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自国【コスモス聖王国】へと帰国するための道程を歩んでいた私――メルヴィスは、昼間のことを思い出しながら、近くにあるという村に向かっていた。
「ふふ、それにしても、イックウ殿も子供っぽいところがあったのだな」
思い出すのは、『ピコット族』の集落での出来事だ。まさか子供相手に、本気で駆けっこ勝負などするとは思わなかった。
彼は手を抜く方が相手に失礼だと言っていたが、それはある程度成熟した相手に対して行うべきことなのでは? とも思う。
まだ幼い子供相手なのだから、少しくらい花をもたせてやっても良かったのではないだろうか。
「いや、それがイックウ殿なのであろう。何事も引き受けた以上は真剣に、か」
だからこそ好感が持てる。
その規格からド外れした力を持つ存在。普通ならその力に胡坐をかいて、傲慢にでもなりそうだが、彼は必要以上に力をひけらかしたりなどしていない。
彼が力を見せるのは、いつも必要な場面だけ。あれだけの力、本来なら名誉や地位を求めて揮う者がほとんどだろう。
しかし彼は旅館を開くことを夢としている。その夢には、あれほどの力など必要ではないはず。一体何を思って、自身をあれだけ鍛えたのか、興味が尽きない。
まさに謎分子でできた人物のようだ。
「ふふ、次に会った時、修業がてら、私にもご指南して頂こうかな」
次に会えるのは一週間後だろう。それまで赤ローブの情報を集めておく必要がある。
「…………ん?」
不意に強い魔力を感じた。それは左に存在する海辺の方。
「……モンスターでも出たか? いや……まさか!」
これほどの魔力を持つ存在なら、もしかしたら例の赤ローブが召喚したモンスターである可能性が高いと思った。
慌てて駆けつけてみると――。
「こ、これは――っ!?」
そこにいたのは、巨大な亀のようなモンスターだ。鋭いトゲ付き甲羅を背負い、尻尾が二又に別れている奇妙な亀。相手を射殺さんばかりの視線は、見る者を震え上がらせるほどの威圧感を備えていた。
さらに私の目を釘付けにしたのは、その傍にいた存在。
「き、貴様は……っ!?」
間違いなく、そこにいるのは【アビッソの穴】で邂逅した赤ローブだった。思わず私は笑みを浮かべる。
「やはり貴様が犯人か。ならばここで捕らえてやろう! 聞けぇ! 私は【コスモス聖王国】に仕える――」
「――黙れ」
名乗りを上げようとした時、赤ローブから低い男性の声が聞こえ、刹那――巨大亀が大きな口を開き、カメレオンのように長い舌を伸ばして、あっという間に私の身体を拘束した。
「ぐっ……し、しまったっ!?」
電光石火な舌の動きに、まったく反応することができなかった。
そ、そうか……! コイツもまたSSランク以上のモンスター……っ!
今の舌の動きだけで、明らかに格上だということは理解した。
赤ローブは、私には目もくれず、海辺をキョロキョロとし始める。
「……ここでもないか」
その言葉は、やはり『ピコット族』の集落近くに現れた赤ローブが、奴であることを証明した。
「お、おい貴様! 一体何のためにこのようなことをしている!」
「…………」
「聞いているのか! 皆が迷惑しているのだ! 独りよがりな行動などすぐやめろっ!」
「…………」
「何とか言ったらどうなのだっ!」
直後、大きな溜め息が聞こえた。無論したのは赤ローブだ。
ゆっくりと赤ローブが私に近づいてくる。身長はイックウ殿よりも少し高い。私を見下ろしてくる。フードの中で光る鋭い眼差しに、思わず息を呑む。
つ、冷たい……、何と冷たく残酷な目をしているのだ……っ!?
