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 宿で部屋を取ってから、今度は討伐ギルドの居場所を宿の主に聞いて向かうことに。ここからは星馬、ルフナ、チョコの三人でだ。
 討伐ギルドもやはり白い屋根に覆われた建物だった。しかし前に利用したギルドもそうだが、どこか酒場感があるのは何故だろうか。

(どことなくテキサス臭がするんだよね)

 大人の男性たちが集い、酒を呑み交わすような雰囲気が漂っている。
 中へ入って受付嬢が待つカウンターへ向かい、一応持っていた魔物の素材を換金してもらい、僅かばかりの金を得た。
 その流れでルフナが、

「あの、依頼ってありますか?」
「はい。ございます。お客様のギルドカードを提出なさってください」
「あ、はい。これで」

 ギルドカードというのは、ステータスが刻まれた、ここでしか作れない討伐屋としての身分証明書のようなもの。

「なるほど。ルフナ様の討伐屋としてのランクはEですね。ではこちらの依頼で……? そちらの方とはパーティを組まれていますか?」

 受付嬢の視線が星馬へと向いた。

「もしそうなら、同時にカードを提出してください」

 そう言われたので、星馬も以前身分証明書として作ったギルドカードをバッグから出して提出した。

名前 :セイバ・オオモリ
性別 :男
年齢 :16
種族 :人間
ランク:F
出身 :ザッフィロ聖地
討伐歴:パープルタランチュラ・Cランク
犯罪歴:なし


「……! パープルタランチュラを討伐? 失礼ですが、今までにカードの更新をなさったことは?」
「いえ、してませんけど」

 と星馬が答えると、

「更新をされますと、さらに上のランクの依頼を受けることも可能です。どうされますか?」

 別に更新には興味がないのだが……と、ルフナにどうすればいいか視線を移すと、

「やってもらいなよ。無料だし」
「……分かった。お願いします」

 受付嬢が「畏まりました」と言って、手元で何やら作業をし始め、ものの十秒ほどでカードを返してくれた。
するとランクのところが〝F〟から〝C〟へと上がっているのを目にする。

「お客様はCランクとEランクのパーティですので、Cランク相当の依頼を受けることが可能です。こちらが資料になります。依頼がお決まりになられたらお声をかけてください」

 と、受付嬢に複数の紙を手渡された。それを持ってカウンターから離れる。
 ルフナが受け取った紙には様々な依頼が書かれてあった。

「その依頼ってさ、結局どういうものなの?」
「私も受けるのは初めてだけど、ここに書かれた依頼をこなすと、その報酬金が支払われるんだよ。高ランクになればなるほど報酬もリスクも高くなるけど」
「ふぅん。Cランクで良さそうな依頼は?」
「う~ん………………あ、これなんてどう?」

・(Dランク)三種の薬草収集依頼。 報酬 金貨80枚
 概要 《ナオリ草》、《ゲンキ草》、《ヨサ草》の三種をそれぞれ三つずつ採取する。三種ともに確認されているのは、この近くでは【フレッド山】。

「……何でDランク?」
「へ? だっていきなりCランクって危なくない? ボクはまだEランクなわけだし」

 確かにチョコも傍にいるので、彼女の言い分は理解できるが……。

「ならEランクにすれば……」
「でもセイバもいるし、Dランクくらいなら何の問題もないかと思ってさ」

 なるほど、どうやらその辺はしっかり考えているようだ。

「けど一発でドーンと稼げるやつの方が楽じゃない?」
「う~ん……じゃあやっぱCランクになっちゃうよ?」
「……あ、これならちょうどよくない?」

・(Cランク)討伐依頼。 報酬 金貨150枚
 概要 プチオルトロスの討伐。生息地域は【ラクシ―街道】の界隈。討伐部位は〝牙〟。

「ちょっ、プチオルトロスってとんでもなく強いって聞くんだけど!?」
「でもさ、金貨150枚って結構魅力的じゃない?」
「うぅ……でもなぁ」

 ルフナはあまり乗り気ではないようだ。


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