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7章
リュイと卵(2)
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次の日、朝起きてからいつものように準備をする。部屋を出て、調理場に向かった。棚から食材を出して朝食の調理を始めたころ、二階からバタバタと足音がしてリュイが私の近くまで走ってきた。その手には卵が握られている。
「リュイ、どうしたの? そんなに慌てて」
「サラ、見てください! これ!」
そう言ってリュイは両手を広げ、中に握られていた卵を私に見せた。じっと見て変化に気付く。
「少し大きくなってない?」
「そうなんです! 持った時に違和感があって……やっぱり大きくなってますよね!」
リュイは少し興奮した様子で、色々と喋っていた。こういうことに詳しいのはレミナだが彼女は時間があるだろうか。
「ねえ、リュイ。レミナのほうが私より知識があるわ。何か分かるか聞いてみる?」
「そうですね……でもレミナ先生は忙しくないでしょうか?」
「手紙を送って確認してみましょう。今回はリュイが手紙を書いてみる?」
「はい。朝食が済んだら書きます。あっ、卵は部屋に戻してきますね!」
そう言ってリュイは、一旦部屋に戻りその後すぐに戻ってきて席に座った。私たちは朝食を済ませる。その後片付けを私がしている後ろで、リュイはレミナへの手紙を書いていた。
「サラ、書けました! どうですか? 読めますか?」
リュイから紙を受け取り、私はそれに目を通す。すべての文字が魔力を含んだ綺麗な文字になっていた。
「ちゃんと読めるわ。魔力も凄く安定している証拠ね」
「良かったです! でも手紙を送るのはサラにお願いしてもいいでしょうか?」
「リュイも出来ると思うけれど……どうして?」
「まだ自信がなくて……」
「なら、私が横で見ているからやってみたらいいんじゃない?失敗しそうになったら助けるわ」
「だったら、挑戦してみます」
そう言って私とリュイは魔法陣が書かれた机の前に立った。リュイが手紙を魔法陣の上に置き、魔力を使う。私はその様子を黙って見ていた。特に問題もないので、手紙はレミナの元にきちんと届くだろう。
手紙は机の中に吸い込まれるように消えていった。リュイが小さく息を吐く。
「どうでしたか? 僕ちゃんと出来ていましたか?」
「満点よ。今頃はレミナも手紙に気付いているんじゃないかしら」
「返事っていつ頃来ますかね?」
「そうね……。患者さんが多かったら時間がかかるかもしれないわね」
リュイと話していると、いつの間にか机の上の魔法陣の中に手紙があった。リュイもそれに気付いたようだ。それを手に取り、裏を見るとレミナからだった。
「サラ、レミナ先生ですか?」
「そうよ。返事早かったわね。あら……そうなのね」
「どうしたんですか?」
リュイは不思議そうな表情で私を見つめる。私は持っていた手紙をリュイに渡した。
「リュイも読んでみたら分かるわ」
そう言うとリュイは手紙を受け取り、中身を確認していた。視線の動きで読み終わったことを察して話しかける。
「レミナからの返事は読めたかしら」
「はい。レミナ先生、午前中は忙しいんですね。お昼頃来るって書いてありました」
「もうすっかり、慣れたわね。その文字もスラスラ読めているじゃない」
私がそう言うと、リュイは嬉しそうに笑った。
「サラがいろんなことを練習させてくれるおかげです。いつもありがとうございます!」
「リュイは弟子でもあるから、知識は十分に与えないと後で苦労させてしまうかもしれないと思っているのよ」
「じゃあ、まだまだたくさんの本を読まないと駄目ですね」
リュイはそう言うと、本を開くような仕草をしていた。まだ子供のリュイには少しずつでも構わないのだが、本人に頑張る気持ちがあるのなら私はそれを応援したいと思った。
リュイと話していると、二階から微かな気配を感じた。気配が薄すぎて、何かも分からない。卵の中身だろうかと私は考えていた。
