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183:名前、決めていただけますか?
しおりを挟む「いふぁい」
「はいぃぃ?」
鼻を押さえたテオ様が、モゴモゴと何かを話しています。
どうやら、『痛い』や、『すぐ殴るな』などのことのようですが、そんなことはどうでも良いのです。
「この子のお名前、決めていただけますか?」
「ん! 我が絢爛なる宝珠だ!」
――――いや、渾名の方ではなく。
「ん? あぁ、名前か。スカーレット」
「へ? ヒルダではなかったのですか?」
「うん。この子はスカーレットの方が合う」
確かに、髪色が黄みがかった赤色――スカーレット色ですが……。そのまんまて。
いえ、でも、優しくて強そうな雰囲気のあるいい名前です。
「だめ?」
コテンと首を傾げて、あざとく、可愛らしく聞かないで欲しいです。
「――――いいです。可愛い名前ですね」
「ん!」
あぁぁぁ、このタイミングで少年のように笑って頷くとか。
完全に私を殺しにかかってます。
私がその笑顔に弱いと、絶対に分かっているはずです!
テオ様に萌えツボを撃ち抜かれつつも胎盤の排出が終わり、クタクタだった私は、気を失うようにベッドに倒れ込み、ぐっすりと眠りに就きました。
スカーレットが産まれて二ヶ月が経ち、精神的にも体力的にも、かなりの余裕が出来ました。
二人目ともなるとお茶の子さいさいです。
……嘘です。
ザラという心強い協力者のおかげでどうにかこうにかやってこれました。
レジナルドは、初めてに近い赤ちゃんとの接触で、かなり緊張していましたが、徐々に慣れていき、最近ではオムツ替えのお手伝いもしたがるようになっています。
「スカーレット、おやすみ!」
毎日のように『おはよう』と『おやすみ』のキスをおでこにするようになりました。
「何度見ても可愛いですね」
「ん。だが、口にするのは阻止するからな!」
「はい?」
急に何を言い出すのかと思いきや、レジナルドとミーシャが口同士でキスしていたから、レジナルドがスカーレットにするかもしれない。それだけは止める! とのことでした。
「はいぃぃぃぃ?」
「いや、ファーストキスはいかんだろう。ミーシャは分かっててしていたが、スカーレットは――――」
「まって、まって!」
レジナルドとミーシャがキスしているということ自体が、全くもって寝耳に水なのですが!
っていうか、ミーシャは理解しているのですか……。
そりゃ、レジナルドはミーシャ大好きですけど。
ミーシャはそうでもなさそうだと思っていましたのに。
レジナルドが『ミーシャ、あそぼ』で、『いいよー』って言ってもらえるのは三回に一回ですし。
ミーシャが何かしている所に近づくと、『レジー、じゃま』とか言われていますし。
「ツンデレってやつだろう?」
「ツンデレ⁉」
ツンデレなの? ツンデレって…………まぁ、確かに時々デレてはいますね。
スカーレットを寝かし付けて、私もグッスリと眠ろうとしていましたのに、目がギンギンに冴えてしまいました。
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