25 / 233
24
しおりを挟む
――四月。
季節は春。まだ朝は少し肌寒かったりするが、それでも優しい温もりとともに、様々な始まりを期待させる時期である。
そして今日、沖長は晴れて小学一年生になり、その隣には自分と同じようにピカピカの一年生になったナクルが立っている。
「ほらほら、二人ともニッコリしてねぇ~」
二人の目の前には、カメラを構えた悠二と葵、そしてナクルの両親である修一郎とユキナも微笑まし気にこちらを見ている。
現在沖長とナクルは、【六葉《ろくよう》小学校】と刻まれた正門の前で仲良く並んで立っていた。ナクルはどこか照れ臭そうだが、表情を見るに少し興奮もしている。何だかんだいっても、この日が楽しみだったことが窺えた。
対して沖長は二度目の小学生ということで、興奮というよりは懐かしいなという思いの方が強い。とはいっても楽しみではないというわけではない。
前世では虚弱体質のためにできなかったことが多かったため、二度目の小学生では存分に身体を動かそうという期待値は高くなっている。
特にいつも見学していた体育や運動会などは今から非常に楽しみだったりする。まあこれから算数や国語とか、ゼロからやり直すのはさすがに苦痛ではあるが。
何度も悠二と修一郎が、自身が持っているカメラのシャッターを切っていると、さすがに沖長は「もういいでしょ」と飽きてしまい勝手に動き出した。当然悠二が悲し気な表情を浮かべるが、もう何十枚も撮っているのだから満足してほしい。
沖長は意気消沈している悠二を放置し、周囲を観察し始めた。
(…………やっぱりいない、よな?)
実はこの日、不安はあった。それは例の赤髪少年が間違いなく絡んでくると思っていたからだ。何せナクルの家はバレているし、この近くに住んでいるなら通う小学校も同じ可能性が高かったから。
故に入学式に絶対に絡んでくると覚悟をしていたのだが……。
(あれから全然姿を見ないし)
公園で吹き飛ばされたあの日から、とんと姿を見せなくなったのである。
こちらが怯えて姿を見せなくなるということはあったかもしれないが、圧倒的に優位な立場だった彼が絡むのを辞めるとは思えない。
しかしあれから一度も姿を見ないのである。
(うーん、実は学区が違うとか? いや、それでもあの執着性だ。ナクルに会いにくると思うけどなぁ)
隣町程度なら問答無用でストーカー行為をしてくるという確信していたのに、何の音沙汰もないから逆に不気味だった。
ナクルは鬱陶しい子供がいなくなったことでホッとしていたようだが、沖長にとっては彼についての背景をある程度推測できているからか完全に安堵してはいない。
とはいっても実際にこの学校にはいないようだし、そこは安心してもいいのかもしれない。
(いや、まだ体調でも崩して欠席してるって可能性もあるか)
だからまだ完全には警戒を解けない。
それにたとえ赤髪少年がいなくても……。
「――やあ、ナクルじゃないか!」
ナクルから少し目を外していたら、いつの間にかそこに一人の少年が満面の笑みを浮かべて接近していた。
(うーわ……やっぱ来たかぁ)
大きな溜息とともに、沖長はその少年を見つめる。
日光に照らされ眩く輝く銀の髪に、モデルのような顔立ちと珍しいオッドアイ。まるでアニメから出てきたようなイケメン少年がそこにいる。
そうだ。この少年こそ、ナクルと初めて会った時に遭遇し、赤髪少年にぶっ飛ばされて気絶した少年である。
赤髪少年みたいにナクルの家に押しかけたりしなかったが、それでもナクルに執着していることだけは間違いなかった。
その証拠に、入学式の時にナクルを見つけたこの銀髪少年は、自身の周りを取り囲んでいた女子を払いのけ、真っ先にナクルのもとへ向かい口説き始めたのである。
しかもその時の言葉は――。
