50 / 78
第四十九話 二つの組織が抗争している件について
しおりを挟む
「よぉ、いい加減俺らの縄張りで好き勝手すんのは止めろや『紅天下』!」
「うるせーわ『白世界』! 好き勝手やっとんはおめえらだんべえ!」
どうやら二つの勢力がそれぞれいがみ合っているようだ。
……二つ? そういや……。
病院で会った婆さんから似たような話を聞いたことを思い出す。
群馬には二つの大きな『コミュニティ』があり、その二つが縄張り争いをしている。
そう聞いた。
つまりコイツらがそうだってことか。
あちこちで抗争を繰り返し、関係のない者たちが被害に遭おうが関係なく暴れる迷惑集団。
まあその割には、今回の戦いじゃ、周りに一般人は見当たらないが。きっともう逃げ出したあとなのだろう。
「いいか『紅天下』ぁっ! いい気になっていられんもそこまでだ! 今日こそはどっちが群馬の覇者に相応しいか、決着をつけてやんべえ!」
「それはこっちのセリフだボケが!」
すると突然ゴングが鳴ったかのように、二つの勢力が激突した。
若い連中ばかりということもあって、その迫力は映画を観ているようで、全員が全員本気で喧嘩をしている。
いや、これはもう一種の戦争かもしれない。
何故なら殺さんばかりの勢いで、木刀や刃物を振り回しているのだから。
道路には血飛沫が舞い、怒号や悲鳴が飛び交う。
それでも逃げる者は一人もおらず、一人、また一人と倒れていく。
折れた木刀の欠片が俺が隠れている建物のところまで飛んでくる。
なるほど。こんなに激しく争っているのであれば、一般人が巻き込まれても納得がいく。
だがそんな中、一際目立つ戦いをしている奴らがちらほらいる。
そいつらは明らかに段違いの強さを持っていて、某無双ゲームみたいな感じで、次々と敵を薙ぎ払っていた。
本人に聞かなくても分かる。奴らは『持ち得る者』たちだ。
割り合い的には九割が一般人のようだが、数人いる『持ち得る者』たちが戦場を激しいものにしている。
そして『持ち得る者』同士が対峙すると、自然と周りが鼓舞して盛り上がるのだ。
この一騎打ちを制した側が有利に立つとでもいうように、対峙する者たちもまた命がけで武器を交わし合う。
おいおい、どこのバトル漫画だよ。マジかよコイツら……。
何が楽しくて同じ人間同士で、こんな全力で殺し合いをしなければならないのか。俺には到底理解できない。
するとそこへ騒ぎを聞きつけたのか、遠くの方からパトカーのサイレンの音が鳴り響いてきた。
さすがに奴らも中断するんだろうと思っていたが、それは呆気なく裏切られる。
誰一人焦る様子を見せずに、何事もなくバトっているのだ。
パトカーが駆けつけ、警官が数人降りてきて静まるように注意を促すものの、あろうことかその警官たちに向けてまで攻撃をし始めたのだ。
数の暴力とはこのことか、警官たちはすぐに制圧されてボロボロにされてしまった。
……ああ、もう無法地帯だなこりゃ。
警察の権限なんて今の時代には無価値になってしまっているようだ。
かくいう俺も平気でダンジョン攻略に挑んでいる時点で、暴徒となっている奴らと何ら変わりないかもしれないが。
そんなハチャメチャな光景を唖然と見ていたその時、空気を震わさんばかりの歓声が響き渡る。
それぞれの勢力の中から、一人ずつ二十代前半くらいの男たちが姿を見せた。
二人とも、各々の額に『コミュニティ』の証を示す布を巻いている。
明らかに他の連中とは醸し出す雰囲気が違い、周りの者たちも彼らの姿を見て湧いているようだ。
恐らくだが、彼らこそがこの集団を率いるリーダーって奴なのではないだろうか。
そんな二人が十字路の中央で対面すると、まるでそのやり取りを逃さないとばかりに、全員が静まり返った。
「……悪いが、今日ここでお前を殺すぜ――八凪?」
まず最初に口火を切ったのは、白い布を巻いた巨躯の男性だ。筋肉質でプロレスラーのようなガタイをしている。
対してどちらかというと細身で優男のような形ではあるが、刀のようなキレ味を感じさせる睨みを放つ男が返す。
「やれるもんならやってみぃ。来ぃや富樫」
コワモテVSイケメン。この図式は、まさに漫画そのもののようで、連中のことをよく知らない俺でもちょっとワクワクしてくる。
空気がピリピリとし緊張感が張り詰める。
両者は睨み合ったまま動かず、その周囲ではゴクリと喉を鳴らす音だけが聞こえてきた。
次の瞬間、両者が同時に動き、互いに右拳を突き出す。
拳同士がぶつかり合い、踏ん張っているそれぞれの地面に亀裂が走る。
互いが同時に舌打ちをすると、先に次の攻撃を繰り出したのは富樫と呼ばれた巨漢の方だ。
今度は両拳での連撃だ。何度も何度も剛腕を突き出し、それをヤナギと呼ばれた細身の男は軽やかにかわしている。
そして富樫が蹴りを放ったと同時に、ヤナギは跳躍して同じように蹴りを放つ。
ヤナギの蹴りが入ると思われたが、富樫はしっかり腕でガードしてみせた。
そのまま互いに距離を取って睨み合う。
「準備運動はここまででいいか」
「……さっさと来ぃや、木偶の棒」
明らかなヤナギの挑発に富樫の顔に苛立ちが現れた。
そして巨漢がどっしりと構えると――。
「――《亜人化》!」
突如、富樫の身体が異様に膨れ上がり何倍もの体躯になっていく。
全身には茶黒い体毛が生え揃い、姿形が人間のソレではなくなっている。
……牛!? それにあの変化ってまさか……!
