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お兄様のお墓の前で待つガイの所まで来て、レオンお兄様は私をガイに手渡した。
私はガイと手を繋ぎ、
「お兄様、綺麗? 私ね、今日結婚したの。幸せになるわ」
「兄上、兄上に約束した通り俺が兄上の様にアイリスを護り、アイリスだけを生涯愛します。見てて下さい、必ずアイリスを幸せにします」
「お兄様、今日はね、お兄様にもお祝いのお裾分けがあるの。お兄様も会いたい人達だと思うわ」
私はレオンお兄様を見て頷いた。
レオンお兄様は、
「お前達!」
後ろにいた騎士達がお兄様のお墓の前に来た。
私は離れ、ケビンお兄様の元へ行き、ケビンお兄様は私の肩を抱き寄せた。隣にはお母様の肩を抱き寄せてるお父様もいる。
レオンお兄様はお兄様のお墓の前に立った。
騎士達が並び、ガイも並んでいる。
レオンお兄様がお兄様の剣をお兄様のお墓に置き、自らの剣を鞘から抜き、剣を空高く掲げた。
他の騎士達も同じ様に剣を鞘から抜き掲げている。
「勇敢な騎士クロードに敬拝!!」
騎士達が一斉に、
「勇敢な騎士クロードに!!」
と言ってお兄様のお墓に向かって己の剣を胸に当て最高級の騎士の礼を一斉にした。
最高級の礼とは、騎士にとって剣は命と同位。相手を敬い己の剣と己の命を捧げると相手に示す礼。本来は。
だけど、騎士の間でのみ語り継がれている、己には敵わない相手に尊敬すると賛美した時に相手に向ける礼。それをここにいる騎士達はお兄様に最高級の礼をしている。
礼をしながら、
「クロード…」
「クロード殿…」
「クロード先輩…」
と、騎士達の啜り泣く声がそこら中から聞こえる。
レオンお兄様も静かに涙を流している。
レオンお兄様が、礼を解き剣を鞘にしまうと騎士達も一斉にしまった。
泣き崩れる騎士の方もいた。
私はお父様にお願いをした。
あの日、レオンお兄様に結婚式に来てほしいと頼む為に来てガイの家族としてジン様を呼んでほしいと頼んだ。その後の食堂での一見でお兄様の死を嘆き悲しむ人が他にもいる事を知り、あれからレオンお兄様に相談した。お兄様を慕っていた騎士は多く、その皆がお兄様のお墓にまいりたいと…。
獣人の騎士も人族の騎士も私とガイが乗る馬車の後ろを付いてきた。
お母様のお許しが貰え、お父様に頼んで実現した。
お母様が許した事も驚いたけど、お兄様の慕う騎士達の多さに今日驚いた。私は数人だと思っていたから…。それなのに30人以上の騎士がお兄様を今でも慕ってくれていた。
お兄様、良かったですね。お兄様を今でも慕ってくれる方々がこんなにいるんですよ? 人族の方々よりも獣人の方々の方が多いのはお兄様が願った思いが叶っていたからではないですか?
ソニックとアンネがソフィアお義姉様に連れられ騎士一人づつに花を渡している。
花を受け取り一人づつお兄様のお墓に花を手向けている。中には泣き崩れ、お墓に縋り付いている方もいる。
それを私はケビンお兄様と一緒に見ている。お母様は泣き崩れ一人では立って居られず、地面に座って泣いている。お父様は地面に座ったお母様を自分の膝の上に乗せ後ろから抱きしめている。私も次から次へと流れる涙を拭いて、お墓を見つめる。
私はお兄様から離れ、ある人に声をかける。
「ディガ様もどうぞ」
「いや、俺は…」
「ディガ」
レオンお兄様が側に来て、
「お前も友と話をしてこい」
「レオン、だが俺は…」
「クロードはお前を恨んじゃいない」
「そんな事分かってる!あいつは恨む奴じゃない!俺が自分を許せないんだ。俺がクロードに会わせる顔がないんだ!」
「クロードはお前を待ってるぞ。 ディガは素直じゃないからな、いつも憎まれ口を叩く。だけどな友として人としてあんないい奴はいない。あんな優しく人思いの奴は他にいない。俺は良い友を持ったよ」
「レオン?」
「クロードの言葉だ。クロードがお前を待ってる。友のお前を待ってる」
「ディガ様、例え同じ種族だとしても貴方は本人じゃない。それに貴方はクロードお兄様のお友達なのでしょ?」
「良いのか、妹」
「はい。お兄様に会って下さい」
「良いのか?」
「はい」
「俺は…俺が会っても良いのか?」
「はい、会って下さい」
「すまない、すまない、すまない…」
「もう謝罪はこの前頂きました。もう友として会っても良いと思うんです」
「すまない…」
ディガ様はお兄様のお墓の前に行き、
「クロードすまない。俺はお前に会わせる顔がない。それでもお前に会いたかった。
どうしてお前がここにいない。一緒に隊長目指そうなって言ったじゃないか!先に隊長になった方に酒を奢るって約束したじゃないか!まだ剣の勝負もついてないだろうが!お前の勝ち逃げか?一週間後に勝負するはずだっただろ!
