52 / 78
第五十一話 一人の少女が六門を想っている件について
しおりを挟む
お姉ちゃんから、有野くんが全然電話に出ないから、試しにわたしにかけて欲しいって言われてかけた。
最初の一、二回は通じなかったが、三回目には有野くんが出てくれたのでホッとする。
どうやら電源を切っていたようだけど、何か事件に巻き込まれたんじゃなくて本当に良かった。
正直今群馬にいるって聞いた時は驚いたけど、傍にはヒーロちゃんもついているようなので安心だ。
あんな小さくても、わたし何かよりも断然強いし、お姉ちゃんも戦いたくないモンスターだっていうほどである。きっとご主人様の有野くんを守ってくれるだろう。
電話を切ると、すぐにお姉ちゃんに電話をかけて顛末を伝えた。
すぐにわたしが仕事をしている【五堂神社】へと戻ってきたお姉ちゃんは深刻そうな表情を見せている。
そういえばここから出て有野くんの家に向かう際も、こんな顔をしていたような気がする。
「おかえりお姉ちゃん」
「ん、電話ありがとね。にしても六門ってば、こんな時に群馬って……はぁ」
「何かあったの? あの子の新しい未来視が出たとか?」
あの子――【五堂神社】において誰よりも巫女としての気質を備えている秘蔵っ子である。
あの子もまた『持ち得る者』として覚醒し、未来を視ることのできるスキルを持つ。
どんな未来視も、放置していたら百パーセントその通りになることから、身内でもあの子の未来視は重要とされている。
その中でも日本……いや、世界の終末を予見した未来視は、あまりにも現実離れ過ぎて、さすがに身内でも疑惑を持つ者もいる。
ただお姉ちゃんは、その未来は必ず来ると確信しているのか、終末が来てもわたしたちが行き抜けるために毎日奔走してくれているのだ。
そのせいで巻き込まれた有野くんには本当に申し訳ないが、確かに彼の力量を考えると仲間になってくれるのはとてもありがたい。
初めて会った時は、どこにでもいるような少年に見えたが、お姉ちゃんですらリタイアしそうになった大規模ダンジョンを、ほとんど一人で攻略してしまったのだ。
物腰だって柔らかいというか、接していて気楽に話せるというのはわたしとしても驚きではあった。
今まで女子学校でしか学んで来なかったので、男子という存在には少し気後れするものがあったのだ。
事実、神社に来られる男性たちに話しかけられると、ちょっと怖気づいてしまう。でも有野くんは良い意味で軽く接することができたのだ。
だからこれからも彼とは出来る限り仲良くしていきたいなって思う。
「ううん、違うけど。でもちょっと厄介そうなことが起きててね」
「厄介? わたしが聞いてもいいこと?」
「そういやシオカには言ってなかったっけ。実はね、最近変な奴らが街中をうろついてるのよ」
「変な人?」
「間違いなくそいつらは『持ち得る者』なんだけど、共通してるのは全員が黒スーツと着てサングラスをかけてること。しかも……とんでもない実力者」
「強い……ってこと? そんな人たちが一体何をしてるの?」
「………………『持ち得る者』狩りよ」
思わず「え?」と喉を鳴らしてしまった。
お姉ちゃん曰く、黒スーツの人たちは二人一組で行動していて、街中やダンジョン内にいる『持ち得る者』たちを倒しているとのこと。
「しかもただ倒すだけじゃなくて、持ち去ってるのよね~」
声音は軽い調子だが、不機嫌そうに口を尖らせている。
「これじゃスカウトできないし、こっちの縄張りにも関係なく荒らしてきてるのよ」
「まだスカウトなんかしてたんだねお姉ちゃん。もう止めたら? 成功したのって有野くんだけなんだし」
「え~だって有能な奴らが傍にいればシオカだって安全でしょ~?」
「でもあまり知らない人たちはちょっと……」
「そんなこと言って。六門とはすぐに仲良くなったくせに」
「あ、有野くんはその……話しやすかっただけで。同い年ってこともあったし……」
「ふぅん。……もしかして惚れちゃった?」
「ほっ、ほほほほ惚れちゃったなんかないでげしょ!?」
「ぷぷっ!? アッハッハッハッハ! 何よそれ! ないでげしょ! そんな噛み方あんの? アハハハハハハハ!」
「もう! もうもうっ! お姉ちゃんが変なこと急に言うからでしょっ!」
まったく、何でこうもこの姉は妹をからかうのが好きかな!
