40 / 50
第三十九話 異種事案対策理事会
しおりを挟む
「教えてやるぞガキどもぉ! これは私の特性を持った《妖気球》! 触れただけで一瞬にして精気を吸い尽くす! 三人もろとも、私の糧になりやがれぇぇぇっ!」
リリーが《妖気球》とやらを放ってきた。
ここから見れば、まさに隕石が落下してきたようだ。
俺はソラネと顔を見合わせ互いに頷く。
「《火俱夜》、これで最後にするわ! 踏ん張りなさい! 最大跳躍っ!」
全力を込めて、リリーに向かって……いや、《妖気球》に向かって跳ぶ《火俱夜》。
「クハハハハ! バカめっ! そのままミイラにしてやるわっ!」
勝利を確信しているかのようなリリーの表情。
それが歪んだのは、そのあとすぐのことだった。
「すべてを呑み込め――――《ブラックゲート》」
《妖気球》の目前、空間が歪み螺旋を描きながら漆黒へと色づく。
その中心から生まれる強烈な引力によって、《妖気球》が有無を言わさず呑み込まれていく。
それはまさしくブラックホールそのもの。
あれほどまでに強力な霊気を帯びていた巨大な球体は、一瞬にして黒い扉へと吸い込まれて消失してしまった。
「バ、バカなぁぁぁっ!?」
愕然と声を上げるリリーは、大きく口を開けながら固まってしまっていた。
《ブラックゲート》が閉じ、その奥から《火俱夜》がリリーへと迫って来る。
このままではマズイと思ったのか、リリーがその場から逃げようとしたその時、何か細いものが飛来し、彼女の翼に突き刺さった。
直後、リリーが痛みに顔を歪めたような表情をしたのを俺は見逃さなかった。
! 今のは……!?
ただ確かめるには時間がない。
痛みによって身動きを止めたリリーに、《火俱夜》が辿り着く。
「《火俱夜》――《回天連舞》!」
両手に携えた扇を構え、《火俱夜》が身体を回転しながら次々と攻撃を振り出していく。
リリーは防御する暇もなく、全身を凄まじい速度で殴打され、徐々に体力の限界がやってくる。
先程の《妖気球》も、彼女の奥の手だったのだろう。今の彼女に残っている霊気もまた少ない。
「最後よっ、《火俱夜》!」
二つの扇をピタリと合わせると、巨大な一つの鉄扇へと姿を変え、折り畳んだ扇を振り被る。
「ま、待って……お願……っ」
すでにボロボロのリリーが懇願するが――。
「――フィニッシュッ!」
問答無用の一撃をソラネの指示で《火俱夜》が放ち、リリーはそのまま地上へと落下した。
そして俺のしっぺとは違い、今度は地上にぐったりと倒れたままリリーは動かなくなったのである。
うん、見事だ、ソラネ。
「っ…………よしっ!」
ソラネもまた、相手を倒せたことにガッツポーズを見せた。
俺はしおんとともに喜び合う二人を残し、一人でリリーのもとへと向かう。
意識を失い倒れているリリーの翼に刺さっているものを目視すると、それを右手で取る。
「……針?」
だがその針は、普通のものではなく、俺が手に取ったあと光の粒子となって消えた。
「どうかしたの、ヒロ!」
「ろっくん、その人、近づいても大丈夫?」
二人が背後から駆け寄ってきた。
「何でもねえよ。それにしおん、気絶してるから大丈夫だ。何か拘束でもしといた方が良いんじゃねえの?」
――――――それには及びません。
直後、三人の背後から声が聞こえた。
しおんとソラネは驚いて振り返っているが、俺は最初から気づいていたので驚きはない。
そこに立っていたのは黒スーツで身を固めた三人の人物だった。
こんな夜なのにサングラスまでして、まるでSPのような風貌である。
「あ、そのバッジは……!? じゃあこの人たち……!」
ソラネはコイツらが何者なのか気づいたようだ。どうやらコイツらの服につけられた巴紋を象ったバッジを見て判断したみたいだが、俺にはサッパリである。
するとその真ん中に立っていたポニーテールの女性が、懐から警察手帳のようなものを取り出して、俺たちに見せつけてきた。
「私たちは『異種事案対策理事会』の者です」
「ああ、やっぱり」
ソラネが納得気に頷いたということは、あのバッジが『理事会』を示すものだったのだろう。
手帳には、『異種事案対策理事会・執行部 暮内燈子』と書かれていた。
「ど、どうして『理事会』の人たちが?」
そうソラネが尋ねると、暮内さんが無表情のまま答える。
「対象――純血種サキュバスを引き取りに来ました」
「引き取り……に?」
「はい。元々そちらの対象の処置を依頼したのは我々ですので。ご安心ください。此度の件については、然るべき対応をさせて頂きますので」
サッと暮内さんが手を上げると、残りの二人が速やかに動いてリリーを回収すると、近くに停車していた車へと運んでいく。
「あ、あの、リリーさんはどうなるんですか?」
不安そうにしおんが尋ねると、暮内さんは淡々と気になることを口にする。
「それは知る必要のないことです」
「!? ちょ、ちょっと何よその言い方は!? アタシたちがアイツを捕まえたってのに!」
