転生なの?召喚なの?

陽真

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第一章 

力の測定①

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食事の後、俺達は女神の間に来ていた。
ここでは女神から授かった加護の確認をすることが出来る。
五歳くらいの時に一度測ったが、成長しているのか楽しみだ。
「では測定をしてもらおう」
父様の一声で、ザワザワとしていた空気が一気に静まり返った。
「あの、具体的に何をすれば‥‥‥」
先生が恐る恐る父様に聞くと、父様は横にいた騎士と一言二言会話をすると騎士はその場からいなくなり、戻ってきた時には両手に水晶を抱えていた。

「この水晶に触れるだけでよい」
実例を示すためか水晶を持ってきた騎士に水晶に触れさせた。
すると水晶の上の方に液晶パネルのようなものが浮かび上がってきた。
その様子で流れがわかったのか皆んな自分がどんな力を持っているのかと、ワクワクしている様子だった。

触れる順番はジャンケンで決めることになり、その結果、華深、鳴宮、絢香、中冨、先生、俺、雫、そして春川の順番になった。
「僕からだね。出来れば魔法系が良いな」
そう言いながら華深が水晶に触れると水晶が光、その上に名前やスキルが書かれたものが浮かび上がってきた。

名前  カフカ・ヤナギシロ
レベル 5
年齢  16歳
種族  人族
職業   ?
魔法属性 五属性+付属性
固有スキル 五属性行使 付属性行使 神眼
      全言語理解
加護  女神ルルーユの加護 魔法加護
称号  女神の寵愛を受けし者 異世界人 
    転移者 魔法の申し子

「これは‥‥‥‥。想像以上だな」
父様が華深の結果に感嘆を漏らしながら言う横で、当の華深は魔法系だったことをとても喜んでいた。
「やった!魔法系だ。しかも結構チートじゃん。女神様に感謝しなきゃ」
なんというか、ジングンリアとやっぱり気が合いそうだな。

次は鳴宮か。
すごくなんか心配なんだけど。
「次はこの俺か。もう目に見えているだろ?この俺はチート路線確定なんだよなぁ」
煽るように鳴宮は言った。
これであんまりチートでなくても同情はしないな。

名前  ルト・ナルミヤ
レベル 3
年齢  16歳
種族  人族
職業   ?
魔法属性 水
固有スキル 速達 全言語理解 
加護  女神ルルーユの加護 刀剣加護
称号  女神の寵愛を受けし者 異世界人 
    転移者 

「やばすぎるだろ。女神の加護に刀剣ってことは俺、剣の才能か!やっぱり俺は選ばれ者なんだな」
鳴宮のスキルが浮かび上がると、俺達はなんともいえない微妙な空気になっていた。
鳴宮を除いて。

なんというか、普通?
この世界基準で行けば、まぁまぁなチートなのかも知れないが、華深があんなとんでもないスキルを出したものだからなんともいえない空気になってしまった。
「どうしたんだ?あ、俺のスキル見て固まってんだな。後に続くお前達が可哀想だよ。でも、早見さんは何が出ても僕が守るからね」
絢香に向かってカッコつけながら言う。
ずっと思っていたんだけど、絢香に喋りかける時だけは一人称が〝俺〟じゃなくて〝僕〟なんだよな。
キャラぶれぶれなんだけど、気づいてないのだろうか。

「あ、うん。ありがとう」
若干、遠慮がちに絢香は言った。
「じゃ、次行くぞ。絢香か」
「そうだね、行ってくる」
そう言って絢香は水晶の方に向かって行った。

名前  アヤカ・ハヤミ
レベル 5
年齢  16歳
種族  人族
職業   ?
魔法属性 五属性+聖属性
固有スキル 成長加速 全言語理解 
加護  女神ルルーユの加護 魔法加護
称号  女神の寵愛を受けし者 異世界人 
    転移者 癒しの聖女

「せ、聖女‥‥?やったー?」
絢香は自分の結果に喜んでいいのか、分からない様子でいた。
「聖女‥‥‥」
父様はその結果に言葉も出ない様子だ。

それもそのはずで確か聖女とはこの国、世界において女神の寵愛をその身に多く受け、聖なる力を操ることに秀でた存在だ。
これまでの二人も女神の寵愛を受けていたが、それらとは比にならないほどだ。
因みに、聖女には水の聖女、癒しの聖女、大地の聖女があり、その中でも癒しの聖女がもっとも権威があるとされている。

「おぉ。なんか凄いな。でも、聖女とか絢香に一番無縁なものだよな」
「うるさいな。あ、次、中冨さんだよね」
絢香は雫に軽く抗議すると、中冨に言った。
「そうよ。まぁ、私は何が出てもいいけど」
そうぶつぶつと言いながら水晶の方へ行った。

名前  アイリ・ナカトミ
レベル 5
年齢  16歳
種族  人族
職業   ?
魔法属性 土+無属性
固有スキル 全言語理解 経験値上昇
加護  女神ルルーユの加護 防御加護
称号  女神の寵愛を受けし者 異世界人 
    転移者 攻撃を受ける者 攻撃を防
    ぐ者

「ん?わ、私が、この私が攻撃を受けなければいけないの?こう言うのは男の仕事でしょ。なんで、この私がしなくちゃいけないのよ!」
中冨はヒステリックを起こしたように叫び、周りにあったものに当たり始めた。


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