婚約破棄します

アズやっこ

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おまけ 陛下視点

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エリーナの後ろ姿を見送り、今私の内は目の前の愚息ローレンスに対して怒りが沸々と湧いている。

ローレンスの罰をエリーナに聞かせるつもりはない。あの子には憂いなく隣国へ旅立ってほしい。


「ローレンス、我はお主の言い訳など聞きたくない。事実だけを述べよ。お主の隣になぜその者が立っている」

「今は卒業パーティーでエスコートを…」

「エスコートとな。では王子のお主に問う。貴族がパーティーなど公式の行事に同伴しエスコートする際の相手は誰だ」

「……親族、婚約者、当主が認めた同伴者です」

「そうだ。それは我等王族とて同じ。その者は親族か?我の親族にその者はいない。婚約者か?お主の婚約者は先程までエリーナだ。当主、家の長だがお主の家の長は我だ。我が認めたか?」

「それは…」

「学園の卒業パーティーは公式の行事か否か、どちらだ」

「……公式の、行事です…」

「ならば同伴者は誰になる」

「……婚約者のエリーナ嬢…で、す…」

「婚約者と卒業の記念にと頼まれたその者、どのような時でも優先すべきは我は婚約者だと思うのだがな。我の考えが古いのか?それともお主の考えが一般的なのか?だからその者をエスコートしたのか?無知の我に教えてくれ」

「私が浅はかでした」

「そんな事は分かっておる!

ローレンス、我に教えてくれないか、のぉ?早う早う教えてくれ」

「……婚約者がいる場合、公式の行事だけでなく一般的にエスコートをする相手は婚約者です」

「そうかそうか、お主も知っておったのだな。知っていながら婚約者ではなくその者を優先したと言うんだな。

我なら、もし卒業の記念にと婚約者以外の令嬢からエスコートを頼まれたのであればエスコートではなくダンスではどうかと言う。婚約者とのダンスを踊った後にダンスを踊りそれを記念にしてもらう。

だが我とお主は違う。お主にはお主の意思がある。お主は婚約者よりも共に学んだ学友を選んだのだな。

我も学園の卒業を思い出す。お主と同じ頃我もまだ若かった。我は婚約者であった王妃以外とダンスを踊りたくなかった。だが王子としては愚直だったのかもしれん。学友は大事だが我にとって生涯共に歩む婚約者は特別だと思っていたし何よりも優先すべき相手は婚約者だと思っていた。いや、我が王妃しか目に入らなかったのだ。声を掛けてくれた学友には悪かったが丁重にお断りをさせてもらった。『すまないが握手だけにしてほしい』とな。学園では平等だ、我は婚約者以外は平等にした。だから最後に令息令嬢全ての者と握手をした。今、我の学友達は我が最も信頼する臣下になってくれた。

学友達は我が特別扱いするのは婚約者だけだと分かってくれそれを認めてくれた。我だけではない、誰にとっても婚約者は特別だ。これから生涯を共に歩む婚約者は己にとって誰よりも優先すべき特別な存在だ。

