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三章

AIに聞いた話

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 探索しているとモニター室を見つけ、そこに入る。
 そこにはAI達が映っていた。
「……ねぇ、質問していい?」
 彼のAIに質問すると、「何?」と首を傾げられた。
「……なんで、ここにAIがあるの?」
 それが不思議でならない。人工的に作ったものなら分かるけど、ここにあるのは参加者のものだ。どこかで手に入れていないとおかしい。
 彼は少し考え込み、
「……奴が直接会って、回収していたんだよ」
「回収?記憶を?……どうやって?」
 そんなことされたら絶対に覚えているハズなのに。
「覚えていないのは当たり前だよ。だってその時の記憶は忘れているハズだから」
「……そう……」
 記憶を、忘れている?そんなことないだろう……そう、思いたい。いや、でももしかしたら……。
 いや、今は記憶のことを考える余裕はない。それ以上に、気になっていることを聞いてみる。
「……このデスゲームは、いつから計画されていたの?」
 もしかしたら知っているかもしれないと思っていると、「聞いた限りではあるけど」と答えてくれた。
「君が生まれた時には計画されていたよ」
 頭がハンマーで殴られたかのような感覚に陥る。そんなに前から、計画されていたということか?
「……君が責任を感じることはないよ。君は勝手に巻き込まれただけなんだから」
 彼はそう言ってくれる。……でも、そういうわけにもいかない。
「……ごめんね」
「なんで君が謝るの?君は何も悪くないのに」
「だって――」
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