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86:見せて?

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「ぁっ、ん、テオ様……」
「うん?」

 焦らしに焦らされて、テオ様の名前を呼びました。
 ニッコリとわざとらしい笑顔で、首を傾げられてしまいました。

「い、いえ……」

 私が何も言えずにもごもごとしていると、内太股にぢゅっと吸い付いて、所有印を刻まれました。
 少しの痛さと疼きを感じて、ピクリと腰が跳ねたのを見逃してはもらえなくて。
 こちらをジッと上目遣いで見ながら、更に印を増やされました。

「ミラベル、くちくちと音が聞こえるよ? もう、しとどに濡らしているの?」
「っ!」
「しっかりと開いて、私に見せてごらん?」
「ひぁっ……や、むっ、むり、です」
「無理、なの? ふーん? 残念」

 テオ様が、不服そうなお顔をして、太股へのキスを再開されました。
 太股から徐々に移動し、膝、ふくらはぎ、足首、足の甲、足先へとキスをされるたびに脚が動いて、くちくちと水音が鳴ってしまいます。

「んっ!」
「ミラベル、見せて?」
「っ、やだぁ、むりぃ」
「そう……」

 テオ様がサッと体を引いて、着乱れていた夜着を綺麗に直し始めました。

「テオ、さま?」
「嫌なものを無理矢理は出来ない」
「っ!」

 そういう『嫌』じゃないのに。
 テオ様だって分かっているはずなのに。

「テオ様…………やめないで?」
「それなら、どうしたらいいか、わかるだろう?」 
「っ、はい」

 震える脚に力を入れて、膝を立て、左右に大きくひらきました。
 襞を開くように太腿の付け根に手を充て、テオ様に見せ付けます。
 恥ずかし過ぎて、何も言えませんし、目も合わせられません。

「……っ」

 ゴキュリと生唾を飲む音が聞こえたあと、テオ様が蕩けきった笑顔で近付いてきて、私の膝裏に手を挿し込むと、グイッとお尻を上げるような格好にしました。

「きゃっ」
「あぁ、いい眺めだ……」

 ペチャペチャと、ミルクを飲む猫のような音を出しながら、蜜壺の入り口を舐められました。
 膨れ上がった突起をチュルリと吸われ、腰がびくんびくんとうねります。
 あまりにも恥ずかしくて、両手で顔を隠していました。

「ミラベル、顔見せて?」
「む――――」
「無理って言わないで?」

 こてんと首を傾げて、サラリと髪の毛を滑らせて、キラキラ光線を出されました。
 指の隙間から、チラリと見ただけなのに、目が潰れそうです。
 完敗です。
 女としても、完全に負けた気分になりました。

「……」
「ちょ、ミラベル⁉ 何で一瞬でスンとなるんだ⁉」
「……いえ、別に」

 テオ様がアワアワと焦り始めたので、少しだけ溜飲が下がりました。

「テオ様……好きです」
「んっ!」

 取り敢えず言った感があったのですが、テオ様が幸せそうにヘニャリと笑われたので、ちょっと申し訳なくなりました。
 テオ様に両腕を伸ばすと、抱えていた私の膝を解放して、抱き寄せて下さいました。

「どうした?」
「んっ……好きです」

 ちゅ、と唇を重ね、もう一度、ちゃんと言いました。

「っ、ミラベルが尊いっ!」

 ぎゅむむむむっと抱きしめられ、苦しくて、テオ様の背中をタップしましたが、離してはもらえません。
 テオ様は、私を抱きしめたまま、ズボンの前を緩め、張り詰めた剛直を取り出されました。

 テオ様が、私の秘裂に自身の竿の部分を、ぐじゅりぐりゅりと擦り付けてきます。
 プクリと膨れ上がっているであろう実が擦られて、ビリビリとした刺激が背中を伝い、脳まで痺れそうです。

「ん、やっ……ふ、あっ……」
「ハァ……これだけで気持ちいいよ。ミラベル、大丈夫?」
「っ、はい。わたくしも……きもち、いいです」

 テオ様が、上半身を少しだけ起こして、勃ち上がった猛りを少し下に向け、クチュリと蜜口に充てがわれました。

「っ!」

 ゾワリとしましたが、テオ様がとても柔らかく微笑んで下さったので、硬直しそうになった体から、力を抜くことが出来ました。
 テオ様の優しいキスが額に落とされて、愛しさが溢れ出しそうになりました。

「怖い?」
「す……すこし、だけ」
「うん、私もだよ。でも、最後まで、しよう?」
「はい――――」

 私が頷くと同時に、蜜口がぬるついた丸いモノにグリュッと圧迫されました。
 入り口がヌチュリと押し広げられ、熱くて張り詰めた猛りがズリュンと入って来ます。
 
「くっ、は、っ……ミラベル、大丈夫か?」
「ん、ひあっ! だ、だい、じょぶ、んあぁっ」

 大丈夫だと言いたいのに、テオ様が腰を動かして、ドチュンドチュンと突いてきます。

「いぁぁっ、ひぅ!」

 テオ様の、ハッハッという短い息と、私の嬌声と、淫らな水音が混じりあって聞こえ、どんどんと気持ちがっていきました。


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