我と王妃も始まりは政略だ。王妃には望まぬ婚約だったのかも知れぬがな」


私の手に王妃の手が重なる。


「例え政略だとしてもお互い歩み寄る努力をするべきだ。婚約者以外の者に現を抜かす暇があるなら婚約者と語りあいお互いの意思を伝える努力をするべきだ。

それでも人の心は止められぬ。ならば婚約者に誠意を見せるべきだ。何度も頭を下げ許しを乞うべきだ。婚約者以外に心を移した自分が悪いと謝罪をするべきだ。

それを破棄など一方的に婚約者を傷つける権利など不義をした者にはない!不義をした己を恥じよ!」


エリーナ、この会場にいる若者達に私の言葉を理解する者がいるだろうか。私の声が届く者がいるだろうか。


「ローレンス、お主は個人的にその者と親しくしていたそうだな」

「父上信じて下さい、私はそのような事はしていません」

「お主を信じる?我の忠告を散々無視したお主の何を信じろと言うのだ。我は忠告したはずだ、王子はお主だけではないとな。

キース出て来てくれ」


物陰からキースが出て来た。


「キース先生?キース先生だわ。ねぇローレンス、キース先生よ」

「ミリア、今は口を開くな」

「なんでよ。今日のローレンス怒ってばっかり。もう知らない」


愚息もなんでまたこのような愚子を。ふっ、似た者同士という事か。キースに聞いたこの二人の観劇は盛況だったらしいからな。


「キース、学園でこの者達はお主にどう見えたか我に教えてくれ」

「はい陛下、ローレンス第一王子殿下とミリア男爵令嬢は恋仲だと私には見えました」

「ほう、それはなぜだ」

「学園でのローレンス王子殿下はミリア男爵令嬢と常に行動を共にしていました。教室の中、移動、昼食に至るまで学園の中では常に一緒の姿を見ました。それに朝は同じ馬車で学園へ来て帰りも同じ馬車に乗り帰っていきました。私は王子殿下が帰る際毎日馬車を見送っていましたが、いつもこれから帰りに寄る所を話していたのを耳にしました」

「ほう、確かにまるで恋仲のようではあるが、それだと仲の良い友だとも取れなくはない」

「確かに仲の良い友だと言われればそう見えるかもしれません。ですが仲の良い異性の友の域を越えていると私は思います」

「ほう、我に聞かせてくれ。何を言ってもお主を咎めはせぬ。我は真実を知りたいだけなのだ」

「はい陛下。では陛下は仲の良い異性の友相手に手を繋ぎ肩や腰を抱き愛を囁いたりしますか」

「我がそのような事をしたのは唯一婚約者の王妃だけだ。確かに我も幼き頃は異性の友と手を繋いだ。だがそれは幼き頃だけだ。それに愛を囁いたのは王妃ただ一人。その他に囁いた事はない」

「はい、婚約者になら許される行為です。王子殿下は愛を囁いただけではなく人目の多い場所でミリア男爵令嬢を抱きしめ…」

「良い、はっきり言ってくれ」

「抱きしめ口付けをしていました」

「な、なんと……婚約者がいる王子がか」

「これは陛下のお耳に入れるべきではないのですが…」

「良い良い、この際包み隠さず教えてくれ」

「はい、先程私がローレンス王子殿下の帰りを見送ると言いましたが、王子殿下とミリア男爵令嬢はいつも『今日も宿屋に行こう』そう言っていました。そして王子殿下が毎日使用していた宿屋は偶然にも私の友人が経営している宿屋でした」

「キース、宿屋でローレンスは毎日何をしていたのだ」

「キース先生!これ以上は!これ以上先を言えば貴方の立場はないと思って下さい。私も流石に黙っていられない。

父上、キース先生は嘘を言っています。父上の耳に入れる話ではありません」

「ローレンス、今は口を開くな。

先程お主はその者にそう言ったな、それはなぜだ?それは我が話していたからだ。お主は我よりいつから立場が上になった。我の会話を邪魔する事は許さぬ。

キース、すまぬが続けてくれ。ローレンスが宿屋で何をしていたのだ」

「ローレンス第一王子殿下とミリア男爵令嬢は性交をしていたと」

「性交だと!本当なのか!嘘偽りを言えばお主の首はないぞ」

「陛下を御前にして嘘など申しません。

友人によれば王子殿下が帰った後の室内には王子殿下の子種のあとが残っていたと。友人は見たそうです。王子殿下が部屋に滞在している時、友人が飲み物を持って部屋に伺った際、ローレンス第一王子殿下はシーツで秘部を隠していたそうですが裸だったと。そしてミリア男爵令嬢は裸のままベッドの上に寝転がっていたと」

「なんと!そのような事を……。我の考えが古いのかもしれぬがそのような行為は婚姻後にする行為だと思っていたのだが……」

「陛下、陛下の考えが古いのではなく、本来性交は婚姻後が望ましい。ですが時代の流れとともに生涯を誓いあった婚約者となら婚姻前に性交しても寛大になったとは思います。ですが一部の若者の中には婚約者以外と性交する者が増えているのも事実です」

「ああ…、なんと嘆かわしい」


私は手で頭を押さえ俯いた。

愚息よ、私の三文芝居の出来はどうだ?

若者達よ、影で隠れて何をしていようとお主達の行動は全て私に筒抜けなんだ。


さぁ、愚息の断罪を始めよう。


私は俯いていた顔を上げ愚息を真っ直ぐ見つめ直した。


「ローレンス、お主は婚約破棄された側ではあるが婚約破棄されるだけの原因があった。

ローレンス・ハーベルト、お主に処罰を下す。王位継承権剥奪後お主の身分を剥奪する。今この時をもってお主を王家から籍を抜く。

ミリア・バドン、お主も同罪だ。お主の身分を剥奪する。今この時をもってお主をバドン男爵家から籍を抜く。

だがまだ足りぬ。

ローレンス、ミリア、王の命により今ここで二人の婚姻を認める。宰相」


二人の前に机が置かれ机の上には婚姻の証明書とペンが置いてある。


「婚姻証明書?私、ローレンスのお嫁さんになれるの?」

「ああ、この紙に名前を書けばローレンスの妻になれるぞ」

「本当?」

「ああ本当だとも。早く名前を書いたらどうだ?お主はミリア、だったか?」

「はい、お義父様」

「お主の父ではないが、ミリアだけでいいぞ?」

「ローレンスのお父様なら私の義理のお父様でしょ?」

「それより早く書かないと我の気が変わるかも知れぬぞ?良いのか?」

「それは駄目よ」


愚子はキラキラした顔で名前を書いた。


「お主の頭は花畑のようだ」

「お花畑?ふふ、そうかな?」

「お主はそのまま一生花畑の花を咲かせ続けてくれ」


嬉しそににこにこと笑っている愚子の隣には微動だにしない愚息の姿。


「ローレンス、最後の親孝行だと思って名前を書け」

「父上…」


今にも泣き出しそうな縋るような顔で私を見つめている愚息に心が痛まない訳ではない。それでも愚息の愚かな行いで何の過失もないエリーナを傷つけた。それを許してはいけない。それに私が許せないんだ。いくら過ちを認めたとしても王子の資格がない者を王宮に置く事はできない。

自分の息子だからこそ厳しく罰しないといけない。それが王として父として私に課せられた使命。


私は愚息の手にペンを持たせた。


「お前は自分の処罰が厳しいと思っているのかもしれない。剥奪だけで充分だろとな。だが剥奪だけではエリーナと同じではないか。お前は婚約者がいながら婚約者を蔑ろにしただけではなく不貞も働いた。それがエリーナと同じ罰で済むと思うか?

それにいつも言っていたのだろ?心ではこの娘に妃になってほしいと、いつか必ずこの娘を妃にすると。それに我に知られると引き離されるだったか?

のうローレンス、お前が望んだようにこの娘を妻に出来るのだぞ?もう誰にも引き離される事はないのだぞ?お前がこの先も心から愛しているのはこの娘なのだろ?

それにこの娘はお前と一緒に耐えてくれるのだろ?一緒に我慢してくれるのだろ?例え身分が王子から平民になったとしてもお前はお前だ、違うか?

お前にとって障害だった婚約者のエリーナもいない。我も妨害しない。お前にとって良いこと尽くめではないか。

のうローレンス、お前が散々言ってきた事だ。我は間違った事を言ったか?」

「父上…、許して、くだ、さい…」

「ローレンス、許す期は疾うに過ぎたのだ。

早く自分の名前を書け」


愚息は震える手でローレンスと名を書いた。私はそこで紙を取った。


「宰相」


宰相に紙を渡し宰相は紙を確認した。


「確かに。速やかに処理致します」

「ローレンス、ミリア、両者の婚姻を受理した。お主達は今から夫婦だ」

「ローレンス、私達夫婦になれたのよ?どうして喜んでないの?ねぇ、ローレンス」


愚子は愚息の服を引っ張っているが、此奴はまだ何も分かっていない阿呆だな。


「ローレンス、ミリア、お主達に王命を下す。

お主達二人共去勢をし、生涯死ぬまで婚姻を破棄する事は出来ぬ。自死する事も許さぬ。ハーベルト国から一歩たりとも出国する事も断ずる。それから今後一切王都への立入りを禁ずる。一歩でもその足を踏み入れた時は打首とする。夫婦は一蓮托生、同罪と見なす。

