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一章
最初の試練
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ハッと、ボクは意識を取り戻す。
「……ここは……?」
「ユウヤ、大丈夫ですか?」
男性に声をかけられ、そちらを見る。目の前には、心配そうにボクを見ている黒髪の男性。
彼はボクの友人で、一つ年上の兄のような人だ。東京に出てからもルームシェアしているほどには仲がいいと自負している。
「はい、大丈夫です。エレンさんは……?」
「私も大丈夫ですよ。……それにしても、ここは……」
周囲を見回す彼と同じように、ボクも部屋を見る。
大きなモニターに、棚、机、椅子……ここが見知らぬ部屋ということを除けば、割と普通の場所だった。首に違和感があり、触ってみると首輪をつけられていることに気付く。首輪はエレンさんにもつけられていた。
『祈花 佑夜、七守 恵漣の起床を確認いたしました。これより、最初の試練を開始いたします』
どこからか、そんな放送が流れてくる。最初の試練……?と首を傾げているが、その放送は単純に録音されているだけなのか、話を進めていく。
『お二人には謎解きをしてもらいます。制限時間は十分、時間内に解けなければガスを充満させます』
「……実質の死刑宣告、ね……」
ボクが呟くと、エレンさんは「冷静に分析しましょうか」と見てきた。
モニターのタイマーが動き始める。ボクとエレンさんで手分けして部屋中を見て回ると一枚の紙があることに気付く。
悲嘆の花を探せ。
紙にはそう書かれていた。
「これはどういうことでしょうか……」
ボクが考え込んでしまうと、エレンさんはうなって、
「花言葉に「悲嘆」があるもの、ということですよね?だとしたらキンセンカ、マリーゴールド、イトスギ、ポプラ……まさか本物があると思えませんので、造花を探すべきでしょう」
「なるほど。それならその棚が怪しいですね」
それはエレンさんも思ったようで、一緒に棚を調べる。
棚には小さな金庫があり、きっとここに造花が入っているのだろう。パスワード式で、どこかにヒントがあるのだろう。
そんな金庫の周囲にはライターとノート。ノートを開くけど、何も書かれていない。なんだろうと首を傾げながら机の方を調べてみる。
「……うん?」
机に小さく上矢印が書かれている。それは扉近くの方に向いていた。
ボクが椅子を使ってその方向を見て見ると、絵が描かれていた。火で紙をあぶっている絵……。あぁ、そう言うことか。
「どうしましたか?ユウヤ」
エレンさんが首を傾げるけど、ボクはライターでノートの一ページ目をあぶってみた。すると三桁の数字がじわじわと見えてきた。
「「526」……これを入れたら……」
エレンさんがパスワードを入れると、金庫が開いた。その中には予想通りキンセンカの造花と紙が入っていた。
悲嘆の花を机の上に捧げよ。
紙にはそう書かれていて、指示通りにするとタイマーが止まる。
『最初の試練、成功を確認しました。鍵のロックを解除します』
そのアナウンスとともに、カチャと鍵が開いた音が聞こえてくる、エレンさんがドアノブをひねると、簡単に開く。
「よかった……とりあえず、第一関門は突破したみたいですね」
「そうですね。……しかし、その先が見えないですね……」
扉の先は真っ暗だった。不気味なほど静かで、思わずすくんでしまう。
しかし、進まないと始まらない。顔を見合わせて、ボク達は一歩踏み出した。
「……ここは……?」
「ユウヤ、大丈夫ですか?」
男性に声をかけられ、そちらを見る。目の前には、心配そうにボクを見ている黒髪の男性。
彼はボクの友人で、一つ年上の兄のような人だ。東京に出てからもルームシェアしているほどには仲がいいと自負している。
「はい、大丈夫です。エレンさんは……?」
「私も大丈夫ですよ。……それにしても、ここは……」
周囲を見回す彼と同じように、ボクも部屋を見る。
大きなモニターに、棚、机、椅子……ここが見知らぬ部屋ということを除けば、割と普通の場所だった。首に違和感があり、触ってみると首輪をつけられていることに気付く。首輪はエレンさんにもつけられていた。
『祈花 佑夜、七守 恵漣の起床を確認いたしました。これより、最初の試練を開始いたします』
どこからか、そんな放送が流れてくる。最初の試練……?と首を傾げているが、その放送は単純に録音されているだけなのか、話を進めていく。
『お二人には謎解きをしてもらいます。制限時間は十分、時間内に解けなければガスを充満させます』
「……実質の死刑宣告、ね……」
ボクが呟くと、エレンさんは「冷静に分析しましょうか」と見てきた。
モニターのタイマーが動き始める。ボクとエレンさんで手分けして部屋中を見て回ると一枚の紙があることに気付く。
悲嘆の花を探せ。
紙にはそう書かれていた。
「これはどういうことでしょうか……」
ボクが考え込んでしまうと、エレンさんはうなって、
「花言葉に「悲嘆」があるもの、ということですよね?だとしたらキンセンカ、マリーゴールド、イトスギ、ポプラ……まさか本物があると思えませんので、造花を探すべきでしょう」
「なるほど。それならその棚が怪しいですね」
それはエレンさんも思ったようで、一緒に棚を調べる。
棚には小さな金庫があり、きっとここに造花が入っているのだろう。パスワード式で、どこかにヒントがあるのだろう。
そんな金庫の周囲にはライターとノート。ノートを開くけど、何も書かれていない。なんだろうと首を傾げながら机の方を調べてみる。
「……うん?」
机に小さく上矢印が書かれている。それは扉近くの方に向いていた。
ボクが椅子を使ってその方向を見て見ると、絵が描かれていた。火で紙をあぶっている絵……。あぁ、そう言うことか。
「どうしましたか?ユウヤ」
エレンさんが首を傾げるけど、ボクはライターでノートの一ページ目をあぶってみた。すると三桁の数字がじわじわと見えてきた。
「「526」……これを入れたら……」
エレンさんがパスワードを入れると、金庫が開いた。その中には予想通りキンセンカの造花と紙が入っていた。
悲嘆の花を机の上に捧げよ。
紙にはそう書かれていて、指示通りにするとタイマーが止まる。
『最初の試練、成功を確認しました。鍵のロックを解除します』
そのアナウンスとともに、カチャと鍵が開いた音が聞こえてくる、エレンさんがドアノブをひねると、簡単に開く。
「よかった……とりあえず、第一関門は突破したみたいですね」
「そうですね。……しかし、その先が見えないですね……」
扉の先は真っ暗だった。不気味なほど静かで、思わずすくんでしまう。
しかし、進まないと始まらない。顔を見合わせて、ボク達は一歩踏み出した。
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