このバカがぁぁぁぁぁ」
声を出して泣いてるディガ様を誰が責める事が出来るのでしょう。同じ種族だからと未だに自分を責め続けている方を誰が咎めれるのでしょう。
レオンお兄様は涙を流す私の肩を抱き寄せました。
私はガイと手を繋ぎ、
「お兄様、綺麗? 私ね、今日結婚したの。幸せになるわ」
「兄上、兄上に約束した通り俺が兄上の様にアイリスを護り、アイリスだけを生涯愛します。見てて下さい、必ずアイリスを幸せにします」
「お兄様、今日はね、お兄様にもお祝いのお裾分けがあるの。お兄様も会いたい人達だと思うわ」
私はレオンお兄様を見て頷いた。
レオンお兄様は、
「お前達!」
後ろにいた騎士達がお兄様のお墓の前に来た。
私は離れ、ケビンお兄様の元へ行き、ケビンお兄様は私の肩を抱き寄せた。隣にはお母様の肩を抱き寄せてるお父様もいる。
レオンお兄様はお兄様のお墓の前に立った。
騎士達が並び、ガイも並んでいる。
レオンお兄様がお兄様の剣をお兄様のお墓に置き、自らの剣を鞘から抜き、剣を空高く掲げた。
他の騎士達も同じ様に剣を鞘から抜き掲げている。
「勇敢な騎士クロードに敬拝!!」
騎士達が一斉に、
「勇敢な騎士クロードに!!」
と言ってお兄様のお墓に向かって己の剣を胸に当て最高級の騎士の礼を一斉にした。
最高級の礼とは、騎士にとって剣は命と同位。相手を敬い己の剣と己の命を捧げると相手に示す礼。本来は。
だけど、騎士の間でのみ語り継がれている、己には敵わない相手に尊敬すると賛美した時に相手に向ける礼。それをここにいる騎士達はお兄様に最高級の礼をしている。
礼をしながら、
「クロード…」
「クロード殿…」
「クロード先輩…」
と、騎士達の啜り泣く声がそこら中から聞こえる。
レオンお兄様も静かに涙を流している。
レオンお兄様が、礼を解き剣を鞘にしまうと騎士達も一斉にしまった。
泣き崩れる騎士の方もいた。
私はお父様にお願いをした。
あの日、レオンお兄様に結婚式に来てほしいと頼む為に来てガイの家族としてジン様を呼んでほしいと頼んだ。その後の食堂での一見でお兄様の死を嘆き悲しむ人が他にもいる事を知り、あれからレオンお兄様に相談した。お兄様を慕っていた騎士は多く、その皆がお兄様のお墓にまいりたいと…。
獣人の騎士も人族の騎士も私とガイが乗る馬車の後ろを付いてきた。
お母様のお許しが貰え、お父様に頼んで実現した。
お母様が許した事も驚いたけど、お兄様の慕う騎士達の多さに今日驚いた。私は数人だと思っていたから…。それなのに30人以上の騎士がお兄様を今でも慕ってくれていた。
お兄様、良かったですね。お兄様を今でも慕ってくれる方々がこんなにいるんですよ? 人族の方々よりも獣人の方々の方が多いのはお兄様が願った思いが叶っていたからではないですか?
ソニックとアンネがソフィアお義姉様に連れられ騎士一人づつに花を渡している。
花を受け取り一人づつお兄様のお墓に花を手向けている。中には泣き崩れ、お墓に縋り付いている方もいる。
それを私はケビンお兄様と一緒に見ている。お母様は泣き崩れ一人では立って居られず、地面に座って泣いている。お父様は地面に座ったお母様を自分の膝の上に乗せ後ろから抱きしめている。私も次から次へと流れる涙を拭いて、お墓を見つめる。
私はお兄様から離れ、ある人に声をかける。
「ディガ様もどうぞ」
「いや、俺は…」
「ディガ」
レオンお兄様が側に来て、
「お前も友と話をしてこい」
「レオン、だが俺は…」
「クロードはお前を恨んじゃいない」
「そんな事分かってる!あいつは恨む奴じゃない!俺が自分を許せないんだ。俺がクロードに会わせる顔がないんだ!」
「クロードはお前を待ってるぞ。 ディガは素直じゃないからな、いつも憎まれ口を叩く。だけどな友として人としてあんないい奴はいない。あんな優しく人思いの奴は他にいない。俺は良い友を持ったよ」
「レオン?」
「クロードの言葉だ。クロードがお前を待ってる。友のお前を待ってる」
「ディガ様、例え同じ種族だとしても貴方は本人じゃない。それに貴方はクロードお兄様のお友達なのでしょ?」
「良いのか、妹」
「はい。お兄様に会って下さい」
「良いのか?」
「はい」
「俺は…俺が会っても良いのか?」
「はい、会って下さい」
「すまない、すまない、すまない…」
「もう謝罪はこの前頂きました。もう友として会っても良いと思うんです」
「すまない…」
ディガ様はお兄様のお墓の前に行き、
「クロードすまない。俺はお前に会わせる顔がない。それでもお前に会いたかった。
どうしてお前がここにいない。一緒に隊長目指そうなって言ったじゃないか!先に隊長になった方に酒を奢るって約束したじゃないか!まだ剣の勝負もついてないだろうが!お前の勝ち逃げか?一週間後に勝負するはずだっただろ!
このバカがぁぁぁぁぁ」
声を出して泣いてるディガ様を誰が責める事が出来るのでしょう。同じ種族だからと未だに自分を責め続けている方を誰が咎めれるのでしょう。
レオンお兄様は涙を流す私の肩を抱き寄せました。
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