二足で立っているものの、風貌は間違いなく牛――バッファローそのものだ。
しかしこの変化は見覚えがあった。
それはあの飛柱組の一人である丸城という男のことだ。
彼もまた動物――熊へと変貌したことがあった。
同じジョブ……ってことか? いや、あっちは熊だったしこっちは牛。……いろんな種類に化けられる? それとも固定されてるのか?
相変わらず動物に変化できるジョブというのが分からないが、威圧感や存在感は人間の時と比べて遥かに増している。
鼻息を荒くさせた富樫が、細身へと突っ込み、
「――《崩玩》っ!」
両手を組んで、そのまま八凪の頭上からハンマーのように振り下ろす。
ヤナギは一足飛びで後方に逃げ、富樫の攻撃が地面へと突き刺さった。
直後、アスファルトの地面が一気に砕かれあちこちに亀裂が走り隆起する。
おいおいっ、何つう威力っ!?
あんな一撃をまともに受けたら即死で間違いない。
あの富樫、確実に力が増している。これも動物化によるものなのだろう。
「ちっ、相変わらずの馬鹿力め」
「グハハハハ! トマトみてえに潰してやるぜぇ、八凪ぃ!」
「だからやれるもんならやってみぃ、富樫!」
しかしパワーでは圧倒的に富樫の方が有利なようで、烈火のような富樫の猛攻にヤナギも攻めあぐねているのか回避だけに集中しているようだ。
「どうしたどうした八凪ぃ! かわすだけしか能がねーんかぁっ!」
富樫が跳び上がり、恐らく一トンは越えているであろう体重を活かし、そのままヤナギに向かってのしかかろうとしてきた。
さすがにあれを受け止めるのは無理だろう。回避するしかない、と俺は思ったが、あろうことかヤナギはジッと動かずに上を見上げていた。
何をするつもりだ……?
何か反撃する手でもあるのかと思いきや、そのままヤナギは富樫のプレスを受けてしまい地面ごと押し潰されてしまった。
先程の両手の攻撃よりも段違いの威力を生み、その場に大きなクレーターさえ作り出す。
完全に死んだ――と少なくても俺は思った。
だが富樫の身体の下には、血液らしき赤いものが流れてくることはない。
これは一体どういうことだろうか……?
すると富樫から少し離れた地面から、ぬぅ~っと殺されたと思われたヤナギが姿を見せた。
え? 地面に潜ってたのか? あの一瞬で? いや……けど……。
気になるのは、ヤナギが立っている地面だ。穴も開いていなければ亀裂すらもない。
ならどうやって地面から姿を見せたのか。
舌打ちをしながらおもむろに立ち上がった富樫が、その謎を紐解いてくれる。
「いつ見てもおかしなジョブだな、てめえの『潜水士』ってのはよぉ」
せんすいし? せんすい……潜水ってことか?