まあソラネの立場としては、おいそれと納得できないだろう。
『妖祓い』にとって、妖との和解だって仕事のうちなのだ。何も知らされないのは、さすがに理不尽だと考えても仕方ない。
「……秋津ソラネ、Dランクの『妖祓い』」
「!?」
「本来、このAランクの仕事に従事することはできないはずです。監督役のあなたの母親もまた許可を出していない。これは明らかな違反行為。通常なら処罰ものです」
「っ…………」
「しかしAランク対象を見事に捕縛したのもまた事実。故にこちらからこれ以上咎めるのは止めておきます」
「……だから余計なことに口を出すなってわけ?」
暮内さんは何も言わず、ソラネはただただ悔しそうに睨みつけている。
俺はそんなソラネの肩にポンと手を置いて、
「ま、これで任務は終わったんだから良しとしようぜ」
と言うと、ソラネもまた「そうね」と言って怒りを鎮めてくれた。
暮内さんは「では」と短く会釈してからその場を去って行った。
リリーが《妖気球》とやらを放ってきた。
ここから見れば、まさに隕石が落下してきたようだ。
俺はソラネと顔を見合わせ互いに頷く。
「《火俱夜》、これで最後にするわ! 踏ん張りなさい! 最大跳躍っ!」
全力を込めて、リリーに向かって……いや、《妖気球》に向かって跳ぶ《火俱夜》。
「クハハハハ! バカめっ! そのままミイラにしてやるわっ!」
勝利を確信しているかのようなリリーの表情。
それが歪んだのは、そのあとすぐのことだった。
「すべてを呑み込め――――《ブラックゲート》」
《妖気球》の目前、空間が歪み螺旋を描きながら漆黒へと色づく。
その中心から生まれる強烈な引力によって、《妖気球》が有無を言わさず呑み込まれていく。
それはまさしくブラックホールそのもの。
あれほどまでに強力な霊気を帯びていた巨大な球体は、一瞬にして黒い扉へと吸い込まれて消失してしまった。
「バ、バカなぁぁぁっ!?」
愕然と声を上げるリリーは、大きく口を開けながら固まってしまっていた。
《ブラックゲート》が閉じ、その奥から《火俱夜》がリリーへと迫って来る。
このままではマズイと思ったのか、リリーがその場から逃げようとしたその時、何か細いものが飛来し、彼女の翼に突き刺さった。
直後、リリーが痛みに顔を歪めたような表情をしたのを俺は見逃さなかった。
! 今のは……!?
ただ確かめるには時間がない。
痛みによって身動きを止めたリリーに、《火俱夜》が辿り着く。
「《火俱夜》――《回天連舞》!」
両手に携えた扇を構え、《火俱夜》が身体を回転しながら次々と攻撃を振り出していく。
リリーは防御する暇もなく、全身を凄まじい速度で殴打され、徐々に体力の限界がやってくる。
先程の《妖気球》も、彼女の奥の手だったのだろう。今の彼女に残っている霊気もまた少ない。
「最後よっ、《火俱夜》!」
二つの扇をピタリと合わせると、巨大な一つの鉄扇へと姿を変え、折り畳んだ扇を振り被る。
「ま、待って……お願……っ」
すでにボロボロのリリーが懇願するが――。
「――フィニッシュッ!」
問答無用の一撃をソラネの指示で《火俱夜》が放ち、リリーはそのまま地上へと落下した。
そして俺のしっぺとは違い、今度は地上にぐったりと倒れたままリリーは動かなくなったのである。
うん、見事だ、ソラネ。
「っ…………よしっ!」
ソラネもまた、相手を倒せたことにガッツポーズを見せた。
俺はしおんとともに喜び合う二人を残し、一人でリリーのもとへと向かう。
意識を失い倒れているリリーの翼に刺さっているものを目視すると、それを右手で取る。
「……針?」
だがその針は、普通のものではなく、俺が手に取ったあと光の粒子となって消えた。
「どうかしたの、ヒロ!」
「ろっくん、その人、近づいても大丈夫?」
二人が背後から駆け寄ってきた。
「何でもねえよ。それにしおん、気絶してるから大丈夫だ。何か拘束でもしといた方が良いんじゃねえの?」
――――――それには及びません。
直後、三人の背後から声が聞こえた。
しおんとソラネは驚いて振り返っているが、俺は最初から気づいていたので驚きはない。
そこに立っていたのは黒スーツで身を固めた三人の人物だった。
こんな夜なのにサングラスまでして、まるでSPのような風貌である。
「あ、そのバッジは……!? じゃあこの人たち……!」
ソラネはコイツらが何者なのか気づいたようだ。どうやらコイツらの服につけられた巴紋を象ったバッジを見て判断したみたいだが、俺にはサッパリである。
するとその真ん中に立っていたポニーテールの女性が、懐から警察手帳のようなものを取り出して、俺たちに見せつけてきた。
「私たちは『異種事案対策理事会』の者です」
「ああ、やっぱり」
ソラネが納得気に頷いたということは、あのバッジが『理事会』を示すものだったのだろう。
手帳には、『異種事案対策理事会・執行部 暮内燈子』と書かれていた。
