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「名前は何するかなぁ…………よし! デッカにしよう!」
デカイからデッカ。単純だけど覚えやすいしね。
「ジィ~ジィ~!」
はは、デッカも気に入ってくれたみたいで良かった。
すると僕の傍にイチがやってくる。
「ピィピィ」
「……ジィ?」
「ピィ、ピィピィピィ」
「! ジィ!」
この愛らしいやり取りは一体何だろうか。思わず顔が緩む。
実はこの【箱庭】でイチがリーダー的な役割を担うことになった。
当初はイチも慕っているムトが、という案もあったが、魔物たちの話し合いで、イチがその任に就くことになったらしい。
ムトは最終兵器というか裏の番長みたいなもんかな。
まあ、ここで産まれた中ではイチが初めてだしね。
それに他の魔物たちもイチならばと了承してくれている。
だからイチは、誕生した魔物たちの指導を率先してやっているというわけだ。
恐らく今は、この【箱庭】での自分の立ち位置などを伝えているのだろう。
すると僕の腕から下りたデッカは、のそのそとムトの前に行きペコリとお辞儀をする。
「ん、こちらこそよろしく」
どうやらイチからこの人だけは敵に回すな的なことを言ったようだ。
産まれてすぐにカースト制度を理解させられるとは……。
「でも良かったよ。これでしばらくは外で一泊するようなことがあっても大丈夫だしね」
デッカが植えた種から産まれた最後の魔物だったから。
次はまたしばらく時間を置いてから新しい魔物を創ることにしよう。
「イチ、じゃあデッカのことを頼んでもいい?」
「ピィ!」
任せてと言わんばかりに声を張ると、その場にいる魔物たちを引き連れてどこかへ去って行く。
きっと【箱庭】を回りながら、いろいろ説明をするつもりだろう。
「ツナギよ、じゃあ今日出掛けるということでよいのか?」
「うん。ちょっと遠出でもして新しい素材もゲットしておきたいしね」
ヤタに対しそう返すと、クイクイッと僕の袖をムトが引っ張る。
「……ムトも行く」
「もちろんいいよ。僕もその方が嬉しい」
正直一人は少し物寂しいしね。
安全面から見ても、ムトが一緒なのは心強い。
「イチたちには、僕が外出することも教えてるし、作物の水やりも伝えてある。何の問題もないと思うよ」
「了解した。しっかりと準備をしてから外に行くように心掛けるのだぞ」
ヤタと別れて、ムトとともに【扉の祠】へと向かう。
すでに冒険の準備は昨日の夜からしておいたし、あとは向こうで臨機応変に対応していくだけだ。
僕は〝ウェスティアゲート〟を開く。
すると以前は【グートン草原】しか選択肢がなかったが、【トットリア】と新しい名前が刻まれていた。
これは一度立ち寄ったことで、そこにもゲートが開けるようになったのである。
実際このシステムも忘れていた記憶の一つだった。
どんな集落でも、一度そこに足を踏み入れれば、〝リターンゲート〟が構築されるのである。
だから以前、わざわざ【箱庭】に帰るために【グートン草原】へと戻ったが、そんなことをする必要もなく、【トットリア】にもゲートは開いていたので、そこから帰還することだってできたのだ。
前に【トットリア】から出た際、何か忘れている気がしたが、このことだということにあとで気づいた。
「ん~じゃあまずは【トットリア】に出て、そこから森や山に入って探索しようかな」
そうして祠に触れながら【トットリア】と口にする。
一瞬にして僕たちの姿は掻き消え、次に目前に現れたのは【農耕の町・トットリア】の外壁だった。
正確にいえば【トットリア】から五十メートルほど離れたところにある岩場である。
まずは【トットリア】に寄って、武器や素材を金に換えておこう。
道中必要になるかもしれないからだ。
町に入ると、顔見知りになった人たちが温かく笑顔を向けてくれる。
こっちも「こんにちわー」と愛想を振り撒きながら、前に世話になった武具屋へと向かった。
すると扉を開く前に、
「――――だーかーらー、言い値を払うから教えてほしいっす!」
てな感じで、店の中から少女の大きな声が響いてきた。
思わずムトと顔を見合わせる。
「……もしかして取り込み中、かな?」
そう思いつつも、ゆっくりと扉を開いて中を覗く。
するとカウンターの奥に座っていた店主が、僕の存在に気づき「助かったぁ」的な表情をしながら「こっちだこっち」と招き入れてくれた。
店の中では、カウンターに身を乗り出して店主に困った顔をさせている一人の少女がいる。
その少女も店主の視線を追うように、僕たちの姿を視界に捉えた。
年の頃は僕よりも少し下くらい、だろうか。
青髪のボブカット。頭部にはピンク色のゴーグルをかけている。
人懐っこいというか、好奇心旺盛そうな目つきをしており、肌が浅黒く日焼けしていて活発そうな印象だ。
それよりもついつい目が行くのは……。
お、おお……この子、何て破壊力のあるお胸様を持ってるんだ……!
恐らくはE……いや、Fはあるんじゃなかろうか?
