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この五年で魔力も成長したものの、一日に一個を生成するのが限界だった。これでも最初の頃は数日かけてようやく一個というのが普通だったのだ。
今でも無理をすれば一日で二個くらいなら生成できるが、二個目を創ればすぐに身体が動かなくなってしまうくらい疲弊してしまう。
だからこそ危機的状況のみに使用することをシンカも認めていた。
また《ニホン人の書》を粗方読破したことで、《原初魔法》についても知識を得たし、自分の《嘘言魔法》がどのようなものなのかも記述があり理解することができたのである。
魔法を使うことに対し、いろいろ制約があることも分かっていた。
たとえ現実を覆すことができる代物であっても、死んだ者を蘇らせることはできない。また〝嘘玉〟は、対象に触れなければ効果を発揮できないし、単体でのみ使用できる。
使用できるのは当然シンカのみ。
ただもっとシンカ自身が成長することによって、そういった制約も緩和することができるということも分かっている。
この能力は生き抜く上で最強の切り札になってくれることからも、シンカはもっと自由に、たくさんの〝嘘玉〟を創れるように日々精進してきた。
身体も毎日鍛えているし、魔力のコントロール修行だって怠っていない。ただそれでもこれほどの能力だ。なかなか都合の良いようにサクッとは成長してはくれない。
やはり地道に経験を積み重ねていくしかないのだろう。
ちなみに一応《二次魔法》も使える。魔法の得意なダンとガンに教えてもらった。
ただどちらかというと、自分には接近戦が向いているようだ。シンカも剣の扱いの方が楽しいと思えたので、魔法よりも剣術をジュダと一緒に鍛錬する時間の方が多い。
「うし、それじゃブラックウルフを解体するぞ!」
「うひょー! 今日は久しぶりのお肉祭りじゃ~!」
「腹一杯食うぞぉ~!」
この塔に棲息するモンスターは他種に渡るが、人が食材にできるのはなかなか討伐のチャンスが巡ってはこない。何故なら他の連中だって狙っているからだ。
今回も危険を冒してそこそこ上の階層へ出向いたからこそ、ありつけた結果といえる。
それにもう一つ問題も――ある。
「ちょっと待ちな、坊主ども」
背後から聞こえた声に、シンカは「やっぱり嗅ぎつけたか」と小さく呟く。
振り向くと、そこにはシンカたちとは違い体格も良い大人の集団が立っていた。
「坊主どもには、過ぎた肉だ。寄越せ」
「大人しく渡せば命は助けてやるよ」
「ハハハ、そういうこと。痛い目見たくねえなら寄越しな」
こういう輩が蠢いているから、下の者たちはひもじい思いをする。
せっかく獲得した食材も、ハイエナのように忍び寄ってくる大人たちによって搾取されてしまうのだ。
「ざけんなよっ! こいつは俺たちが仕留めたもんだぞ!」
当然ジュダは歯向かう。ダンとガンも大人の人数に、若干気圧されている感じではあるが引かないとった態度を見せている。
「へぇ、じゃあ何? ……死ぬか?」
殺意の言葉を浴びせかけられ、ジュダたちの額から汗が流れ出す。
大人たちだって、この死が当然のようにありふれている場所を生き抜いてきているのだ。生半可な実力ではないことは熟知している。
それに数が数だ。こちらは四人で、相手は六人ほどいる。魔法だって使えるだろうし、武器だって携帯しているのだ。
戦えばただでは済まないことは明白。
(……〝嘘玉〟は残り一個ある。さて、どうしようか)
そう考えていると、大人たちの言動に苛立ったダンが一歩前に出る。
「お前ら大人はいつも勝手だ! 俺たちだって真剣に生きてんだよ! 邪魔すんなよ!」
加えて彼の隣にガンも立って大人たちを睨みつける。
このままでは戦闘が起きるのは間違いない。
しかしそこへ、ジュダが皆の前に立ち、驚くことに武器を収めた。
「……分かった。ただしコイツらには指一本触れないでくれ」
「ちょ、ジュダ!?」
「何言ってんだよ! みすみす渡すつもりなの!」
当然苦労して手に入れた肉を奪われることに納得していない様子のブラザーズ。
だがジュダの悔しげに歯を食いしばる姿を見て、二人もまた言葉を失う。
ジュダにとって一番大事なのは仲間だ。もし争えば大怪我では済まないかもしれない。最悪死人が出る。それでたとえ肉を奪い返せても、それはジュダの敗北でしかない。
彼はシンカたちのことを家族だと言っているし、リーダーとして守る選択を放棄することはできないのだ。
「……頼むよ」
「おう、いいぜ。こっちだって楽してえしな」
大人たちもあっさり了承した。
「悪いな、お前ら」
胸のすくような言葉を絞り出すジュダに、ブラザーズも何も言えずただ黙ってしまった。
だがその中、ただ一人黙っていないのはシンカである。
「あーちょっといいかな」
「あ? 何だてめえ」
ジュダが「お、おいシンカ?」と口にするが、シンカは目線で黙っていろと言うと、ジュダよりも前に出る。
