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憎しみ合う番、この先は…
迎えに来ました
しおりを挟むお父様が帰って来て皆で夕食を食べてる時、
「ただいま」
「ケビンお兄様おかえりなさい」
「門の前にガイがいたから連れて来たぞ。ガイ入れよ」
ガイは申し訳なさげに扉から現れた。
「ガイ!」
「アイリスごめん!」
ガイは頭を下げた。
「ケビンも帰って来たし、ガイも揃った。夕食を続けよう。ガイも座りなさい」
お父様の声にガイも席につこうとして私の横に来ようと、
「兄様は僕の隣です」
「ソニック」
「姉様、良いですか?」
「良いわよ。ガイ、話はご飯を食べてからにしましょ?」
「ああ…」
ガイはソニックの隣に座り夕食を食べた。
私達は部屋に行き、
「アイリスごめん」
「私こそごめんなさい」
「いや、アイリスは悪くない。俺が毎日…」
「そうね、私が作ったご飯を温かいうちに食べてほしいわ」
「ごめん」
「あと、その、毎日は、ね?」
「分かってる。無理をさせてる」
「そうね」
「だけどアイリスの匂いを嗅ぐとアイリスを離せなくなる」
「それは、まあ、分かるのよ?でもね、毎日だと、ね?」
「毎日は嫌か?」
「そうね、休みがほしい、かな?」
「……そう、だよな…」
「だからね?週に一度はこっちへ帰って来ようかな?と思って」
「どうしてだ?」
「ここだとガイも我慢出来るでしょ?」
「我慢出来るけど、帰ったら、まあずっと離せなくなるけど」
「それもそうね!困ったわ」
「ごめんな」
「ガイ…」
「番、種族、それからアイリス自身、全てが合わさったからこそ毎日愛でたい。そこは俺も譲れないんだ」
「そう、よね…。
ならご飯は温かいうちに食べて。せっかくガイを思って作ったのに冷めてから食べてもらうのは嫌」
「分かった。ご飯食べてからならいいか?」
「ほど、ほど、なら」
「そうか!」
「本当に程々よ?メリーさんに毎日温かい目をされる私の気持ちも分かってね?」
「新婚なんだからメリーさんも分かってるさ」
「そうなのよ!だから私がいたたまれないの!」
「そうか…」
「ガイ、ごめんね?黙って帰って来て…」
「俺も我慢できなくてごめんな」
「それにレオンお兄様を連れてくる為もあったの」
「隊長?」
「レオンお兄様、一人で来ていいってお父様に言われても来ないから」
「まあ一人では来づらいだろうな」
「そう思って」
「今日も兄上の所か?」
「うん」
「そうか」
ガイに後ろから抱きしめられてそのまま二人とも眠った。
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