そこへ続けてヤナギの仲間たちからの喜々とした声が響く。
「ハッハー! 見たか富樫っ! リーダーはありとあらゆるとこに潜ることができる『ダイバー能力者』なんだよっ!」
なるほど。とても分かりやすい説明をありがとう。
潜水……潜る。ダイバーか。にしてもどこにでも潜れるというのは面白いジョブだ。
先程の瞬間も、やはり地面に潜ってかわしたというわけである。
このジョブの凄いところは、掘って潜るのではなく、まるで水の中のようにほとんど抵抗なく潜ることができるのが強みなのだろう。
「今度はてめえ自身に潜って内臓をグチャグチャにしてやんよ!」
「けっ、その前にてめえはこの俺にミンチにされる運命だ!」
またもや両者が激突しようとした瞬間、渇いた音が周囲にこだました。
同時に「ガッ!?」と愕然とした表情をして膝をつく富樫。
見れば彼の右足の太ももから血が流れ出ていた。
そして左足、右腕、左腕からほぼ同時に血液が迸る。
ヤナギも驚いていることから、彼の差し金ではないことは確か。
俺は音が鳴った先に視線を向ける。
そこは建物屋上で、スナイパーが持つような長い銃らしき武器を構えた一人の人物がいた。
「うるせーわ『白世界』! 好き勝手やっとんはおめえらだんべえ!」
どうやら二つの勢力がそれぞれいがみ合っているようだ。
……二つ? そういや……。
病院で会った婆さんから似たような話を聞いたことを思い出す。
群馬には二つの大きな『コミュニティ』があり、その二つが縄張り争いをしている。
そう聞いた。
つまりコイツらがそうだってことか。
あちこちで抗争を繰り返し、関係のない者たちが被害に遭おうが関係なく暴れる迷惑集団。
まあその割には、今回の戦いじゃ、周りに一般人は見当たらないが。きっともう逃げ出したあとなのだろう。
「いいか『紅天下』ぁっ! いい気になっていられんもそこまでだ! 今日こそはどっちが群馬の覇者に相応しいか、決着をつけてやんべえ!」
「それはこっちのセリフだボケが!」
すると突然ゴングが鳴ったかのように、二つの勢力が激突した。
若い連中ばかりということもあって、その迫力は映画を観ているようで、全員が全員本気で喧嘩をしている。
いや、これはもう一種の戦争かもしれない。
何故なら殺さんばかりの勢いで、木刀や刃物を振り回しているのだから。
道路には血飛沫が舞い、怒号や悲鳴が飛び交う。
それでも逃げる者は一人もおらず、一人、また一人と倒れていく。
折れた木刀の欠片が俺が隠れている建物のところまで飛んでくる。
なるほど。こんなに激しく争っているのであれば、一般人が巻き込まれても納得がいく。
だがそんな中、一際目立つ戦いをしている奴らがちらほらいる。
そいつらは明らかに段違いの強さを持っていて、某無双ゲームみたいな感じで、次々と敵を薙ぎ払っていた。
本人に聞かなくても分かる。奴らは『持ち得る者』たちだ。
割り合い的には九割が一般人のようだが、数人いる『持ち得る者』たちが戦場を激しいものにしている。
そして『持ち得る者』同士が対峙すると、自然と周りが鼓舞して盛り上がるのだ。
この一騎打ちを制した側が有利に立つとでもいうように、対峙する者たちもまた命がけで武器を交わし合う。
おいおい、どこのバトル漫画だよ。マジかよコイツら……。
何が楽しくて同じ人間同士で、こんな全力で殺し合いをしなければならないのか。俺には到底理解できない。
するとそこへ騒ぎを聞きつけたのか、遠くの方からパトカーのサイレンの音が鳴り響いてきた。
さすがに奴らも中断するんだろうと思っていたが、それは呆気なく裏切られる。
誰一人焦る様子を見せずに、何事もなくバトっているのだ。
パトカーが駆けつけ、警官が数人降りてきて静まるように注意を促すものの、あろうことかその警官たちに向けてまで攻撃をし始めたのだ。
数の暴力とはこのことか、警官たちはすぐに制圧されてボロボロにされてしまった。
……ああ、もう無法地帯だなこりゃ。
警察の権限なんて今の時代には無価値になってしまっているようだ。
かくいう俺も平気でダンジョン攻略に挑んでいる時点で、暴徒となっている奴らと何ら変わりないかもしれないが。
そんなハチャメチャな光景を唖然と見ていたその時、空気を震わさんばかりの歓声が響き渡る。
それぞれの勢力の中から、一人ずつ二十代前半くらいの男たちが姿を見せた。
二人とも、各々の額に『コミュニティ』の証を示す布を巻いている。
明らかに他の連中とは醸し出す雰囲気が違い、周りの者たちも彼らの姿を見て湧いているようだ。
恐らくだが、彼らこそがこの集団を率いるリーダーって奴なのではないだろうか。
そんな二人が十字路の中央で対面すると、まるでそのやり取りを逃さないとばかりに、全員が静まり返った。
「……悪いが、今日ここでお前を殺すぜ――八凪?」
まず最初に口火を切ったのは、白い布を巻いた巨躯の男性だ。筋肉質でプロレスラーのようなガタイをしている。
対してどちらかというと細身で優男のような形ではあるが、刀のようなキレ味を感じさせる睨みを放つ男が返す。
「やれるもんならやってみぃ。来ぃや富樫」
コワモテVSイケメン。この図式は、まさに漫画そのもののようで、連中のことをよく知らない俺でもちょっとワクワクしてくる。
空気がピリピリとし緊張感が張り詰める。
両者は睨み合ったまま動かず、その周囲ではゴクリと喉を鳴らす音だけが聞こえてきた。
次の瞬間、両者が同時に動き、互いに右拳を突き出す。
拳同士がぶつかり合い、踏ん張っているそれぞれの地面に亀裂が走る。
互いが同時に舌打ちをすると、先に次の攻撃を繰り出したのは富樫と呼ばれた巨漢の方だ。
今度は両拳での連撃だ。何度も何度も剛腕を突き出し、それをヤナギと呼ばれた細身の男は軽やかにかわしている。
そして富樫が蹴りを放ったと同時に、ヤナギは跳躍して同じように蹴りを放つ。
ヤナギの蹴りが入ると思われたが、富樫はしっかり腕でガードしてみせた。
そのまま互いに距離を取って睨み合う。
「準備運動はここまででいいか」
「……さっさと来ぃや、木偶の棒」
明らかなヤナギの挑発に富樫の顔に苛立ちが現れた。
そして巨漢がどっしりと構えると――。
「――《亜人化》!」
突如、富樫の身体が異様に膨れ上がり何倍もの体躯になっていく。
全身には茶黒い体毛が生え揃い、姿形が人間のソレではなくなっている。
……牛!? それにあの変化ってまさか……!
二足で立っているものの、風貌は間違いなく牛――バッファローそのものだ。
しかしこの変化は見覚えがあった。
それはあの飛柱組の一人である丸城という男のことだ。
彼もまた動物――熊へと変貌したことがあった。
同じジョブ……ってことか? いや、あっちは熊だったしこっちは牛。……いろんな種類に化けられる? それとも固定されてるのか?
相変わらず動物に変化できるジョブというのが分からないが、威圧感や存在感は人間の時と比べて遥かに増している。
鼻息を荒くさせた富樫が、細身へと突っ込み、
「――《崩玩》っ!」
両手を組んで、そのまま八凪の頭上からハンマーのように振り下ろす。
ヤナギは一足飛びで後方に逃げ、富樫の攻撃が地面へと突き刺さった。
直後、アスファルトの地面が一気に砕かれあちこちに亀裂が走り隆起する。
おいおいっ、何つう威力っ!?
あんな一撃をまともに受けたら即死で間違いない。
あの富樫、確実に力が増している。これも動物化によるものなのだろう。
「ちっ、相変わらずの馬鹿力め」
「グハハハハ! トマトみてえに潰してやるぜぇ、八凪ぃ!」
「だからやれるもんならやってみぃ、富樫!」
しかしパワーでは圧倒的に富樫の方が有利なようで、烈火のような富樫の猛攻にヤナギも攻めあぐねているのか回避だけに集中しているようだ。
「どうしたどうした八凪ぃ! かわすだけしか能がねーんかぁっ!」
富樫が跳び上がり、恐らく一トンは越えているであろう体重を活かし、そのままヤナギに向かってのしかかろうとしてきた。
さすがにあれを受け止めるのは無理だろう。回避するしかない、と俺は思ったが、あろうことかヤナギはジッと動かずに上を見上げていた。
何をするつもりだ……?
何か反撃する手でもあるのかと思いきや、そのままヤナギは富樫のプレスを受けてしまい地面ごと押し潰されてしまった。
先程の両手の攻撃よりも段違いの威力を生み、その場に大きなクレーターさえ作り出す。
完全に死んだ――と少なくても俺は思った。
だが富樫の身体の下には、血液らしき赤いものが流れてくることはない。
これは一体どういうことだろうか……?
すると富樫から少し離れた地面から、ぬぅ~っと殺されたと思われたヤナギが姿を見せた。
え? 地面に潜ってたのか? あの一瞬で? いや……けど……。
気になるのは、ヤナギが立っている地面だ。穴も開いていなければ亀裂すらもない。
ならどうやって地面から姿を見せたのか。
舌打ちをしながらおもむろに立ち上がった富樫が、その謎を紐解いてくれる。
「いつ見てもおかしなジョブだな、てめえの『潜水士』ってのはよぉ」
せんすいし? せんすい……潜水ってことか?