「もし良かったら、右足一本でもいいから欲しいんだ。こっちはそれでいい。それで飢えを凌げるから」
「ああ? 何言ってんだてめえ」
「そっちは右足以外の肉を楽して手にできるんだ。それくらい譲歩してくれてもバチは当たんないと思うけど?」
シンカの提案に、背後の三人は気が気でない様子だ。
しかし、大人たちが顔を突き合わせて相談し始めたので、これは脈ありだとシンカは判断した。
「…………まあ、それくらいならいいだろ。さっさと右足一本取って消えろや」
「ああ、感謝するよ」
無機質な表情でそう言うと、シンカは後ろ腰に携帯している短剣を抜いてブラックウルフの右足に刃を入れていく。
そのままチラリと大人たちを見ながら、隙を見て懐から〝嘘玉〟を取り出し、
「――――…………」
バレないように発動させた。
右足を切り取ったあと、ジュダに近づき「行こう」と伝えて、足早に四人でその場を去る。
背後から大人たちの喜々とした声が響く。
「……ジュダ、ごめんね。勝手なことをした」
「いいや、お前のお蔭で右足だけでも手に入れることができたしな。サンキュ」
「そうそう、お手柄だってばシンカ!」
「ハラハラドキドキしたけどさ!」
三人に怒りはシンカに対して怒りはないようだ。まあ、ゼロと思われた収穫が少しでも数字を刻んだのだから、三人にとっても僥倖だったのだろう。
「あ~あ、けどさぁ、せっかくの肉が~」
「そう言うなよダン、みんな悔しいんだしね」
ガンの言う通り、あれほどの獲物をすべて手にできなかったのは悔しいし、大人たちが憎い。
だが……。
「安心しなよ。ちゃんと報復はしておいたから」
そんなシンカの言葉に、三人が足を止めて顔を見つめてくる。
するとジュダが感づいたように「ま、まさかお前……!」と言うので、シンカはニヤリと笑みを浮かべて、
「うん、右足を切断してる時に、残り一個だった〝嘘玉〟を使ったよ。もったいないって思ったけど、さすがにムカついたしね」
と言うと、もちろんジュダがどう使ったのか説明を求めてくる。
「なぁに、肉質を毒化しただけ。ざまあみろ、だね」
「ど、毒って……!」
「「うわぁ……」」
三人はあんぐりと口を開いたまま固まってしまっている。
あの時、ブラックウルフが毒に侵されていない現実を嘘と化しておいたのだ。
「運が悪ければ死にはしないけど、それでも後遺症くらいは残るかもね」
敵には一切の容赦がないシンカの行為を見て、ジュダたちは絶対にシンカを敵に回したくないと呟いていた。
今でも無理をすれば一日で二個くらいなら生成できるが、二個目を創ればすぐに身体が動かなくなってしまうくらい疲弊してしまう。
だからこそ危機的状況のみに使用することをシンカも認めていた。
また《ニホン人の書》を粗方読破したことで、《原初魔法》についても知識を得たし、自分の《嘘言魔法》がどのようなものなのかも記述があり理解することができたのである。
魔法を使うことに対し、いろいろ制約があることも分かっていた。
たとえ現実を覆すことができる代物であっても、死んだ者を蘇らせることはできない。また〝嘘玉〟は、対象に触れなければ効果を発揮できないし、単体でのみ使用できる。
使用できるのは当然シンカのみ。
ただもっとシンカ自身が成長することによって、そういった制約も緩和することができるということも分かっている。
この能力は生き抜く上で最強の切り札になってくれることからも、シンカはもっと自由に、たくさんの〝嘘玉〟を創れるように日々精進してきた。
身体も毎日鍛えているし、魔力のコントロール修行だって怠っていない。ただそれでもこれほどの能力だ。なかなか都合の良いようにサクッとは成長してはくれない。
やはり地道に経験を積み重ねていくしかないのだろう。
ちなみに一応《二次魔法》も使える。魔法の得意なダンとガンに教えてもらった。
ただどちらかというと、自分には接近戦が向いているようだ。シンカも剣の扱いの方が楽しいと思えたので、魔法よりも剣術をジュダと一緒に鍛錬する時間の方が多い。
「うし、それじゃブラックウルフを解体するぞ!」
「うひょー! 今日は久しぶりのお肉祭りじゃ~!」
「腹一杯食うぞぉ~!」
この塔に棲息するモンスターは他種に渡るが、人が食材にできるのはなかなか討伐のチャンスが巡ってはこない。何故なら他の連中だって狙っているからだ。
今回も危険を冒してそこそこ上の階層へ出向いたからこそ、ありつけた結果といえる。
それにもう一つ問題も――ある。
「ちょっと待ちな、坊主ども」
背後から聞こえた声に、シンカは「やっぱり嗅ぎつけたか」と小さく呟く。
振り向くと、そこにはシンカたちとは違い体格も良い大人の集団が立っていた。
「坊主どもには、過ぎた肉だ。寄越せ」
「大人しく渡せば命は助けてやるよ」
「ハハハ、そういうこと。痛い目見たくねえなら寄越しな」
こういう輩が蠢いているから、下の者たちはひもじい思いをする。