「ど、どうして『理事会』の人たちが?」
そうソラネが尋ねると、暮内さんが無表情のまま答える。
「対象――純血種サキュバスを引き取りに来ました」
「引き取り……に?」
「はい。元々そちらの対象の処置を依頼したのは我々ですので。ご安心ください。此度の件については、然るべき対応をさせて頂きますので」
サッと暮内さんが手を上げると、残りの二人が速やかに動いてリリーを回収すると、近くに停車していた車へと運んでいく。
「あ、あの、リリーさんはどうなるんですか?」
不安そうにしおんが尋ねると、暮内さんは淡々と気になることを口にする。
「それは知る必要のないことです」
「!? ちょ、ちょっと何よその言い方は!? アタシたちがアイツを捕まえたってのに!」
まあソラネの立場としては、おいそれと納得できないだろう。
『妖祓い』にとって、妖との和解だって仕事のうちなのだ。何も知らされないのは、さすがに理不尽だと考えても仕方ない。
「……秋津ソラネ、Dランクの『妖祓い』」
「!?」
「本来、このAランクの仕事に従事することはできないはずです。監督役のあなたの母親もまた許可を出していない。これは明らかな違反行為。通常なら処罰ものです」
「っ…………」
「しかしAランク対象を見事に捕縛したのもまた事実。故にこちらからこれ以上咎めるのは止めておきます」
「……だから余計なことに口を出すなってわけ?」
暮内さんは何も言わず、ソラネはただただ悔しそうに睨みつけている。
俺はそんなソラネの肩にポンと手を置いて、
「ま、これで任務は終わったんだから良しとしようぜ」
と言うと、ソラネもまた「そうね」と言って怒りを鎮めてくれた。
暮内さんは「では」と短く会釈してからその場を去って行った。
20
お気に入りに追加
1,089
あなたにおすすめの小説

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

14歳までレベル1..なので1ルークなんて言われていました。だけど何でかスキルが自由に得られるので製作系スキルで楽して暮らしたいと思います
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕はルーク
普通の人は15歳までに3~5レベルになるはずなのに僕は14歳で1のまま、なので村の同い年のジグとザグにはいじめられてました。
だけど15歳の恩恵の儀で自分のスキルカードを得て人生が一転していきました。
洗濯しか取り柄のなかった僕が何とか楽して暮らしていきます。
------
この子のおかげで作家デビューできました
ありがとうルーク、いつか日の目を見れればいいのですが
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています

異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~
イノナかノかワズ
ファンタジー
助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。
*話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。
*他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。
*頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。
*無断転載、無断翻訳を禁止します。
小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。
カクヨムにても公開しています。
更新は不定期です。

スライムと異世界冒険〜追い出されたが実は強かった
Miiya
ファンタジー
学校に一人で残ってた時、突然光りだし、目を開けたら、王宮にいた。どうやら異世界召喚されたらしい。けど鑑定結果で俺は『成長』 『テイム』しかなく、弱いと追い出されたが、実はこれが神クラスだった。そんな彼、多田真司が森で出会ったスライムと旅するお話。
*ちょっとネタばれ
水が大好きなスライム、シンジの世話好きなスライム、建築もしてしまうスライム、小さいけど鉱石仕分けたり探索もするスライム、寝るのが大好きな白いスライム等多種多様で個性的なスライム達も登場!!
*11月にHOTランキング一位獲得しました。
*なるべく毎日投稿ですが日によって変わってきますのでご了承ください。一話2000~2500で投稿しています。
*パソコンからの投稿をメインに切り替えました。ですので字体が違ったり点が変わったりしてますがご了承ください。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる