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第四十七話 使えそうなスキルを発見した件について
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俺は護送車でどこかへと運ばれていく健一の姿を隠れて見ている。同じように母親もまた心配そうに見送っていた。
本当に刑事の言った通り健一は元気になるのだろうか。それに気になるのは、すでに何人もの【榛名山】帰りの『持ち得る者』を懐に収めているという発言だ。
あれが嘘でないとしたら、わざわざ健一まで保護しにくるだろうか。逮捕ならまだしも。
何人も手中に収めているなら、【榛名山】の情報はもう結構集まっているだろう。今更健一が持つ情報まで必要とするとは思えない。
それにハッキリと逮捕じゃないって言ってたしな。
犯罪を犯した者に対して、逮捕をしないなんて警察が言うものなのか?
「何やらきな臭え感じだな。本当に警察だったのかあれ?」
どう考えても怪しい。健一の母親は信じている様子だったが、俺だったら警察署に電話して確かめるくらいはする。
「ま、俺の杞憂で、マジで健一が治って戻ってくるならそれが一番なんだろうけどな」
俺もいつまでも二人に関わっている暇もないので、これまでに得た情報をもとに今後の動きを決めることにした。
「とりあえず何の情報も無しに【榛名山】に飛び込むのは危険だってことだな」
どんな規模のダンジョンかも分からないし、前回のように罠の位置だって把握できないので、攻略には相当の時間がかかることだろう。
それに何といっても逃げ帰ってきた者たちが口々に語る〝巨人〟の言葉だ。
加えてそいつらは全員が健一のように、精神状態に異常をきたしてしまっている。
それが巨人の仕業なのか、罠のせいなのか、モンスターのせいなのか、何一つ分かっていない。
ダンジョン内の情報を得ようにも、今の状況では難しいものがある。
「こういう時はヒオナさんがいれば助かるんだけどな」
つくづく情報収集に長けた能力があればと思う。
俺は自分とヒーロのステータスを開き、何かそれらしきスキルがあるかどうか見てみた。
有野 六門 レベル:31 EXP:45% スキルポイント:84
体力:156/156 気力:124/124
攻撃:E++ 防御:D++
特攻:C++ 特防:D++
敏捷:B+ 運 :D
ジョブ:回避術師 (ユニーク):Ⅳ コアポイント:40%
スキル:ステルスⅣ・スキルポイント上昇率UP・自動回避Ⅱ
称号:ユニークジョブを有する者・コア破壊者・スニークキラー・盗聴のスペシャリスト・使い魔を持つ者・迷宮攻略者・統べる者
ヒーロ レベル:10 EXP:68% スキルポイント:4
体力:70/70 気力:68/68
攻撃:C+ 防御:B+
特攻:C+ 特防:B+
敏捷:C+ 運 :B
ジョブ:使い魔Ⅱ コアポイント:38%
スキル:擬態Ⅱ・硬化Ⅱ・吸収Ⅱ・物理攻撃無力化・収納Ⅱ
称号:生体人形・大喰らい
「けどスキルポイントを消費するのはもったいねえんだよなぁ」
もうすぐ大台の100。まだジョブランクが足りないので念願の《テレポート》は取得できないが、それでもランクが上がるまで、できるだけ貯めておきたいと思っている。
「ヒーロの方も、残り4ポイントじゃ、大したもんは……ん? この《感覚共有》ってのは……」
ちょっと気になったので、文字を押して説明文を表示させる。
感覚共有 消費気力:3(毎分ごと・両者)
主と使い魔の五感と思考を共有することが可能。使い魔が見たり聞いたりしたものを、遠く離れていても主も感じ取ることができる。しかし仮に使い魔がダメージを負った場合、それがフィードバックして主にも負荷がかかるので注意が必要。ランクを上げることで、消費気力はそのままに共有時間が向上する。
「これはなかなか使えるんじゃね? けどフィードバックが難点だなぁ」
ヒーロがもし炎の攻撃を受けて溶け始めたら、俺も溶けちゃうってこと? それはちょっとヤダなぁ。
だがヒーロは物理攻撃は無効化することができるので、生半可な罠にかかったとしても無傷だろうし、その点は安心することができる。
モンスターと遭遇しても、物理専門の奴が相手ならいくら殴られてもノーダメージだし。
「消費気力は毎分ごとに3か。しかも両者ってことは、俺とヒーロが同時に消費されるってことだよな」
そうなってくると、俺よりも気力の低いヒーロが基準となる。
限界まで使うとなると、二十二分間が限界というわけだ。
それに一旦感覚が途切れてしまうと、意思疎通する手段がないので、自力で戻ってきてもらうまで指示は出せなくなる。
「俺の方に何かフォローできるスキルがねえかなぁ……ん? 《召喚》? こんなスキル初めて見たけど」
それまで何度もスキル欄は確認していたが、《召喚》だけでなく他にもいろいろ増えている。
スキルポイントを貯めるためだけにレベルを上げていたので、しばらくはスキルを取得するつもりがなかったので、最近スキルの欄を確認していなかったのだ。
「……なるほど、増えたのは使い魔関連のスキルだな」
よく考えればヒーロが仲間になってからスキル欄をチェックしていなかった。
召喚 消費気力:10
使い魔を任意に呼び出すことができる。ランクを上げることで、召喚にかかる時間と消費気力を抑えることが可能。
いいな、この《召喚》。それに《感覚共有》とのコンボで、そのリスクを補うことも可能だし。
仮に気力が足りずに感覚が途絶えても、すぐに召喚させれば問題ないし、明らかに不利な状況にヒーロが陥っても同様に呼び戻せばいいだけだ。
「……げっ、スキルポイント10も使うのかよ。10……10かぁ……」
ちょっとお高くなぁい? 買い物上手の主婦でも怒ってくるわよこれじゃ。
だがこの二つのスキルは、俺が今欲している情報収集能力という面に関しては有能な力を持っている。
「……………よし、もらっとくか」
俺は10ポイントを、ヒーロは全ポイントの4を消費して、この二つのスキルをゲットした。
そして俺は、さっそくこの能力を試すために、人気のない場所へと向かう。
本当に刑事の言った通り健一は元気になるのだろうか。それに気になるのは、すでに何人もの【榛名山】帰りの『持ち得る者』を懐に収めているという発言だ。
あれが嘘でないとしたら、わざわざ健一まで保護しにくるだろうか。逮捕ならまだしも。
何人も手中に収めているなら、【榛名山】の情報はもう結構集まっているだろう。今更健一が持つ情報まで必要とするとは思えない。
それにハッキリと逮捕じゃないって言ってたしな。
犯罪を犯した者に対して、逮捕をしないなんて警察が言うものなのか?
「何やらきな臭え感じだな。本当に警察だったのかあれ?」
どう考えても怪しい。健一の母親は信じている様子だったが、俺だったら警察署に電話して確かめるくらいはする。
「ま、俺の杞憂で、マジで健一が治って戻ってくるならそれが一番なんだろうけどな」
俺もいつまでも二人に関わっている暇もないので、これまでに得た情報をもとに今後の動きを決めることにした。
「とりあえず何の情報も無しに【榛名山】に飛び込むのは危険だってことだな」
どんな規模のダンジョンかも分からないし、前回のように罠の位置だって把握できないので、攻略には相当の時間がかかることだろう。
それに何といっても逃げ帰ってきた者たちが口々に語る〝巨人〟の言葉だ。
加えてそいつらは全員が健一のように、精神状態に異常をきたしてしまっている。
それが巨人の仕業なのか、罠のせいなのか、モンスターのせいなのか、何一つ分かっていない。
ダンジョン内の情報を得ようにも、今の状況では難しいものがある。
「こういう時はヒオナさんがいれば助かるんだけどな」
つくづく情報収集に長けた能力があればと思う。
俺は自分とヒーロのステータスを開き、何かそれらしきスキルがあるかどうか見てみた。
有野 六門 レベル:31 EXP:45% スキルポイント:84
体力:156/156 気力:124/124
攻撃:E++ 防御:D++
特攻:C++ 特防:D++
敏捷:B+ 運 :D
ジョブ:回避術師 (ユニーク):Ⅳ コアポイント:40%
スキル:ステルスⅣ・スキルポイント上昇率UP・自動回避Ⅱ
称号:ユニークジョブを有する者・コア破壊者・スニークキラー・盗聴のスペシャリスト・使い魔を持つ者・迷宮攻略者・統べる者
ヒーロ レベル:10 EXP:68% スキルポイント:4
体力:70/70 気力:68/68
攻撃:C+ 防御:B+
特攻:C+ 特防:B+
敏捷:C+ 運 :B
ジョブ:使い魔Ⅱ コアポイント:38%
スキル:擬態Ⅱ・硬化Ⅱ・吸収Ⅱ・物理攻撃無力化・収納Ⅱ
称号:生体人形・大喰らい
「けどスキルポイントを消費するのはもったいねえんだよなぁ」
もうすぐ大台の100。まだジョブランクが足りないので念願の《テレポート》は取得できないが、それでもランクが上がるまで、できるだけ貯めておきたいと思っている。
「ヒーロの方も、残り4ポイントじゃ、大したもんは……ん? この《感覚共有》ってのは……」
ちょっと気になったので、文字を押して説明文を表示させる。
感覚共有 消費気力:3(毎分ごと・両者)
主と使い魔の五感と思考を共有することが可能。使い魔が見たり聞いたりしたものを、遠く離れていても主も感じ取ることができる。しかし仮に使い魔がダメージを負った場合、それがフィードバックして主にも負荷がかかるので注意が必要。ランクを上げることで、消費気力はそのままに共有時間が向上する。
「これはなかなか使えるんじゃね? けどフィードバックが難点だなぁ」
ヒーロがもし炎の攻撃を受けて溶け始めたら、俺も溶けちゃうってこと? それはちょっとヤダなぁ。
だがヒーロは物理攻撃は無効化することができるので、生半可な罠にかかったとしても無傷だろうし、その点は安心することができる。
モンスターと遭遇しても、物理専門の奴が相手ならいくら殴られてもノーダメージだし。
「消費気力は毎分ごとに3か。しかも両者ってことは、俺とヒーロが同時に消費されるってことだよな」
そうなってくると、俺よりも気力の低いヒーロが基準となる。
限界まで使うとなると、二十二分間が限界というわけだ。
それに一旦感覚が途切れてしまうと、意思疎通する手段がないので、自力で戻ってきてもらうまで指示は出せなくなる。
「俺の方に何かフォローできるスキルがねえかなぁ……ん? 《召喚》? こんなスキル初めて見たけど」
それまで何度もスキル欄は確認していたが、《召喚》だけでなく他にもいろいろ増えている。
スキルポイントを貯めるためだけにレベルを上げていたので、しばらくはスキルを取得するつもりがなかったので、最近スキルの欄を確認していなかったのだ。
「……なるほど、増えたのは使い魔関連のスキルだな」
よく考えればヒーロが仲間になってからスキル欄をチェックしていなかった。
召喚 消費気力:10
使い魔を任意に呼び出すことができる。ランクを上げることで、召喚にかかる時間と消費気力を抑えることが可能。
いいな、この《召喚》。それに《感覚共有》とのコンボで、そのリスクを補うことも可能だし。
仮に気力が足りずに感覚が途絶えても、すぐに召喚させれば問題ないし、明らかに不利な状況にヒーロが陥っても同様に呼び戻せばいいだけだ。
「……げっ、スキルポイント10も使うのかよ。10……10かぁ……」
ちょっとお高くなぁい? 買い物上手の主婦でも怒ってくるわよこれじゃ。
だがこの二つのスキルは、俺が今欲している情報収集能力という面に関しては有能な力を持っている。
「……………よし、もらっとくか」
俺は10ポイントを、ヒーロは全ポイントの4を消費して、この二つのスキルをゲットした。
そして俺は、さっそくこの能力を試すために、人気のない場所へと向かう。
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