それに有野くんとはそういう関係でもないし、これからだって……まあ未来のことは分からないけどさ。
「ま、あの子はあれで食えない子よ~? ワタシと手を組んでるっていっても、隠し事なんてまだまだたっくさんあるっぽいし」
「そ、そうなの? 有野くんって素直そうなんだけど」
「あらら、そんなことじゃお姉ちゃん心配だなぁ。変な男に騙されなきゃいいけど」
「だ、騙されないし!」
「はいはい。けど六門はねぇ……怒らせない方が良い相手っていうのは確かよ」
確かに有野くんは温厚そうだし、もしキレたら……想像できないけど怖いんだろう。
「ハッキリ言っておくけど、六門が敵になるってもし言ったら、最優先で始末しなきゃいけない相手ってことよ」
「そ、そんな! 始末なんて……!」
「大丈夫。少なくてもこっちに旨みを感じている間は、あの子も裏切ったりはしないと思うし」
裏切り……嫌な言葉だ。
有野くんは真面目そうだし、わたしのことも気遣ってくれる優しい人だと思う。
何だかんだいっても、お姉ちゃんの無茶な要求にも応えてくれるし、裏切りとかは無縁な男の子じゃないだろうか。……ちょっとエッチだけど。
「ていうか今は六門のことじゃなくって、黒スーツの奴らのことよ。アイツら……何者なんだろ」
「うちの情報網でも探れないの?」
「向こうにもシオカや吾輩みたいな感知タイプがいるらしくてね。必要以上に近づけないのよ。この前吾輩に尾行を頼んだら、すぐに居場所がバレて襲撃されたわ」
それは……情報収集に長けた吾輩ちゃんがダメなら、確かに他に手立てはない。
「あ、そっか。だから有野くんなんだね?」
「そういうこと。あの子がいれば、感知とか関係ないしね」
有野くんの《ステルス》は反則級のスキルだ。何せ触れるまでどんだけ近づいても対象には気づかれないというずば抜けた隠密能力なのだから。
「けど群馬かぁ。……そういやあそこって今、結構ざわついてるって話ね」
「そうなの?」
「何かねぇ、おっきな二つの『コミュニティ』同士が縄張り争いしてるって話。そのせいで多くの一般人が巻き込まれてるらしいわ」
「そんなところに有野くんが……大丈夫かな」
「大丈夫でしょ。六門が本気で逃げたら誰も勝てないわよ。それに今はヒーロもいる。あのチートスライムまでいるんだから、そんじょそこらの相手に囲まれたって生き残れるわよ……多分」
「そこは断定してよっ、お姉ちゃん!」
「だってぇ、物事には絶対とかないし~」
確かにそうだけど、姉として妹の不安を拭う手助けくらいはしてほしかった。
「……あ、そういえば帰ってきたら本堂に来てってお父さんが言ってたよ」
「うげ、また説教かぁ」
「神社のお仕事をサボってるんだからしょうがないじゃない」
「その分、将来のために骨を折ってるんだけどなぁ」
やれやれ~と行きたくなさそうな表情で、本堂に向かって歩き始めるお姉ちゃん。
するとお姉ちゃんが何を思ったのかピタリと足を止めると、わたしに向けて口を開く。
「六門から何か連絡が来たら教えてね~」
手を振りながらお姉ちゃんはその場を去って行った。
わたしは境内の掃除をしつつ、先程聞いたお姉ちゃんの話を思い出す。
「群馬にも黒スーツの人が出たりしないよね? ……有野くん、無事で帰ってきてね」
彼の無事を祈り、わたしは少しどんよりとしている空を仰いだ。
最初の一、二回は通じなかったが、三回目には有野くんが出てくれたのでホッとする。
どうやら電源を切っていたようだけど、何か事件に巻き込まれたんじゃなくて本当に良かった。
正直今群馬にいるって聞いた時は驚いたけど、傍にはヒーロちゃんもついているようなので安心だ。
あんな小さくても、わたし何かよりも断然強いし、お姉ちゃんも戦いたくないモンスターだっていうほどである。きっとご主人様の有野くんを守ってくれるだろう。
電話を切ると、すぐにお姉ちゃんに電話をかけて顛末を伝えた。
すぐにわたしが仕事をしている【五堂神社】へと戻ってきたお姉ちゃんは深刻そうな表情を見せている。
そういえばここから出て有野くんの家に向かう際も、こんな顔をしていたような気がする。
「おかえりお姉ちゃん」
「ん、電話ありがとね。にしても六門ってば、こんな時に群馬って……はぁ」
「何かあったの? あの子の新しい未来視が出たとか?」
あの子――【五堂神社】において誰よりも巫女としての気質を備えている秘蔵っ子である。
あの子もまた『持ち得る者』として覚醒し、未来を視ることのできるスキルを持つ。
どんな未来視も、放置していたら百パーセントその通りになることから、身内でもあの子の未来視は重要とされている。
その中でも日本……いや、世界の終末を予見した未来視は、あまりにも現実離れ過ぎて、さすがに身内でも疑惑を持つ者もいる。
ただお姉ちゃんは、その未来は必ず来ると確信しているのか、終末が来てもわたしたちが行き抜けるために毎日奔走してくれているのだ。
そのせいで巻き込まれた有野くんには本当に申し訳ないが、確かに彼の力量を考えると仲間になってくれるのはとてもありがたい。
初めて会った時は、どこにでもいるような少年に見えたが、お姉ちゃんですらリタイアしそうになった大規模ダンジョンを、ほとんど一人で攻略してしまったのだ。
物腰だって柔らかいというか、接していて気楽に話せるというのはわたしとしても驚きではあった。
今まで女子学校でしか学んで来なかったので、男子という存在には少し気後れするものがあったのだ。
事実、神社に来られる男性たちに話しかけられると、ちょっと怖気づいてしまう。でも有野くんは良い意味で軽く接することができたのだ。
だからこれからも彼とは出来る限り仲良くしていきたいなって思う。
「ううん、違うけど。でもちょっと厄介そうなことが起きててね」
「厄介? わたしが聞いてもいいこと?」
「そういやシオカには言ってなかったっけ。実はね、最近変な奴らが街中をうろついてるのよ」
「変な人?」
「間違いなくそいつらは『持ち得る者』なんだけど、共通してるのは全員が黒スーツと着てサングラスをかけてること。しかも……とんでもない実力者」
「強い……ってこと? そんな人たちが一体何をしてるの?」
「………………『持ち得る者』狩りよ」
思わず「え?」と喉を鳴らしてしまった。
お姉ちゃん曰く、黒スーツの人たちは二人一組で行動していて、街中やダンジョン内にいる『持ち得る者』たちを倒しているとのこと。
「しかもただ倒すだけじゃなくて、持ち去ってるのよね~」
声音は軽い調子だが、不機嫌そうに口を尖らせている。
「これじゃスカウトできないし、こっちの縄張りにも関係なく荒らしてきてるのよ」
「まだスカウトなんかしてたんだねお姉ちゃん。もう止めたら? 成功したのって有野くんだけなんだし」
「え~だって有能な奴らが傍にいればシオカだって安全でしょ~?」
「でもあまり知らない人たちはちょっと……」
「そんなこと言って。六門とはすぐに仲良くなったくせに」
「あ、有野くんはその……話しやすかっただけで。同い年ってこともあったし……」
「ふぅん。……もしかして惚れちゃった?」
「ほっ、ほほほほ惚れちゃったなんかないでげしょ!?」
「ぷぷっ!? アッハッハッハッハ! 何よそれ! ないでげしょ! そんな噛み方あんの? アハハハハハハハ!」
「もう! もうもうっ! お姉ちゃんが変なこと急に言うからでしょっ!」
まったく、何でこうもこの姉は妹をからかうのが好きかな!