「リュイ、卵は二階にあるのよね?」
「はい。窓際の落ちない場所に置いています」
「少し様子を見に行ってもいい?」
「はい。僕も付いていきます!」
そう言って、私とリュイは二階の部屋へ向かった。
「リュイ、どうしたの? そんなに慌てて」
「サラ、見てください! これ!」
そう言ってリュイは両手を広げ、中に握られていた卵を私に見せた。じっと見て変化に気付く。
「少し大きくなってない?」
「そうなんです! 持った時に違和感があって……やっぱり大きくなってますよね!」
リュイは少し興奮した様子で、色々と喋っていた。こういうことに詳しいのはレミナだが彼女は時間があるだろうか。
「ねえ、リュイ。レミナのほうが私より知識があるわ。何か分かるか聞いてみる?」
「そうですね……でもレミナ先生は忙しくないでしょうか?」
「手紙を送って確認してみましょう。今回はリュイが手紙を書いてみる?」
「はい。朝食が済んだら書きます。あっ、卵は部屋に戻してきますね!」
そう言ってリュイは、一旦部屋に戻りその後すぐに戻ってきて席に座った。私たちは朝食を済ませる。その後片付けを私がしている後ろで、リュイはレミナへの手紙を書いていた。
「サラ、書けました! どうですか? 読めますか?」
リュイから紙を受け取り、私はそれに目を通す。すべての文字が魔力を含んだ綺麗な文字になっていた。
「ちゃんと読めるわ。魔力も凄く安定している証拠ね」
「良かったです! でも手紙を送るのはサラにお願いしてもいいでしょうか?」
「リュイも出来ると思うけれど……どうして?」
「まだ自信がなくて……」
「なら、私が横で見ているからやってみたらいいんじゃない?失敗しそうになったら助けるわ」
「だったら、挑戦してみます」
そう言って私とリュイは魔法陣が書かれた机の前に立った。リュイが手紙を魔法陣の上に置き、魔力を使う。私はその様子を黙って見ていた。特に問題もないので、手紙はレミナの元にきちんと届くだろう。
手紙は机の中に吸い込まれるように消えていった。リュイが小さく息を吐く。
「どうでしたか? 僕ちゃんと出来ていましたか?」
「満点よ。今頃はレミナも手紙に気付いているんじゃないかしら」
「返事っていつ頃来ますかね?」
「そうね……。患者さんが多かったら時間がかかるかもしれないわね」
リュイと話していると、いつの間にか机の上の魔法陣の中に手紙があった。リュイもそれに気付いたようだ。それを手に取り、裏を見るとレミナからだった。
「サラ、レミナ先生ですか?」
「そうよ。返事早かったわね。あら……そうなのね」
「どうしたんですか?」
リュイは不思議そうな表情で私を見つめる。私は持っていた手紙をリュイに渡した。
「リュイも読んでみたら分かるわ」
そう言うとリュイは手紙を受け取り、中身を確認していた。視線の動きで読み終わったことを察して話しかける。
「レミナからの返事は読めたかしら」
「はい。レミナ先生、午前中は忙しいんですね。お昼頃来るって書いてありました」
「もうすっかり、慣れたわね。その文字もスラスラ読めているじゃない」
私がそう言うと、リュイは嬉しそうに笑った。
「サラがいろんなことを練習させてくれるおかげです。いつもありがとうございます!」
「リュイは弟子でもあるから、知識は十分に与えないと後で苦労させてしまうかもしれないと思っているのよ」
「じゃあ、まだまだたくさんの本を読まないと駄目ですね」
リュイはそう言うと、本を開くような仕草をしていた。まだ子供のリュイには少しずつでも構わないのだが、本人に頑張る気持ちがあるのなら私はそれを応援したいと思った。
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「リュイ、卵は二階にあるのよね?」
「はい。窓際の落ちない場所に置いています」
「少し様子を見に行ってもいい?」
「はい。僕も付いていきます!」
そう言って、私とリュイは二階の部屋へ向かった。
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