厨二病設定てんこ盛りの王子殿下が迫って来ます。 〜異世界に転生したら、厨二病王子の通訳者にされました〜【R18版】

笛路

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169:産後半年が経ちました。

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 妊娠するまでは、産んだら終わり! と思っていたのですが、出産について学んでいくうちに、産んだあとも物凄く大変だということを知りました。
 私達貴族は乳母に任せっきりもできはするので、かなり恵まれてはいます。
 私は、なるべく自力で頑張りたいと思うのですが、ザラやリジーなどの手を借りることも多くなりそうです。

 子宮収縮の痛みを堪えつつ、ベッドで丸くなりました。
 出産して数日は痛み続けるそうで、その間は安静にしておくようにと言われています。
 骨盤も、しっかりと締めるようにと。

「お腹、まだぶよんぶよんだけど、戻るのかしら?」
「人によりけりのようですが、ある程度の栄養管理や運動でかなり改善されるとのことですよ」
「運動…………」
「む? 我が手伝おう!」

 ぶふぅーぶふぅー、と鼻息荒く言われたので、まるっと無視しました。



 出産後一週間が経ち、レジナルドが飲むお乳の量が少し増えました。
 相変わらず、短期間での授乳で、少し寝不足です。

 一ヶ月経つと、体重は四キロに。身長は五センチほど大きくなりました。
 キョロキョロと何かを見たり、「あぅ」「あー」などのお喋りをするようになりました。

 そして、半年が経った今、体重は八キロ。身長は七五センチになりました。どうやら同月齢の子たちより少し大きいようですが、許容範囲内とのことでした。
 何よりもびっくりするのは、もう一人座りが出来るのです。
 私とテオ様で両側を挟んだ状態で、レジナルドをソファに座らせて、歌を歌ったり、手足を動かす遊びをしていました。

「……ぅばぁ」

 レジナルドがぽそりと何かを呟きました。
 産まれた当初はよく泣いていたのですが、最近はあまり泣かなくなりました。
 代わりに、とでもいいたいのか、ぽそりぽそりと何かを呟いたりしています。

「そろそろ、寝る前のお乳かなぁ?」
「うむ、吸いたい!」
「うばぁぁ」

 一瞬聞こえた変態の言葉はスルーです。
 胸をポロリと出して、レジナルドにお乳を与えていると、横からゴクリと生唾を飲み込む声が聞こえて来ました。
 ふぶぅぅふぶぅぅ、ふんがふんが、フガッゲホゲホッ。
 もんの凄く煩いです。あと、何をむせているんでしょうか。

「喉に唾が……」
「はいはい、テオ様はお茶を飲んでください」
「んっ」

 後ろ髪引かれているような顔をされても無視です。

 実はそろそろ離乳食を始めようかとザラと相談しているのですが、内緒に…………しておいたら後が面倒ですね。
 私、ちゃんと学ぶので、危険な行動はしないのです!

「そろそろ、離乳食を始めようと思うのですが、初めての日は立ちあ――――」
「その日は休む!」
「――――わ……はい、承知しました。早めにお知らせします」
「ん!」

 テオ様、『初めて』に立ち会うのがとても楽しいようです。
 『初めての○○記念日』などを大量生産しようとされましたので、全力で阻止しました。
 今は立ち会うだけで我慢していただいています。

「初めての離乳食の日だな!」

 ……我慢してくださっています。たぶん。


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