それに有野くんとはそういう関係でもないし、これからだって……まあ未来のことは分からないけどさ。
「ま、あの子はあれで食えない子よ~? ワタシと手を組んでるっていっても、隠し事なんてまだまだたっくさんあるっぽいし」
「そ、そうなの? 有野くんって素直そうなんだけど」
「あらら、そんなことじゃお姉ちゃん心配だなぁ。変な男に騙されなきゃいいけど」
「だ、騙されないし!」
「はいはい。けど六門はねぇ……怒らせない方が良い相手っていうのは確かよ」
確かに有野くんは温厚そうだし、もしキレたら……想像できないけど怖いんだろう。
「ハッキリ言っておくけど、六門が敵になるってもし言ったら、最優先で始末しなきゃいけない相手ってことよ」
「そ、そんな! 始末なんて……!」
「大丈夫。少なくてもこっちに旨みを感じている間は、あの子も裏切ったりはしないと思うし」
裏切り……嫌な言葉だ。
有野くんは真面目そうだし、わたしのことも気遣ってくれる優しい人だと思う。
何だかんだいっても、お姉ちゃんの無茶な要求にも応えてくれるし、裏切りとかは無縁な男の子じゃないだろうか。……ちょっとエッチだけど。
「ていうか今は六門のことじゃなくって、黒スーツの奴らのことよ。アイツら……何者なんだろ」
「うちの情報網でも探れないの?」
「向こうにもシオカや吾輩みたいな感知タイプがいるらしくてね。必要以上に近づけないのよ。この前吾輩に尾行を頼んだら、すぐに居場所がバレて襲撃されたわ」
それは……情報収集に長けた吾輩ちゃんがダメなら、確かに他に手立てはない。
「あ、そっか。だから有野くんなんだね?」
「そういうこと。あの子がいれば、感知とか関係ないしね」
有野くんの《ステルス》は反則級のスキルだ。何せ触れるまでどんだけ近づいても対象には気づかれないというずば抜けた隠密能力なのだから。
「けど群馬かぁ。……そういやあそこって今、結構ざわついてるって話ね」
「そうなの?」
「何かねぇ、おっきな二つの『コミュニティ』同士が縄張り争いしてるって話。そのせいで多くの一般人が巻き込まれてるらしいわ」
「そんなところに有野くんが……大丈夫かな」
「大丈夫でしょ。六門が本気で逃げたら誰も勝てないわよ。それに今はヒーロもいる。あのチートスライムまでいるんだから、そんじょそこらの相手に囲まれたって生き残れるわよ……多分」
「そこは断定してよっ、お姉ちゃん!」
「だってぇ、物事には絶対とかないし~」
確かにそうだけど、姉として妹の不安を拭う手助けくらいはしてほしかった。
「……あ、そういえば帰ってきたら本堂に来てってお父さんが言ってたよ」
「うげ、また説教かぁ」
「神社のお仕事をサボってるんだからしょうがないじゃない」
「その分、将来のために骨を折ってるんだけどなぁ」
やれやれ~と行きたくなさそうな表情で、本堂に向かって歩き始めるお姉ちゃん。
するとお姉ちゃんが何を思ったのかピタリと足を止めると、わたしに向けて口を開く。
「六門から何か連絡が来たら教えてね~」
手を振りながらお姉ちゃんはその場を去って行った。
わたしは境内の掃除をしつつ、先程聞いたお姉ちゃんの話を思い出す。
「群馬にも黒スーツの人が出たりしないよね? ……有野くん、無事で帰ってきてね」
彼の無事を祈り、わたしは少しどんよりとしている空を仰いだ。
0
お気に入りに追加
440
あなたにおすすめの小説
キモオタ レベル0★世界最弱のオタク高校生の僕だけレベルアップ!美女に囲まれハーレム青春物語
さかいおさむ
ファンタジー
街中にダンジョンが現れた現代日本。
人々には戦士としてのレベルが与えられる。
主人公は世界最弱のレベル0。
レベルの低さに絶望していたある日、戦士のレベルの10倍の強さになるというボスが現れる。
世界で倒せるのレベル0の主人公だけ。
ダンジョンで戦うことは諦めていた主人公だが、その日から自分だけがレベルアップできることに。
最強戦士になって、美女の仲間たちとダンジョンの秘密を解き明かす。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
金貨1,000万枚貯まったので勇者辞めてハーレム作ってスローライフ送ります!!
夕凪五月雨影法師
ファンタジー
AIイラストあり! 追放された世界最強の勇者が、ハーレムの女の子たちと自由気ままなスローライフを送る、ちょっとエッチでハートフルな異世界ラブコメディ!!
