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三章
居合斬り
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夜、眠れずに歩いていると目の前にスズエさんとシルヤ君が何かを話しているのが見えた。
(二人で何をしているんだろ……?)
そう思うけど、スズエさんは気配に敏感だ。下手に近付いたら気付かれるだろう。
どうしようか悩んでいると、二人は近くにあった部屋に入っていった。
最終日、ナシカミが「まさかここまで生き残るとはなー」と笑って出迎えた。
「でも、今日は初めての死者が出るかもな?」
ケラケラ笑う彼を、シナムキがなだめる。そして、
「そ、その……本日は本当に危険ですから……」
頭を隠しながら告げた。危険……?と思っていると中心に何かが現れた。
近付いて見ると、それは日本刀だった。
「あ、そうそう。今日はスズエ一人になったってことだから、居合斬りになったぞー」
「……私が元剣道部だから、ってことか?」
「そうそう。分かってんじゃねぇか」
本当に楽しそうに、ナシカミが言う。スズエさんはため息をつきながら「もう二年前の話だろ……」と呟いた。
「まぁ、得意分野で来てくれたのには感謝するよ」
「フン、その余裕がいつまで続くかな?」
スズエさんが挑発するように笑うと、ナシカミも負けじと言い返す。
居合斬り、というと刀を抜いた勢いで斬りつけるというイメージがあるんだけど……。
「……ちなみに、納刀までセットなのか?」
「そうだぞ。それを五試合してもらう」
「なるほどな……」
なんか、よく分からない言葉が出てきた。それに気付いたスズエさんが説明してくれた。
「居合斬り、というのは抜刀術とも言われていて刀が鞘に収まっている状態……これを帯刀というんですが、その状態から刀を抜いた時に一撃、さらに追撃を加えたうえで血を振り払う残心、刀を収める納刀とこれが一セットなんです。ドラマとかで見たことがあるかもしれませんね」
なるほど、となんとなくだけど理解する。
「あ、あの、それって……本当に死ぬ可能性があるってこと……ですよね……」
キナちゃんが不安げに聞いてくる。スズエさんが「大丈夫だよ」とその頭を撫でた。
そして、スズエさんは日本刀を持って中心に立った。
「本当に大丈夫ですかね……」
ハナさんが不安げに呟く。女子高校生が本物の日本刀で居合切りをするって言うのは見ているだけでひやひやするだろう。
スズエさんの目の前に出てきたのは巨大な怪物。あれを、居合斬りで倒せというのか。
緊張しているボク達を横目にスズエさんは一つ息をついて構えた。
「それじゃあ……はじめ!」
ナシカミのその号令とともに怪物が襲い掛かってくる。もうすぐで攻撃されそうというところで、スズエさんが動いた。
本当に一瞬のことで、目が追い付かなかったけど怪物が倒れていた。
「……え?」
この場合、判定はどうなるの……?と思っていたけど、
「おー、早いなー。シナムキ、判定は?」
「せ、成功、です……」
どうやらそこらへんは心配いらないらしい。
スズエさんはそれを、怪我一つせず五試合やってのけた。
「すごいなー、簡単だったか?もう五試合やってみるか?」
ナシカミがニヤニヤ笑いながら近づいてくる。スズエさんは日本刀と元の位置に置きながら「これ以上はご遠慮いただきたい」とため息をついた。
「冗談が通じねぇなー」
「冗談に聞こえないんだよ」
本当にそうだ。シナムキはともかく、ナシカミは何をやらかすか分かったものではない。
だけど、とにかくゲームも何とか全員生き残って乗り越えることが出来た。それに安堵しつつ、ボク達は自分の部屋に戻っていった。
(二人で何をしているんだろ……?)
そう思うけど、スズエさんは気配に敏感だ。下手に近付いたら気付かれるだろう。
どうしようか悩んでいると、二人は近くにあった部屋に入っていった。
最終日、ナシカミが「まさかここまで生き残るとはなー」と笑って出迎えた。
「でも、今日は初めての死者が出るかもな?」
ケラケラ笑う彼を、シナムキがなだめる。そして、
「そ、その……本日は本当に危険ですから……」
頭を隠しながら告げた。危険……?と思っていると中心に何かが現れた。
近付いて見ると、それは日本刀だった。
「あ、そうそう。今日はスズエ一人になったってことだから、居合斬りになったぞー」
「……私が元剣道部だから、ってことか?」
「そうそう。分かってんじゃねぇか」
本当に楽しそうに、ナシカミが言う。スズエさんはため息をつきながら「もう二年前の話だろ……」と呟いた。
「まぁ、得意分野で来てくれたのには感謝するよ」
「フン、その余裕がいつまで続くかな?」
スズエさんが挑発するように笑うと、ナシカミも負けじと言い返す。
居合斬り、というと刀を抜いた勢いで斬りつけるというイメージがあるんだけど……。
「……ちなみに、納刀までセットなのか?」
「そうだぞ。それを五試合してもらう」
「なるほどな……」
なんか、よく分からない言葉が出てきた。それに気付いたスズエさんが説明してくれた。
「居合斬り、というのは抜刀術とも言われていて刀が鞘に収まっている状態……これを帯刀というんですが、その状態から刀を抜いた時に一撃、さらに追撃を加えたうえで血を振り払う残心、刀を収める納刀とこれが一セットなんです。ドラマとかで見たことがあるかもしれませんね」
なるほど、となんとなくだけど理解する。
「あ、あの、それって……本当に死ぬ可能性があるってこと……ですよね……」
キナちゃんが不安げに聞いてくる。スズエさんが「大丈夫だよ」とその頭を撫でた。
そして、スズエさんは日本刀を持って中心に立った。
「本当に大丈夫ですかね……」
ハナさんが不安げに呟く。女子高校生が本物の日本刀で居合切りをするって言うのは見ているだけでひやひやするだろう。
スズエさんの目の前に出てきたのは巨大な怪物。あれを、居合斬りで倒せというのか。
緊張しているボク達を横目にスズエさんは一つ息をついて構えた。
「それじゃあ……はじめ!」
ナシカミのその号令とともに怪物が襲い掛かってくる。もうすぐで攻撃されそうというところで、スズエさんが動いた。
本当に一瞬のことで、目が追い付かなかったけど怪物が倒れていた。
「……え?」
この場合、判定はどうなるの……?と思っていたけど、
「おー、早いなー。シナムキ、判定は?」
「せ、成功、です……」
どうやらそこらへんは心配いらないらしい。
スズエさんはそれを、怪我一つせず五試合やってのけた。
「すごいなー、簡単だったか?もう五試合やってみるか?」
ナシカミがニヤニヤ笑いながら近づいてくる。スズエさんは日本刀と元の位置に置きながら「これ以上はご遠慮いただきたい」とため息をついた。
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「冗談に聞こえないんだよ」
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