まるで自分以外の存在をゴミと認識しているような、そんな昏い瞳。
「……メルヴィス・オートリア」
「っ!?」
「たかが52レベルでよくほざく」
「ちょ……ちょっと待てっ! な、何故私の名前を! い、いやそれよりもレベルまで……?」
「ほう、《鑑定士》の能力も知らないとは、知識レベルも低い。哀れだな」
その物言いにカチンとくる。
「うっ……おぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」
全身の力をフルに発揮して、少しずつ腕を広げていく。隙間ができた瞬間に跳び上がり、拘束から抜け出すことに成功した。
すかさず槍を構えて赤ローブに照準を当てる。しかし相手は静かに佇んだまま。
「警告しておく! 大人しく捕縛されないというのであれば、少々痛い目を見てもらうことになるぞ!」
「…………弱者が喚くな」
「な、何だと!」
「お前程度がオレを捕まえる? 痛い目を見させる? ……驕るなよ、小娘が」
「くっ! ならば早々に後悔させてやろうっ!」
私は大地を蹴り出し、赤ローブの懐へと跳び込む。意外にもすんなり入れたことに驚くが、そのまま槍の先端を、彼の右肩当たりに放つ。
「――やるなら心臓を狙え、こんなふうにな」
確かに聞こえた言葉。それと同時に胸に激痛と衝撃が走り、気が付いたら空に浮かんでいた。
そのまま砂場に俯せになりながら落下する。
「っ……あっぐっ!」
胸がすさまじく痛い。顔を上げて確認してみると、自分があの一瞬で何か一撃を受けたのは間違いなかった。そしてそれが……蹴りだということも。
たった一撃で、全身の骨が砕かれたような衝撃を受けた。身体が麻痺しているのか、ピクリとも動かせない。
「お前のような小虫程度、そこで這いつくばっているのが似合いだ」
「ぐ……っ、舐め……るな……っ」
必死で立ち上がろうとするが、やはり全身に力が入らない。
「本来ならお前程度、放置しておくか、僕に始末を任せるんだがな」
「……あ、あの時のように……か?」
「? ……何を言っている?」
赤ローブの声音が、心底疑問を含んでいた。
(ま、まさか……っ!)
信じられないことだが、もしかすると……。
「憶えて……いないのか……!」
「だから先程から何を言っている? オレが虫けらを憶えるわけがないだろうが」
「っ!?」
胸の奥から熱いものが込み上げてくる。確かに【アビッソの穴】で会った。間違いなく、あの時の赤ローブは目の前にいるコイツだ。それは本能で分かる。
それなのに憶えていないという……。
(そうか……コイツにとって私は、その程度の存在価値しかなかったということか)
もしかしたらイックウ殿のことは憶えているのかもしれない。いや、一目見てイックウ殿が強者だと判断したからこそ、ボルケーノドラゴンなどという恐ろしいモンスターを召喚したのだろう。彼を足止め、もしくは殺すために。
「――さて、ちょうどいい。この力はまだ制御できていないが、練習がてら使ってみるのも一興かもな」
赤ローブの殺気を含んだ冷たい声が全身に突き刺さるようだ。何をするつもりなのか……。
無意識にこれから起こることを感じ取っているのか、身体が自然に震え出す。
「――――我にできぬことなど存在しない。開眼せよ―――《傲慢の瞳》」
赤ローブの両眼から血のように真っ赤な涙が流れ出たと思ったら、その血が即座に霧状にどんどん蒸発していく。赤い霧となった涙は周囲を覆い、やがて私の身体の中へと侵入してくる。
刹那、血液が沸騰しているかのような熱を感じた。
「ぐっあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
自分でも初めて出したような苦悶の声が響く。身体の中を何かが這いずり回り、少しずつ自分という存在が削り取られていくかのようだ。
頭に浮かぶのは、今まで蓄えてきた知識や経験。つまりは記憶。それらが次々とガラスのように砕け散っていく。
そして次にはある少年の後ろ姿。自分を守ってくれた存在。
「……イックウ……ど……のぉ…………っ!?」
徐々に真っ白になっていく視界。自分が失われていく感覚に凄まじい恐怖を覚える。
だが抵抗しようにも無残にも身体の中が弄られていく。
(私は……死ぬ……の……か……っ)
強烈な死の予感が心を支配していき、最後にまた彼の顔が思い浮かぶ。
「……イックウ……ど……の……っ」
―――もう一度、会いたかった――……。
だがその時、意識が途切れる寸前に、確かに聞こえた。
「―――やっほぉぉぉぉぉっ!」
場違いなほど明るい声とともに、私の前に何者かが降り立ったのだ。
「ふふ、それにしても、イックウ殿も子供っぽいところがあったのだな」
思い出すのは、『ピコット族』の集落での出来事だ。まさか子供相手に、本気で駆けっこ勝負などするとは思わなかった。
彼は手を抜く方が相手に失礼だと言っていたが、それはある程度成熟した相手に対して行うべきことなのでは? とも思う。
まだ幼い子供相手なのだから、少しくらい花をもたせてやっても良かったのではないだろうか。
「いや、それがイックウ殿なのであろう。何事も引き受けた以上は真剣に、か」
だからこそ好感が持てる。
その規格からド外れした力を持つ存在。普通ならその力に胡坐をかいて、傲慢にでもなりそうだが、彼は必要以上に力をひけらかしたりなどしていない。
彼が力を見せるのは、いつも必要な場面だけ。あれだけの力、本来なら名誉や地位を求めて揮う者がほとんどだろう。
しかし彼は旅館を開くことを夢としている。その夢には、あれほどの力など必要ではないはず。一体何を思って、自身をあれだけ鍛えたのか、興味が尽きない。
まさに謎分子でできた人物のようだ。
「ふふ、次に会った時、修業がてら、私にもご指南して頂こうかな」
次に会えるのは一週間後だろう。それまで赤ローブの情報を集めておく必要がある。
「…………ん?」
不意に強い魔力を感じた。それは左に存在する海辺の方。
「……モンスターでも出たか? いや……まさか!」
これほどの魔力を持つ存在なら、もしかしたら例の赤ローブが召喚したモンスターである可能性が高いと思った。
慌てて駆けつけてみると――。
「こ、これは――っ!?」
そこにいたのは、巨大な亀のようなモンスターだ。鋭いトゲ付き甲羅を背負い、尻尾が二又に別れている奇妙な亀。相手を射殺さんばかりの視線は、見る者を震え上がらせるほどの威圧感を備えていた。
さらに私の目を釘付けにしたのは、その傍にいた存在。
「き、貴様は……っ!?」
間違いなく、そこにいるのは【アビッソの穴】で邂逅した赤ローブだった。思わず私は笑みを浮かべる。
「やはり貴様が犯人か。ならばここで捕らえてやろう! 聞けぇ! 私は【コスモス聖王国】に仕える――」
「――黙れ」
名乗りを上げようとした時、赤ローブから低い男性の声が聞こえ、刹那――巨大亀が大きな口を開き、カメレオンのように長い舌を伸ばして、あっという間に私の身体を拘束した。
「ぐっ……し、しまったっ!?」
電光石火な舌の動きに、まったく反応することができなかった。
そ、そうか……! コイツもまたSSランク以上のモンスター……っ!
今の舌の動きだけで、明らかに格上だということは理解した。
赤ローブは、私には目もくれず、海辺をキョロキョロとし始める。
「……ここでもないか」
その言葉は、やはり『ピコット族』の集落近くに現れた赤ローブが、奴であることを証明した。
「お、おい貴様! 一体何のためにこのようなことをしている!」
「…………」
「聞いているのか! 皆が迷惑しているのだ! 独りよがりな行動などすぐやめろっ!」
「…………」
「何とか言ったらどうなのだっ!」
直後、大きな溜め息が聞こえた。無論したのは赤ローブだ。
ゆっくりと赤ローブが私に近づいてくる。身長はイックウ殿よりも少し高い。私を見下ろしてくる。フードの中で光る鋭い眼差しに、思わず息を呑む。
つ、冷たい……、何と冷たく残酷な目をしているのだ……っ!?
まるで自分以外の存在をゴミと認識しているような、そんな昏い瞳。
「……メルヴィス・オートリア」
「っ!?」
「たかが52レベルでよくほざく」
「ちょ……ちょっと待てっ! な、何故私の名前を! い、いやそれよりもレベルまで……?」
「ほう、《鑑定士》の能力も知らないとは、知識レベルも低い。哀れだな」
その物言いにカチンとくる。
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全身の力をフルに発揮して、少しずつ腕を広げていく。隙間ができた瞬間に跳び上がり、拘束から抜け出すことに成功した。
すかさず槍を構えて赤ローブに照準を当てる。しかし相手は静かに佇んだまま。
「警告しておく! 大人しく捕縛されないというのであれば、少々痛い目を見てもらうことになるぞ!」
「…………弱者が喚くな」
「な、何だと!」
「お前程度がオレを捕まえる? 痛い目を見させる? ……驕るなよ、小娘が」
「くっ! ならば早々に後悔させてやろうっ!」
私は大地を蹴り出し、赤ローブの懐へと跳び込む。意外にもすんなり入れたことに驚くが、そのまま槍の先端を、彼の右肩当たりに放つ。
「――やるなら心臓を狙え、こんなふうにな」
確かに聞こえた言葉。それと同時に胸に激痛と衝撃が走り、気が付いたら空に浮かんでいた。
そのまま砂場に俯せになりながら落下する。
「っ……あっぐっ!」
胸がすさまじく痛い。顔を上げて確認してみると、自分があの一瞬で何か一撃を受けたのは間違いなかった。そしてそれが……蹴りだということも。
たった一撃で、全身の骨が砕かれたような衝撃を受けた。身体が麻痺しているのか、ピクリとも動かせない。
「お前のような小虫程度、そこで這いつくばっているのが似合いだ」
「ぐ……っ、舐め……るな……っ」
必死で立ち上がろうとするが、やはり全身に力が入らない。
「本来ならお前程度、放置しておくか、僕に始末を任せるんだがな」
「……あ、あの時のように……か?」
「? ……何を言っている?」
赤ローブの声音が、心底疑問を含んでいた。
(ま、まさか……っ!)
信じられないことだが、もしかすると……。
「憶えて……いないのか……!」
「だから先程から何を言っている? オレが虫けらを憶えるわけがないだろうが」
「っ!?」
胸の奥から熱いものが込み上げてくる。確かに【アビッソの穴】で会った。間違いなく、あの時の赤ローブは目の前にいるコイツだ。それは本能で分かる。
それなのに憶えていないという……。
(そうか……コイツにとって私は、その程度の存在価値しかなかったということか)
もしかしたらイックウ殿のことは憶えているのかもしれない。いや、一目見てイックウ殿が強者だと判断したからこそ、ボルケーノドラゴンなどという恐ろしいモンスターを召喚したのだろう。彼を足止め、もしくは殺すために。
「――さて、ちょうどいい。この力はまだ制御できていないが、練習がてら使ってみるのも一興かもな」
赤ローブの殺気を含んだ冷たい声が全身に突き刺さるようだ。何をするつもりなのか……。
無意識にこれから起こることを感じ取っているのか、身体が自然に震え出す。
「――――我にできぬことなど存在しない。開眼せよ―――《傲慢の瞳》」
赤ローブの両眼から血のように真っ赤な涙が流れ出たと思ったら、その血が即座に霧状にどんどん蒸発していく。赤い霧となった涙は周囲を覆い、やがて私の身体の中へと侵入してくる。
刹那、血液が沸騰しているかのような熱を感じた。
「ぐっあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
自分でも初めて出したような苦悶の声が響く。身体の中を何かが這いずり回り、少しずつ自分という存在が削り取られていくかのようだ。
頭に浮かぶのは、今まで蓄えてきた知識や経験。つまりは記憶。それらが次々とガラスのように砕け散っていく。
そして次にはある少年の後ろ姿。自分を守ってくれた存在。
「……イックウ……ど……のぉ…………っ!?」
徐々に真っ白になっていく視界。自分が失われていく感覚に凄まじい恐怖を覚える。
だが抵抗しようにも無残にも身体の中が弄られていく。
(私は……死ぬ……の……か……っ)
強烈な死の予感が心を支配していき、最後にまた彼の顔が思い浮かぶ。
「……イックウ……ど……の……っ」
―――もう一度、会いたかった――……。
だがその時、意識が途切れる寸前に、確かに聞こえた。
「―――やっほぉぉぉぉぉっ!」
場違いなほど明るい声とともに、私の前に何者かが降り立ったのだ。
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