国内最強の勇者パーティを率いる勇者ユーリが、突然の引退を宣言した。
幼い頃に神託を受けて勇者に選ばれて以来、寝る間も惜しんで人々を助け続けてきたユーリ。
彼はもう限界だったのだ。
「これからは好きな時に寝て、好きな時に食べて、好きな時に好きな子とエッチしてやる!! ハーレム作ってやるーーーー!!」
そんな発言に愛想を尽かし、パーティメンバーは彼の元から去っていくが……。
その引退の裏には、世界をも巻き込む大規模な陰謀が隠されていた。
その陰謀によって、ユーリは勇者引退を余儀なくされ、全てを失った……。
かのように思われた。
「はい、じゃあ僕もう勇者じゃないから、こっからは好きにやらせて貰うね」
勇者としての条約や規約に縛られていた彼は、力をセーブしたまま活動を強いられていたのだ。
本来の力を取り戻した彼は、その強大な魔力と、金貨1,000万枚にものを言わせ、好き勝手に人々を救い、気ままに高難度ダンジョンを攻略し、そして自身をざまぁした巨大な陰謀に立ち向かっていく!!
基本的には、金持ちで最強の勇者が、ハーレムの女の子たちとまったりするだけのスローライフコメディです。
異世界版の光源氏のようなストーリーです!
……やっぱりちょっと違います笑
また、AIイラストは初心者ですので、あくまでも小説のおまけ程度に考えていただければ……(震え声)
日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊
北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。
ヒューマンテイム ~人間を奴隷化するスキルを使って、俺は王妃の体を手に入れる~
三浦裕
ファンタジー
【ヒューマンテイム】
人間を洗脳し、意のままに操るスキル。
非常に希少なスキルで、使い手は史上3人程度しか存在しない。
「ヒューマンテイムの力を使えば、俺はどんな人間だって意のままに操れる。あの美しい王妃に、ベッドで腰を振らせる事だって」
禁断のスキル【ヒューマンテイム】の力に目覚めた少年リュートは、その力を立身出世のために悪用する。
商人を操って富を得たり、
領主を操って権力を手にしたり、
貴族の女を操って、次々子を産ませたり。
リュートの最終目標は『王妃の胎に子種を仕込み、自らの子孫を王にする事』
王家に近づくためには、出世を重ねて国の英雄にまで上り詰める必要がある。
邪悪なスキルで王家乗っ取りを目指すリュートの、ダーク成り上がり譚!
よくある転生だった!だが俺は勇者じゃなかった
ベルピー
ファンタジー
よくある異世界転生。俺こと、美波勇気もテンプレのように毎日毎日の残業残業で倒れてしまった。
ここでテンプレならチートを授かるモノだが、気づいたらゲームの世界にいた。
そう、昔少しだけ流行ったドラゴンファンタジーのゲームの世界だ。有名ロールプレイングゲームを真似て作られた為、そこまで人気はなかったが俺はこのゲームが好きでけっこうやりこんでいた。
勇者だったらハッピーエンドを迎えたのに、俺が転生したのは勇者とともに魔王を討伐する友人のキャラだった。
一緒に魔王を倒したならそこそこ良いキャラじゃね?と思うかもしれないが、このキャラ。魔王と戦う直前に好きな人を勇者に取られてそのままヤケクソになって魔王に向かって死んでしまうのだ。。。
俺は死にたくない。ゲームの知識を活かして生き残るしかない!!
天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜
八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。
第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。
大和型三隻は沈没した……、と思われた。
だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。
大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。
祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。
※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※
最弱の職業【弱体術師】となった俺は弱いと言う理由でクラスメイトに裏切られ大多数から笑われてしまったのでこの力を使いクラスメイトを見返します!
ルシェ(Twitter名はカイトGT)
ファンタジー
俺は高坂和希。
普通の高校生だ。
ある日ひょんなことから異世界に繋がるゲートが出来て俺はその中に巻き込まれてしまった。
そこで覚醒し得た職業がなんと【弱体術師】とかいう雑魚職だった。
それを見ていた当たり職業を引いた連中にボコボコにされた俺はダンジョンに置いていかれてしまう。
クラスメイト達も全員その当たり職業を引いた連中について行ってしまったので俺は1人で出口を探索するしかなくなった。
しかもその最中にゴブリンに襲われてしまい足を滑らせて地下の奥深くへと落ちてしまうのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる