新米魔王の奮闘記

1話 オカルト部 部長 直哉祐樹

東京都内にあるそこそこ偏差値の高い高校、砂巴羅高校は今がちょうど昼休みの時間だ、
皆が教室の中で弁当を食べながら友達と和気藹々としている。
そんな中、オカルト部と書かれた表札が掲げられた教室の中で直哉祐樹は一人でいた。
「＊＊＊＊………」
ロウソクの火の光のみが照らす薄暗い部屋の中で、祐樹は目をつむり祈るようなポーズでブツブツと何かを呟いている。

こんな光景はたから見れば不審者以外の何者でもないだろう。
 
「＊＊＊＊＊！」

何やら、儀式の様な物が終わったと思ったら、祐樹は部屋を見た途端に落胆の表情を浮かべる。
「今回もダメだったかー。ペンキで描くの面倒だったのに」

祐樹が部屋の電気を付けると、さっきまではロウソクの灯りのみで暗くて見えなかったが、今は床一面に赤色で、謎の模様が描かれているのが、見て取れる。

「てか、この魔法陣ペンキで描いちゃったけど取れるかな」

いつもは水性のペンなどで描いているが、今回は本気だと言うことで簡単には落ちないないペンキでチャレンジした事を少し後悔する。

その後、取れないと知っているが手の平でペンキを擦りまくっていると、急に地面が揺れペンキで描いたお手製手製魔法陣が光を放ち始めた。

「うぉっ！ なんだこれ、まさか儀式が成功した？！」