宰相、この者達の似顔絵を速やかに作成しハーベルト国中に配布せよ。同時に国中の騎士団に配布し通達せよ、要注意人物だとな。己の護る領地に入った場合は常に監視を怠るなと。特に辺境においては騎士、騎士見習い、傭兵にまで一人一枚所有させ必ず所持するようにと徹底せよ、この国から一歩も出すなとな」

「承知しました」

「国中の文官にも配布し通達せよ。二人の婚姻を破棄する事は断ずるとな。

それと極めて重要な事だ、この二人に僅かでも荷担すればその者も同等以上の処罰を下す。

これら総て王命である」

「承知しました」

「ああ、皆も分かっているだろうが、我に隠蔽しても無駄だぞ」

「父上、父上!」

「我は惜しい子を失った」

「父上すみません…すみません……」

「お主ではない!エリーナだ、娘のように可愛がったエリーナをお主の愚かな行いで失ったのだ!」


膝から崩れ落ちる愚息を私は壇上の椅子から見つめる。

どんな子であっても自分の子は可愛い。それは私だけでなく王妃も同じ。それに子を持つ親なら皆が思う気持ちだろう。

エリーナの父、アルベールにとって可愛い娘が傷つけられ、どんな処罰を下したとしても到底許せるものではないだろう。ローレンスの父として私が出来る事は責を負い償い続ける事だけだ。

失った忠誠や信頼を取り戻すのは簡単ではない。アルベールだけではない、臣下皆に信頼されるように王として認められるように、私ももう一度一からやり直そう。


私は私の後ろに立つ近衛騎士総隊長のルイスを呼んだ。


「ルイス、二人を牢へ」

「陛下どちらへ」

「奴等はもう平民だ」

「承知しました」


ルイスが手を上げるとローレンスと娘は騎士達に連れて行かれた。


「学園を卒業した諸君、卒業おめでとう。今宵はお主等が主役だ、さぁパーティーを楽しんでくれ」


楽器演奏が始まりパーティーが始まった。

私は隣に座る王妃の手を握った。


「すまないロザンヌ」

「いいえ、これで良かったのです」

「ローレンスが王宮を出たらもう会う事はない。最後にローレンスと話せるように場を作る、それで許してほしい」

「いいえその必要はありません。私にも半分持たせて下さい。私は貴方の妻です、そしてローレンスの母です。一緒に償いましょう」

「ありがとうロザンヌ」


ローレンスの幸せを祈る事は出来ない。だが生きてほしい。日々精一杯生きてほしい。自分の心掛け一つで幸にも不幸にもなる。でも生きていればやり直す事が出来る。己の行いを悔い改め、現状を見つめ、日々努力し生きる。

祈る事は出来ないがそうあってほしいと私の心の内だけで望みたい。


「宰相、あの二人に最後の慈悲だ。すまぬが質素で良い、食事を用意してやってほしい」

「承知しました、温かい食事を用意させましょう」

「すまない、すまないな……」


エリーナ、エリーナの10年に比べたらローレンスの処罰は甘いのかもしれない。だが幽閉では罰にはならない。処刑では償いも反省もせず死んで終わりになる。ローレンスにとって処刑よりも重い罰、辛くても苦しくても生きて償い続ける方が罰になる。

生まれてから王宮で育ったローレンスは外の世界を知らない。外の世界の荒波に揉まれ始めて自分が置かれていた立場を知るだろう。どれだけ恵まれていたか、どれだけ苦労せず育ったか。

雨風を凌げる家もなく食事も毎日食べれる訳ではない。水がいかに貴重か、同じ服を何日も着る事が、金子のありがたみも、汗水垂らし労働する事も、ローレンスにとって始めて味わう絶望だろう。それで潰れるならそれまで。這い上がるならそれはそれで良し。

全ては己の努力次第なのだ。

民の厳しい目、常に監視され、勝手に自死する事も出来ず、この国から逃げ出す事さえ出来ない。勿論二人に手を貸す者はいない。己の努力でしか生活が出来ないこれからの人生をどう暮らすかはそれもローレンス次第。

ローレンスが生涯努力し続け懸命に生きた先、その先に婚約破棄の影響の結果が示されるだろう。

ローレンスよ、その身をもって示せ。



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