厨二病設定てんこ盛りの王子殿下が迫って来ます。 〜異世界に転生したら、厨二病王子の通訳者にされました〜【R18版】

笛路

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95:ラブラブの空気。

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「っ、ハァ、んむぅぅ⁉」

 息苦しさを感じて、大きく息を吸おうとしましたが、口の中に何かが入っており、上手く呼吸が出来ません。
 目を開くと、テオ様の優艶ゆうえんなお顔が視界いっぱいに広がっていました。

「ん、ふ、んんっ⁉」

 口腔内をグチュグチュと蠢いているのは、テオ様の舌なのでしょう。
 テチテチとテオ様の胸板を叩いて解放をお願いしますが、完全無視で貪るようなキスを続けられました。
 ちょっと、本当に苦しいです…………。

「づ、ハァハァハァ! ひぇっ?」

 もう無理だと思い、力強く胸を叩いたら、スッと離れて下さいました。
 必死に息をしていたら、お腹がズクンと疼きました。
 ふと違和感を覚え、自分の体をみると、まさかの大股開きで、テオ様を受け入れた状態で、ベッドに仰向けになっていました。

「さぁ、再開しようか?」

 どうやら、意識を飛ばしてから、そんなに経っていなかったようです……。
 そして、アレで終わりではなかったらしいです。

「もっと鳴き声を聞かせてね?」

 そして、アレは聞き間違いや気のせいではなかったらしいです……。

 

 またもや、声が枯れるまで喘がされました。
 ただ、翌日は朝から活動できましたので、体力だか耐性だかが付いたのかと思いましたら、テオ様が「徐々に慣らして行こうね」と笑顔でのたまわれましたので、あんなので手加減しくさりやがったとか……げほん。
 手加減して下さっていたようです。

「いま、もの凄い暴言が――――」
「気のせいです!」
「……お、おぉ」

 テオ様をぶった切りつつ、本来話し合うべき事に付いて確認を取りました。

 どうやら私達の婚約の儀は、王太子殿下のお子様がお産まれになってから、行われる手はずのようです。
 そして、結婚式は婚約の日から一年後とのことでした。

「まぁ、しっかりとした準備が始まるのは、おおよそ三から四ヶ月後だろうな」
「承知しました。ドレスを誂えないとですわね」
「ん? 母上が用意すると言っていたが?」
「……」

 何でしょうね。このデジャブ感。テオ様、そういうところが抜けてますわよね。
 頼りないというか、なんというか。

「私、テオ様のそういったところ、ものすっごく嫌いですわ」
「んぬぁぁ⁉ 何故だ⁉ いま、ラブラブの空気だったよな?」

 大きく息を吸って、ぶはぁぁぁぁとはいて、ギッとテオ様を睨みました。
 テオ様が、私の視線にタジタジしていて可愛かったのは……横に置きます。

「私、テオ様からドレスを誂えていただいたことがありませんわ。いえ、別に高価なものを『欲しい』や『作って』と言っているわけでもありませんの。ただ、一般的な常識と事実から言うと、婚約者にドレスを誂えてもらえない私は、『望まれていない婚約者』と見られるようですわ」 
「っ⁉ だが、母上の針子に任せた方が…………って、そういう意味じゃ無いんだな?」
「はい」

 テオ様から、が大切なのです。
 以前もお話した、『厨二病語がわかるから婚約者』というレッテルがまだ残っていると思うのです。
 あの事件の訂正や火消しはしていただけましたが、どうやったとしても噂は残るのです。
 王族の皆様のお耳には直接届かないかも知れませんが……。

「直ぐに、デザイナーと針子を呼ぼう」
「はい。ありがとう存じます」
「ん。ごめんね」

 テオ様がシュンとした表情で、頬に触れるだけのキスを下さいました。
 あぁ、こういった可愛さがあるから、本気で怒れないのですよね。

「おい、何を妄言を! わりと普通に、本気で、怒ってるだろう⁉」

 ――――聞こえませんっ!


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