削れている? いや、これは……欠けているのかしら?」
ちょ、ちょっと待ってください……!
牙への追及は……
「でも、綺麗だし、生活には支障なさそうね。じゃ、これからもよく磨くように」
「……はい」
なんとか、追及は避けられたようだ。
僕は頭を下げて、検診を終えた。
体育館の入口付近に戻ると、ランドルフとリタ、それにアーギンが僕を待ってくれていた。
「シロっち、一緒に教室に戻ろうぜー!」
「戻ろ、シロ。あっ、アーギンは抜きでね」
「静まれ小娘! それよりも、兄貴! 実は俺の身長、去年から3cmも伸びたんですよ! もう成長期が終わ
「誰得なのよ、その情報っ!」
「無論、兄貴のためだ! こうして、俺の全てを曝け出すことこそが、兄貴への忠誠の証なのだ! 兄貴、それとですね! 実は体重が……」
なぜか、検診の結果を自信満々に語るアーギン。
会話の内容自体は、なんてことのない日常会話なんだけど……圧がすごい。
まるで、訪問販売の人だ……。
……だけど。
友達が増えたみたいで、すごく嬉しかった。
「とりあえず、皆で教室まで戻ろうか!」
僕の表情は、満面の笑みだったと思う。
◇◇◇
パーシヴァル魔法学院、第四倉庫。
そこには、既に誰もいない。
だが、倒された机や、散らかった椅子が、過去に誰かがいたことを告げてくれる。
「もぬけの空、か……。アーギンの敗北を悟って、即座に逃げたのじゃろうな。アーギンはさしずめ、蜥蜴の尻尾、といったところか……」
大鎌を片手に、スーツ姿のリリーは、重々しく溜め息を吐いた。
彼女の隣に立つ黒服の女性は、魔法杖を腰に仕舞う。
書類や手掛かりがないか、くまなく調査する他の黒服を見て、煙草に火をつけた。
「すぅー……はぁー……。まさか、『窮極派』に学生連中が混じっていたとはね……。事実が明るみに出れば、最悪、王宮から処罰されるぜ。理事長様よ」
「何を言う。ここは治外法権じゃ、陛下も手出しはできまい。それと……わらわの真横で煙草を吸うな」
女は、飄々とした態度で、肩を竦めた。
「数百年も生きてる年寄りは、いろいろと厳しいねー」
「主様が、煙草の臭いを嫌がるのじゃよ。わらわ自身は別にどうも思わん」
「へーそうかい、健気なこった。ま、一本だけは許してくれよ」
「……一本だけじゃぞ」
感謝の意を伝えたのか、片手で会釈し、女は再度、煙草に口をつける。
「はぁー……。にしても、魔法錠のカギを作成して、空間魔法で盗んだ本ごと送る、と……。よくもまぁ、こんな高度な事をやってくれたなぁ。うちの学生も、捨てたもんじゃねぇぜ」
「『窮極派』でなければ、の話じゃがな」
「はは! ちげーねぇ!」
高笑いする女の、煙草臭い口臭に、リリーは顔を歪める。
「相も変わらず、品が無いのぅ……ま、よい。それよりも最たる問題は、この学院に重要な歴史書が保管されていることが、敵方に気が付かれてしまった、という点じゃ」
「これから、面倒な事になるぜ? 理事長様の金が、全部消し飛ぶかもな」
「……なぜ嬉しそうなのじゃ?」
「まっさっかー! 心の中では、大号泣だぜ?」
じとーっと見つめてくるリリーに、女はおどけた様子で返した。
「でも、穏便に済まないのは確実だろうな。どうやら、理事長様もやる気みたいだし」
「当然じゃ。ほとんど不死身とはいえ、わらわの主様を傷つけたのじゃぞ? 万死に値するの」
「はは、よく言うぜ! あいつに危険な任務を頼んだのは、お前じゃねーのか?」
「さようじゃ。不死身である主様以上に、適任がおらんでの。じゃが、それとこれとは別じゃ。主様の身体に傷をつけた以上、この世から消えねばならん」
にやりと、蛇のような微笑みを湛えるリリー。
シロに図書委員になるように頼んだのは、紛れもなく彼女だ。
窮極派の存在がある以上、多少なりとも危険な職務に他ならない。
そして結果、シロは一度死んだ。
それは、リリーに責任の一端があると言っても差支えない。
リリーのせいでシロが傷ついた、のだが……彼女は、主を傷つける者は許さない、と語る。
……明らかに、おかしい。
だが、突っ込むようなことはせず、そのどこか歪な忠誠心に、女はフッと笑みをこぼす。
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