『やあ、やはりお前はとても可愛いな、ナクル。どうだ、このあと俺の家で一緒に食事でもしないか?』
もう分かると思うが、コイツは間違いなく赤髪少年と同じ転生者だ。
まだ六歳のガキが、こんな流暢に喋ることができるわけがない。しかも口説き文句をだ。
これがドラマに出てくるようなイケメン俳優のセリフなら、少し吐き気を催すものの納得できるが、六歳児のコレはほぼ有り得ない。
つまりやはり転生者の可能性が高い。というより沖長の中では確定しているが。
だから赤髪少年がいないとしても、コイツがいることで何の安心もできなくなったというわけである。
突然ナクルに接近した少年にギョッとしているのは、当然ナクルの両親だ。特に修一郎は険しい顔でハッキリ言って怖い。
「あ、あの……さっきもいきなり話しかけてきたッスけど……」
ナクルは不安そうにそう言葉を述べる。
「ああ、悪い悪い。俺は――金剛寺銀河《こんごうじぎんが》。銀河って呼んでくれ」
ニコッと胡散臭そうに笑みを見せる銀河。周りの女子たちは、そのイケメンスマイルに目がハートになっているが……。
「え……いきなりなれなれしいッスよこの子ぉ……」
どうやらナクルにはまったく効き目はないらしい。
すると怖くなったのか、ナクルが早足で沖長の背中に隠れた。
「オ、オキくぅん……あの子、変なんス」
そんな変なおじさんが出てきたようなセリフを言われても……。誰だ君はと聞いたら、「そうです。私が変なお子さんです」とか言ってくれるのだろうか。
ただ、ナクルがこんな反応をしたということは――。
「――誰だ、お前?」
銀河の鋭い眼差しが沖長へと向けられた。
(ほらね、やっぱこうなるわな)
こうなることは覚悟していたが、何とか穏便に済ませる方法を考える。
あの赤髪少年みたいに問答無用で暴力を振るってこなければいいが。
銀河が沖長を値踏みするように見てくる。どうやらあの時に一度会っていることを覚えていないようだ。
(まあ、あん時は赤髪に殴られてすぐにフェードアウトしたしな)
だから覚えていないのも無理はない。
「お前……ナクルの何だ?」
何と言われたらそれは「友達」だと思うのでそう答えようとすると――。
「オ、オキくんはボクの大事な人ッス!」
公衆の面前でとんでもない爆弾発言をしてくれたのである。
季節は春。まだ朝は少し肌寒かったりするが、それでも優しい温もりとともに、様々な始まりを期待させる時期である。
そして今日、沖長は晴れて小学一年生になり、その隣には自分と同じようにピカピカの一年生になったナクルが立っている。
「ほらほら、二人ともニッコリしてねぇ~」
二人の目の前には、カメラを構えた悠二と葵、そしてナクルの両親である修一郎とユキナも微笑まし気にこちらを見ている。
現在沖長とナクルは、【六葉《ろくよう》小学校】と刻まれた正門の前で仲良く並んで立っていた。ナクルはどこか照れ臭そうだが、表情を見るに少し興奮もしている。何だかんだいっても、この日が楽しみだったことが窺えた。
対して沖長は二度目の小学生ということで、興奮というよりは懐かしいなという思いの方が強い。とはいっても楽しみではないというわけではない。
前世では虚弱体質のためにできなかったことが多かったため、二度目の小学生では存分に身体を動かそうという期待値は高くなっている。
特にいつも見学していた体育や運動会などは今から非常に楽しみだったりする。まあこれから算数や国語とか、ゼロからやり直すのはさすがに苦痛ではあるが。
何度も悠二と修一郎が、自身が持っているカメラのシャッターを切っていると、さすがに沖長は「もういいでしょ」と飽きてしまい勝手に動き出した。当然悠二が悲し気な表情を浮かべるが、もう何十枚も撮っているのだから満足してほしい。
沖長は意気消沈している悠二を放置し、周囲を観察し始めた。
(…………やっぱりいない、よな?)
