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三章
凶器
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「ちょっと何の騒ぎですか…って、か,神山さん!?神山さん、しっかりしてくださいよ!神山さん!」
来たのは、崎原さんだった。
一瞬、ボーッとしてしまったがすぐにハッとなって遺体に駆け寄っていった崎原さんに近づいた。
「もう、亡くなっています。現場保存もしたいのであまり触らないでくれますか。」
「っ!あんた、探偵なんですよね!?犯罪も未然に防げないんですか!?」
「…すみません」
目に涙を溜めた状態で崎原さんは振り向き、俺につかみかかってきた。
そんな崎原さんは見たことがなかったから、謝ることしかできなかった。
とりあえず、女将さんが崎原さんを部屋から連れ出してくれた。
その間に、俺は部屋をぐるりと見渡し歩き始めた。
何周か見回った後、俺は遺体の方に向き直った。
「頸動脈を切られて死んだのか…遺体の向きからして、座っていたんだろうな。死んだことで倒れたんだろうな。」
凶器は鋭利な刃物だろう。
果物があるし、果物ナイフか…と思ったが、果物ナイフは無かった。犯人が持ち去ったのか?
「あの、東山さん。もしかしたらと思ってきたのですが」
「あ,女将さん。どうかしましたか?」
「果物を剥くときは、神山様は従業員を呼んで向かせていたので、果物ナイフはお持ちでは無いんです。」
「あ、そうだったんですか」
俺は、女将さんに一つのことを聞き、お礼を言い女将さんは戻っていった。
ということは、凶器は果物ナイフでは無いということか…まあ、従業員なら手に入れられなくも無いだろうが…。それは無いことを女将さんには確認した。
犯行が行われた時、包丁はちゃんと全てあったと板前さんに聞いてもらった。
じゃあ、一体神山さんを殺害した凶器は何だ?
部屋には刃物のようなものはなかった。
あれか?氷を使って証拠隠滅~みたいなやつか?
いや、流石に無いか…
来たのは、崎原さんだった。
一瞬、ボーッとしてしまったがすぐにハッとなって遺体に駆け寄っていった崎原さんに近づいた。
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「…すみません」
目に涙を溜めた状態で崎原さんは振り向き、俺につかみかかってきた。
そんな崎原さんは見たことがなかったから、謝ることしかできなかった。
とりあえず、女将さんが崎原さんを部屋から連れ出してくれた。
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「頸動脈を切られて死んだのか…遺体の向きからして、座っていたんだろうな。死んだことで倒れたんだろうな。」
凶器は鋭利な刃物だろう。
果物があるし、果物ナイフか…と思ったが、果物ナイフは無かった。犯人が持ち去ったのか?
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じゃあ、一体神山さんを殺害した凶器は何だ?
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