そこへ続けてヤナギの仲間たちからの喜々とした声が響く。
「ハッハー! 見たか富樫っ! リーダーはありとあらゆるとこに潜ることができる『ダイバー能力者』なんだよっ!」
なるほど。とても分かりやすい説明をありがとう。
潜水……潜る。ダイバーか。にしてもどこにでも潜れるというのは面白いジョブだ。
先程の瞬間も、やはり地面に潜ってかわしたというわけである。
このジョブの凄いところは、掘って潜るのではなく、まるで水の中のようにほとんど抵抗なく潜ることができるのが強みなのだろう。
「今度はてめえ自身に潜って内臓をグチャグチャにしてやんよ!」
「けっ、その前にてめえはこの俺にミンチにされる運命だ!」
またもや両者が激突しようとした瞬間、渇いた音が周囲にこだました。
同時に「ガッ!?」と愕然とした表情をして膝をつく富樫。
見れば彼の右足の太ももから血が流れ出ていた。
そして左足、右腕、左腕からほぼ同時に血液が迸る。
ヤナギも驚いていることから、彼の差し金ではないことは確か。
俺は音が鳴った先に視線を向ける。
そこは建物屋上で、スナイパーが持つような長い銃らしき武器を構えた一人の人物がいた。
0
お気に入りに追加
440
あなたにおすすめの小説
キモオタ レベル0★世界最弱のオタク高校生の僕だけレベルアップ!美女に囲まれハーレム青春物語
さかいおさむ
ファンタジー
街中にダンジョンが現れた現代日本。
人々には戦士としてのレベルが与えられる。
主人公は世界最弱のレベル0。
レベルの低さに絶望していたある日、戦士のレベルの10倍の強さになるというボスが現れる。
世界で倒せるのレベル0の主人公だけ。
ダンジョンで戦うことは諦めていた主人公だが、その日から自分だけがレベルアップできることに。
最強戦士になって、美女の仲間たちとダンジョンの秘密を解き明かす。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
異世界帰りの俺は、スキル『ゲート』で現実世界を楽しむ
十本スイ
ファンタジー
ある日、唐突にバスジャック犯に殺されてしまった少年――同本日六(どうもとひろく)。しかし目が覚めると、目の前には神と名乗る男がいて、『日本に戻してもらう』ことを条件に、異世界を救うことになった。そして二年後、見事条件をクリアした日六は、神の力で日本への帰還を果たした。しかし目の前には、日六を殺そうとするバスジャック犯が。しかし異世界で培った尋常ではないハイスペックな身体のお蔭で、今度は難なく取り押さえることができたのである。そうして日六は、待ち望んでいた平和な世界を堪能するのだが……。それまで自分が生きていた世界と、この世界の概念がおかしいことに気づく。そのきっかけは、友人である夜疋(やびき)しおんと、二人で下校していた時だった。突如見知らぬ連中に拉致され、その行き先が何故かしおんの自宅。そこで明かされるしおんの……いや、夜疋家の正体。そしてこの世界には、俺が知らなかった真実があることを知った時、再び神が俺の前に降臨し、すべての謎を紐解いてくれたのである。ここは……この世界は――――並行世界(パラレルワールド)だったのだ。
日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊
北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。
強奪系触手おじさん
兎屋亀吉
ファンタジー
【肉棒術】という卑猥なスキルを授かってしまったゆえに皆の笑い者として40年間生きてきたおじさんは、ある日ダンジョンで気持ち悪い触手を拾う。後に【神の触腕】という寄生型の神器だと判明するそれは、その気持ち悪い見た目に反してとんでもない力を秘めていた。
ヒューマンテイム ~人間を奴隷化するスキルを使って、俺は王妃の体を手に入れる~
三浦裕
ファンタジー
【ヒューマンテイム】
人間を洗脳し、意のままに操るスキル。
非常に希少なスキルで、使い手は史上3人程度しか存在しない。
「ヒューマンテイムの力を使えば、俺はどんな人間だって意のままに操れる。あの美しい王妃に、ベッドで腰を振らせる事だって」
禁断のスキル【ヒューマンテイム】の力に目覚めた少年リュートは、その力を立身出世のために悪用する。
商人を操って富を得たり、
領主を操って権力を手にしたり、
貴族の女を操って、次々子を産ませたり。
リュートの最終目標は『王妃の胎に子種を仕込み、自らの子孫を王にする事』
王家に近づくためには、出世を重ねて国の英雄にまで上り詰める必要がある。
邪悪なスキルで王家乗っ取りを目指すリュートの、ダーク成り上がり譚!
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる