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126:パーティー計画。
しおりを挟む婚約式から三日が経ち、体調も落ち着いた頃、アシュリー様よりお手紙が届きました。
『 ミラベル様
夏の日差しが強くなり、暑さに少しだけうんざりつつありますが、庭で元気に咲き誇る花々に癒やされる日々を過ごしています。
ミラベル様は、いかがお過ごしですか?
……まぁ、寝込まれていたとお伺いはしていますが。
大変でしたわね。
先日お話ししていました、王城でのお茶会のご相談がしたく、お手紙を出させていただきました。
出来ればいつもの四人で集まりたいのですが、ご都合などはいかがでしょうか?
アシュリー 』
「どうしましょう⁉ 来週の頭でいいかしら? ちょっと早すぎるかしら?」
「かき氷を出すのであれば、遅くとも九月には開催したほうが良いんじゃないか? どうせアイツは暇だろう。明日とか言っても来ると思うぞ?」
テオ様のアシュリー様に対する態度がとても酷いです。
アンジェリカ様の次くらいに酷いです。
でも、アシュリー様もテオ様を毛嫌いしていらっしゃいますし、どっこいどっこいですわね。
「では、少し早めて今週末、明々後日にしますね」
「ん。では警備に――――」
「テオ様は、参加しないで下さいませね」
「……ちぃっ!」
盛大なる舌打ちをくらいましたが、無視です。無視無視。
三日後、アシュリー様達と小サロンにてお茶をしつつ、王城スイーツナイトの計画を練りました。
『夜に、スイーツ』という背徳的ともいえるパーティー。
しかも、女性限定。
どんどんと、パーティーのアイディアが出てきます。
「そういえば、ミラベル様はいつも大りょ……えーっと、いつも美味しそうに食べていらっしゃいますが、コルセットはきつくないのですか?」
いま、絶対に『大量に』って言いかけましたわよね?
ベリンダ様をじっと見つめると、スイーッと目を逸らされました。
「緩めてもらってますので」
「「なるほど!」」
「勇気がありますわね」
お三人は、異性にも同性にも、『太っ!』と思われたくないとのことでしたが、どう見ても私より細くていらっしゃいます。
ちょっと力を入れたら折れる! というほどに。
「ギュウギュウに締め付けているのよ」
「ギリギリと絞め上げられてているのよ……」
全員が遠い目になったのは、仕方がないと思いました。
そんなこんなから、『招待状にはコルセットのいらないドレスでの参加を推奨と記入する』という、スイーツ大好き女性たちによる、スイーツ大好き女性のための、素晴らしきシステムが導入されることとなりました。
「どうしましょう、企画側なのに、パーティーが楽しみですわ!」
「「ええ!」」
前世でもこうやって女子会で盛り上がった記憶があります。
「私は、今も、とても楽しいです! こう、パジャマパーティーのような――――」
ふと、記憶をなぞりつつ話していましたら、お三人ともに、『パジャマパーティー』の方に食い付かれました。
自分の持っている一番可愛いと思う夜着になり、お菓子を食べながらガールズトークをしたり、メイクのレッスンや、変なメイクをして『シャシン』を……の、シャシンは割愛しまして、変なメイクをして笑い合ったりしながら夜ふかしして遊ぶのだ、と説明しました。
「「やりたいわ!」」
ピッタリとお三人の声が重なりました。
王城スイーツナイトが終わったら、四人で打ち上げをしましょうと話していたので、『パジャマパーティーで打ち上げ』に変更しました。
――――色々と、楽しみです!
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