せっかく獲得した食材も、ハイエナのように忍び寄ってくる大人たちによって搾取されてしまうのだ。
「ざけんなよっ! こいつは俺たちが仕留めたもんだぞ!」
当然ジュダは歯向かう。ダンとガンも大人の人数に、若干気圧されている感じではあるが引かないとった態度を見せている。
「へぇ、じゃあ何? ……死ぬか?」
殺意の言葉を浴びせかけられ、ジュダたちの額から汗が流れ出す。
大人たちだって、この死が当然のようにありふれている場所を生き抜いてきているのだ。生半可な実力ではないことは熟知している。
それに数が数だ。こちらは四人で、相手は六人ほどいる。魔法だって使えるだろうし、武器だって携帯しているのだ。
戦えばただでは済まないことは明白。
(……〝嘘玉〟は残り一個ある。さて、どうしようか)
そう考えていると、大人たちの言動に苛立ったダンが一歩前に出る。
「お前ら大人はいつも勝手だ! 俺たちだって真剣に生きてんだよ! 邪魔すんなよ!」
加えて彼の隣にガンも立って大人たちを睨みつける。
このままでは戦闘が起きるのは間違いない。
しかしそこへ、ジュダが皆の前に立ち、驚くことに武器を収めた。
「……分かった。ただしコイツらには指一本触れないでくれ」
「ちょ、ジュダ!?」
「何言ってんだよ! みすみす渡すつもりなの!」
当然苦労して手に入れた肉を奪われることに納得していない様子のブラザーズ。
だがジュダの悔しげに歯を食いしばる姿を見て、二人もまた言葉を失う。
ジュダにとって一番大事なのは仲間だ。もし争えば大怪我では済まないかもしれない。最悪死人が出る。それでたとえ肉を奪い返せても、それはジュダの敗北でしかない。
彼はシンカたちのことを家族だと言っているし、リーダーとして守る選択を放棄することはできないのだ。
「……頼むよ」
「おう、いいぜ。こっちだって楽してえしな」
大人たちもあっさり了承した。
「悪いな、お前ら」
胸のすくような言葉を絞り出すジュダに、ブラザーズも何も言えずただ黙ってしまった。
だがその中、ただ一人黙っていないのはシンカである。
「あーちょっといいかな」
「あ? 何だてめえ」
ジュダが「お、おいシンカ?」と口にするが、シンカは目線で黙っていろと言うと、ジュダよりも前に出る。
「もし良かったら、右足一本でもいいから欲しいんだ。こっちはそれでいい。それで飢えを凌げるから」
「ああ? 何言ってんだてめえ」
「そっちは右足以外の肉を楽して手にできるんだ。それくらい譲歩してくれてもバチは当たんないと思うけど?」
シンカの提案に、背後の三人は気が気でない様子だ。
しかし、大人たちが顔を突き合わせて相談し始めたので、これは脈ありだとシンカは判断した。
「…………まあ、それくらいならいいだろ。さっさと右足一本取って消えろや」
「ああ、感謝するよ」
無機質な表情でそう言うと、シンカは後ろ腰に携帯している短剣を抜いてブラックウルフの右足に刃を入れていく。
そのままチラリと大人たちを見ながら、隙を見て懐から〝嘘玉〟を取り出し、
「――――…………」
バレないように発動させた。
右足を切り取ったあと、ジュダに近づき「行こう」と伝えて、足早に四人でその場を去る。
背後から大人たちの喜々とした声が響く。
「……ジュダ、ごめんね。勝手なことをした」
「いいや、お前のお蔭で右足だけでも手に入れることができたしな。サンキュ」
「そうそう、お手柄だってばシンカ!」
「ハラハラドキドキしたけどさ!」
三人に怒りはシンカに対して怒りはないようだ。まあ、ゼロと思われた収穫が少しでも数字を刻んだのだから、三人にとっても僥倖だったのだろう。
「あ~あ、けどさぁ、せっかくの肉が~」
「そう言うなよダン、みんな悔しいんだしね」
ガンの言う通り、あれほどの獲物をすべて手にできなかったのは悔しいし、大人たちが憎い。
だが……。
「安心しなよ。ちゃんと報復はしておいたから」
そんなシンカの言葉に、三人が足を止めて顔を見つめてくる。
するとジュダが感づいたように「ま、まさかお前……!」と言うので、シンカはニヤリと笑みを浮かべて、
「うん、右足を切断してる時に、残り一個だった〝嘘玉〟を使ったよ。もったいないって思ったけど、さすがにムカついたしね」
と言うと、もちろんジュダがどう使ったのか説明を求めてくる。
「なぁに、肉質を毒化しただけ。ざまあみろ、だね」
「ど、毒って……!」
「「うわぁ……」」
三人はあんぐりと口を開いたまま固まってしまっている。
あの時、ブラックウルフが毒に侵されていない現実を嘘と化しておいたのだ。
「運が悪ければ死にはしないけど、それでも後遺症くらいは残るかもね」
敵には一切の容赦がないシンカの行為を見て、ジュダたちは絶対にシンカを敵に回したくないと呟いていた。
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