腹出しルックに、ショートパンツから覗く細い脚もまた魅力的で……。
「むむむ? お兄さんたちは誰っすか?」
件の少女から声がかかり、思わず視線を胸から彼女の顔へと慌てて移す。
デカイからデッカ。単純だけど覚えやすいしね。
「ジィ~ジィ~!」
はは、デッカも気に入ってくれたみたいで良かった。
すると僕の傍にイチがやってくる。
「ピィピィ」
「……ジィ?」
「ピィ、ピィピィピィ」
「! ジィ!」
この愛らしいやり取りは一体何だろうか。思わず顔が緩む。
実はこの【箱庭】でイチがリーダー的な役割を担うことになった。
当初はイチも慕っているムトが、という案もあったが、魔物たちの話し合いで、イチがその任に就くことになったらしい。
ムトは最終兵器というか裏の番長みたいなもんかな。
まあ、ここで産まれた中ではイチが初めてだしね。
それに他の魔物たちもイチならばと了承してくれている。
だからイチは、誕生した魔物たちの指導を率先してやっているというわけだ。
恐らく今は、この【箱庭】での自分の立ち位置などを伝えているのだろう。
すると僕の腕から下りたデッカは、のそのそとムトの前に行きペコリとお辞儀をする。
「ん、こちらこそよろしく」
どうやらイチからこの人だけは敵に回すな的なことを言ったようだ。
産まれてすぐにカースト制度を理解させられるとは……。
「でも良かったよ。これでしばらくは外で一泊するようなことがあっても大丈夫だしね」
デッカが植えた種から産まれた最後の魔物だったから。
次はまたしばらく時間を置いてから新しい魔物を創ることにしよう。
「イチ、じゃあデッカのことを頼んでもいい?」
「ピィ!」
任せてと言わんばかりに声を張ると、その場にいる魔物たちを引き連れてどこかへ去って行く。
きっと【箱庭】を回りながら、いろいろ説明をするつもりだろう。
「ツナギよ、じゃあ今日出掛けるということでよいのか?」
「うん。ちょっと遠出でもして新しい素材もゲットしておきたいしね」
ヤタに対しそう返すと、クイクイッと僕の袖をムトが引っ張る。
「……ムトも行く」
「もちろんいいよ。僕もその方が嬉しい」
正直一人は少し物寂しいしね。
安全面から見ても、ムトが一緒なのは心強い。
「イチたちには、僕が外出することも教えてるし、作物の水やりも伝えてある。何の問題もないと思うよ」
「了解した。しっかりと準備をしてから外に行くように心掛けるのだぞ」
ヤタと別れて、ムトとともに【扉の祠】へと向かう。
すでに冒険の準備は昨日の夜からしておいたし、あとは向こうで臨機応変に対応していくだけだ。
僕は〝ウェスティアゲート〟を開く。
すると以前は【グートン草原】しか選択肢がなかったが、【トットリア】と新しい名前が刻まれていた。
これは一度立ち寄ったことで、そこにもゲートが開けるようになったのである。
実際このシステムも忘れていた記憶の一つだった。
どんな集落でも、一度そこに足を踏み入れれば、〝リターンゲート〟が構築されるのである。
だから以前、わざわざ【箱庭】に帰るために【グートン草原】へと戻ったが、そんなことをする必要もなく、【トットリア】にもゲートは開いていたので、そこから帰還することだってできたのだ。
前に【トットリア】から出た際、何か忘れている気がしたが、このことだということにあとで気づいた。
「ん~じゃあまずは【トットリア】に出て、そこから森や山に入って探索しようかな」
そうして祠に触れながら【トットリア】と口にする。
一瞬にして僕たちの姿は掻き消え、次に目前に現れたのは【農耕の町・トットリア】の外壁だった。
正確にいえば【トットリア】から五十メートルほど離れたところにある岩場である。
まずは【トットリア】に寄って、武器や素材を金に換えておこう。
道中必要になるかもしれないからだ。
町に入ると、顔見知りになった人たちが温かく笑顔を向けてくれる。
こっちも「こんにちわー」と愛想を振り撒きながら、前に世話になった武具屋へと向かった。
すると扉を開く前に、
「――――だーかーらー、言い値を払うから教えてほしいっす!」
てな感じで、店の中から少女の大きな声が響いてきた。
思わずムトと顔を見合わせる。
「……もしかして取り込み中、かな?」
そう思いつつも、ゆっくりと扉を開いて中を覗く。
するとカウンターの奥に座っていた店主が、僕の存在に気づき「助かったぁ」的な表情をしながら「こっちだこっち」と招き入れてくれた。
店の中では、カウンターに身を乗り出して店主に困った顔をさせている一人の少女がいる。
その少女も店主の視線を追うように、僕たちの姿を視界に捉えた。
年の頃は僕よりも少し下くらい、だろうか。
青髪のボブカット。頭部にはピンク色のゴーグルをかけている。
人懐っこいというか、好奇心旺盛そうな目つきをしており、肌が浅黒く日焼けしていて活発そうな印象だ。
それよりもついつい目が行くのは……。
お、おお……この子、何て破壊力のあるお胸様を持ってるんだ……!
恐らくはE……いや、Fはあるんじゃなかろうか?
腹出しルックに、ショートパンツから覗く細い脚もまた魅力的で……。
「むむむ? お兄さんたちは誰っすか?」
件の少女から声がかかり、思わず視線を胸から彼女の顔へと慌てて移す。
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