実はこの日、不安はあった。それは例の赤髪少年が間違いなく絡んでくると思っていたからだ。何せナクルの家はバレているし、この近くに住んでいるなら通う小学校も同じ可能性が高かったから。
故に入学式に絶対に絡んでくると覚悟をしていたのだが……。
(あれから全然姿を見ないし)
公園で吹き飛ばされたあの日から、とんと姿を見せなくなったのである。
こちらが怯えて姿を見せなくなるということはあったかもしれないが、圧倒的に優位な立場だった彼が絡むのを辞めるとは思えない。
しかしあれから一度も姿を見ないのである。
(うーん、実は学区が違うとか? いや、それでもあの執着性だ。ナクルに会いにくると思うけどなぁ)
隣町程度なら問答無用でストーカー行為をしてくるという確信していたのに、何の音沙汰もないから逆に不気味だった。
ナクルは鬱陶しい子供がいなくなったことでホッとしていたようだが、沖長にとっては彼についての背景をある程度推測できているからか完全に安堵してはいない。
とはいっても実際にこの学校にはいないようだし、そこは安心してもいいのかもしれない。
(いや、まだ体調でも崩して欠席してるって可能性もあるか)
だからまだ完全には警戒を解けない。
それにたとえ赤髪少年がいなくても……。
「――やあ、ナクルじゃないか!」
ナクルから少し目を外していたら、いつの間にかそこに一人の少年が満面の笑みを浮かべて接近していた。
(うーわ……やっぱ来たかぁ)
大きな溜息とともに、沖長はその少年を見つめる。
日光に照らされ眩く輝く銀の髪に、モデルのような顔立ちと珍しいオッドアイ。まるでアニメから出てきたようなイケメン少年がそこにいる。
そうだ。この少年こそ、ナクルと初めて会った時に遭遇し、赤髪少年にぶっ飛ばされて気絶した少年である。
赤髪少年みたいにナクルの家に押しかけたりしなかったが、それでもナクルに執着していることだけは間違いなかった。
その証拠に、入学式の時にナクルを見つけたこの銀髪少年は、自身の周りを取り囲んでいた女子を払いのけ、真っ先にナクルのもとへ向かい口説き始めたのである。
しかもその時の言葉は――。
『やあ、やはりお前はとても可愛いな、ナクル。どうだ、このあと俺の家で一緒に食事でもしないか?』
もう分かると思うが、コイツは間違いなく赤髪少年と同じ転生者だ。
まだ六歳のガキが、こんな流暢に喋ることができるわけがない。しかも口説き文句をだ。
これがドラマに出てくるようなイケメン俳優のセリフなら、少し吐き気を催すものの納得できるが、六歳児のコレはほぼ有り得ない。
つまりやはり転生者の可能性が高い。というより沖長の中では確定しているが。
だから赤髪少年がいないとしても、コイツがいることで何の安心もできなくなったというわけである。
突然ナクルに接近した少年にギョッとしているのは、当然ナクルの両親だ。特に修一郎は険しい顔でハッキリ言って怖い。
「あ、あの……さっきもいきなり話しかけてきたッスけど……」
ナクルは不安そうにそう言葉を述べる。
「ああ、悪い悪い。俺は――金剛寺銀河《こんごうじぎんが》。銀河って呼んでくれ」
ニコッと胡散臭そうに笑みを見せる銀河。周りの女子たちは、そのイケメンスマイルに目がハートになっているが……。
「え……いきなりなれなれしいッスよこの子ぉ……」
どうやらナクルにはまったく効き目はないらしい。
すると怖くなったのか、ナクルが早足で沖長の背中に隠れた。
「オ、オキくぅん……あの子、変なんス」
そんな変なおじさんが出てきたようなセリフを言われても……。誰だ君はと聞いたら、「そうです。私が変なお子さんです」とか言ってくれるのだろうか。
ただ、ナクルがこんな反応をしたということは――。
「――誰だ、お前?」
銀河の鋭い眼差しが沖長へと向けられた。
(ほらね、やっぱこうなるわな)
こうなることは覚悟していたが、何とか穏便に済ませる方法を考える。
あの赤髪少年みたいに問答無用で暴力を振るってこなければいいが。
銀河が沖長を値踏みするように見てくる。どうやらあの時に一度会っていることを覚えていないようだ。
(まあ、あん時は赤髪に殴られてすぐにフェードアウトしたしな)
だから覚えていないのも無理はない。
「お前……ナクルの何だ?」
何と言われたらそれは「友達」だと思うのでそう答えようとすると――。
「オ、オキくんはボクの大事な人ッス!」
公衆の面前でとんでもない爆弾発言をしてくれたのである。
557
お気に入りに追加
1,439
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
一人だけ竜が宿っていた説。~異世界召喚されてすぐに逃げました~
十本スイ
ファンタジー
ある日、異世界に召喚された主人公――大森星馬は、自身の中に何かが宿っていることに気づく。驚くことにその正体は神とも呼ばれた竜だった。そのせいか絶大な力を持つことになった星馬は、召喚した者たちに好き勝手に使われるのが嫌で、自由を求めて一人その場から逃げたのである。そうして異世界を満喫しようと、自分に憑依した竜と楽しく会話しつつ旅をする。しかし世の中は乱世を迎えており、星馬も徐々に巻き込まれていくが……。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした
高鉢 健太
ファンタジー
ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。
ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。
もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。
とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
チートをもらえるけど戦国時代に飛ばされるボタン 押す/押さない
兎屋亀吉
ファンタジー
チートはもらえるけど戦国時代に強制トリップしてしまうボタン。そんなボタンが一人の男の元にもたらされた。深夜に。眠気で正常な判断のできない男はそのボタンを押してしまう。かくして、一人の男の戦国サバイバルが始まる。『チートをもらえるけど平安時代に飛ばされるボタン 押す/押さない』始めました。ちなみに、作中のキャラクターの話し方や人称など歴史にそぐわない表現を使う場面が多々あります。フィクションの物語としてご理解ください。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
無能烙印押された貧乏準男爵家三男は、『握手スキル』で成り上がる!~外れスキル?握手スキルこそ、最強のスキルなんです!
飼猫タマ
ファンタジー
貧乏準男爵家の三男トト・カスタネット(妾の子)は、13歳の誕生日に貴族では有り得ない『握手』スキルという、握手すると人の名前が解るだけの、全く使えないスキルを女神様から授かる。
貴族は、攻撃的なスキルを授かるものという頭が固い厳格な父親からは、それ以来、実の息子とは扱われず、自分の本当の母親ではない本妻からは、嫌がらせの井戸掘りばかりさせられる毎日。
だが、しかし、『握手』スキルには、有り得ない秘密があったのだ。
なんと、ただ、人と握手するだけで、付随スキルが無限にゲットできちゃう。
その付随スキルにより、今までトト・カスタネットの事を、無能と見下してた奴らを無意識下にザマーしまくる痛快物語。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~
夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。
しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。
とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。
エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。
スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。
*小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
転生したアラサーオタク女子はチートなPCと通販で異世界でもオタ活します!
ねこ専
ファンタジー
【序盤は説明が多いので進みがゆっくりです】
※プロローグを読むのがめんどくさい人は飛ばしてもらっても大丈夫です。
テンプレ展開でチートをもらって異世界に転生したアラサーオタクOLのリリー。
現代日本と全然違う環境の異世界だからオタ活なんて出来ないと思いきや、神様にもらったチートな「異世界PC」のおかげでオタ活し放題!
日本の商品は通販で買えるし、インターネットでアニメも漫画も見られる…!
彼女は異世界で金髪青目の美少女に生まれ変わり、最高なオタ活を満喫するのであった。
そんなリリーの布教?のかいあって、異世界には日本の商品とオタク文化が広まっていくとかいかないとか…。
※初投稿なので優しい目で見て下さい。
※序盤は説明多めなのでオタ活は後からです。
※誤字脱字の報告大歓迎です。
まったり更新していけたらと思います!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)
葵セナ
ファンタジー
主人公 39歳フリーターが、初めての旅行に行こうと家を出たら何故か森の中?
管理神(神様)のミスで、異世界転移し見知らぬ森の中に…
不思議と持っていた一枚の紙を読み、元の世界に帰る方法を探して、異世界での冒険の始まり。
曖昧で、都合の良い魔法とスキルでを使い、異世界での冒険旅行? いったいどうなる!
ありがちな異世界物語と思いますが、暖かい目で見てやってください。
初めての作品なので誤字 脱字などおかしな所が出て来るかと思いますが、御容赦ください。(気が付けば修正していきます。)
ステータスも何処かで見たことあるような、似たり寄ったりの表示になっているかと思いますがどうか御容赦ください。よろしくお願いします。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
家族に辺境追放された貴族少年、実は天職が《チート魔道具師》で内政無双をしていたら、有能な家臣領民が続々と移住してきて本家を超える国力に急成長
ハーーナ殿下
ファンタジー
貴族五男ライルは魔道具作りが好きな少年だったが、無理解な義理の家族に「攻撃魔法もろくに使えない無能者め!」と辺境に追放されてしまう。ライルは自分の力不足を嘆きつつ、魔物だらけの辺境の開拓に一人で着手する。
しかし家族の誰も知らなかった。実はライルが世界で一人だけの《チート魔道具師》の才能を持ち、規格外な魔道具で今まで領地を密かに繁栄させていたことを。彼の有能さを知る家臣領民は、ライルの領地に移住開始。人の良いライルは「やれやれ、仕方がないですね」と言いながらも内政無双で受け入れ、口コミで領民はどんどん増えて栄えていく。
これは魔道具作りが好きな少年が、亡国の王女やエルフ族長の娘、親を失った子どもたち、多くの困っている人を受け入れ助け、規格外の魔道具で大活躍。一方で追放した無能な本家は衰退していく物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる