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139:パジャマのお披露目。
しおりを挟むお風呂を上がりましたら、パジャマの披露会です。
私、この日のためにパジャマを作りました!
いえ、作ったのは王妃殿下のお針子さんですが。デザインは私なのです。
「えっ、それがパジャマですの⁉」
私がじゃじゃーんと言いながら見せた、シルク地の甚平を見てお三人が驚かれていました。
「はい! 可愛いでしょう⁉」
薄ピンク色の七分袖の甚平と、ちょっとダボッとしたショートパンツ。
名前を刺繍しましょうかと言われたのですが、胸元に名前ではなくリンゴの刺繍をお願いしました。
ショートパンツ、なんて涼しいんでしょうか!
女子会だからこそ出来る格好です。
「脚が丸出しですが……」
「涼しいんですよー。あと、動きやすい!」
シルクのひんやり感も手伝って、夏の蒸し暑い夜にピッタリのパジャマなのです。今は、何故もっと早く作らなかったのか、と後悔さえしています。
ちなみに、パンツは何パターンかつくってもらいました。
スポーティなぴっちりショートパンツタイプ、ハーフパンツタイプ、私は穿かないだろうけどフレアスカートタイプやスリット入りロングタイトスカートタイプも。
「最近流行っているという、セクシーランジェリーのようですわね」
「えー? これくらい普通ですよー」
エロ衣ほどエロくないですし。というか、アレ流行っているのですか。
アシュリー様は断固拒否、お二人は数度着たことがあるそうです。
あら、毎夜のように着させられている私って…………いえ、考えないようにしましょう。
「あ、ヘレナ様の夜着、可愛い!」
ヘレナ様は綿を薄紫に染めたもので、襟元や袖口に白いレースが付いた、膝下丈のワンピースでした。
ベリンダ様は真っ黒のシルクのタイトなロングのノースリーブワンピースでした。
「やだ何かエロい」
「寝相が悪くて、タイトなものじゃないと、主人の横で大股開きになってしまうのよ……」
リジーが後ろの方で吹き出していましたが無視します。
私も寝相が悪く、時々お腹丸出しで寝ているという話をザラから聞いたのでしょう。
「アシュリー様は…………可愛らしい? ですね」
「……っ! 子供っぽいって言えばいいでしょっ!」
ピンクはピンクでもなんというか子供っぽい眩いピンクで、いたる所にフリッフリのレースが付いた、足首丈のワンピースでした。
「大丈夫よ、ちょっと前まで、私も着ていたわ」
「ちょっとって何年前よ」
「…………十年かしら?」
ヘレナ様がフォローに失敗していました。
ザラに言って、アシュリー様に予備の分の甚平を持ってくるように言うと、何故かヘレナ様とベリンダ様がずるい、と言い出されて、急遽お二人の分も用意することになりました。
何パターンか作っておいて良かったです。
「フリーサイズなので大丈夫かとは思いますが……」
「…………膨らみが全然違うわ」
胸元を見てボソリと呟いたアシュリー様のお顔が、テオ様がイジケているときのソレだったもので、ついつい、吹き出してしまいました。
「ちょっと! ミラベル様⁉」
「っ、ふっ……ごめ、ごめんなさい。テオ様のお顔とそっくりで……うふふっ」
「それ、一番むかつくわっ!」
プリプリと頬を膨らませるアシュリー様が、とても可愛らしくて、笑いが止まりませんでした。
「もうっ、お部屋に戻りますわよっ」
「はーい」
「「あははは」」
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