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憎しみ合う番、この先は…
ガイの理性の取り戻し方
しおりを挟む愛するアイリスが待つ家に帰る前に訓練場で剣を振る。
「これだけ振れば大丈夫だ。早く帰らないとアイリスも心配するしな」
騎士団を出て直ぐ近くにある愛するアイリスとの愛の巣。
「はぁ~~、早くアイリスの匂いを嗅ぎたい。
今日は誰の匂いが付いてるかな?商店街の八百屋のオヤジか?それとも肉屋の若造か?
あぁ!駄目だ、駄目だ」
俺は愛の巣の庭で剣を振る。
100回振っても1000回振ってもきっと無理だ。
アイリス目の前にして理性を保つ方が無理だ。他の匂いも許せないが、アイリスから香るアイリスの匂いに我慢ができない。
でも、アイリスは毎日大変だよな…。
分かってはいても、愛しいアイリスを目の前にしたら本能が主張するんだよな。
「よし、もう100回振ろう!」
俺は剣を振り続けた。
「ガイ!いつまでそこにいるつもり?」
「アイリス」
「早く中に入ってご飯食べよ? 今日はメリーさんに手伝ってもらって私が作ったのよ?」
メリーさんは羊獣人でお手伝いさんとして派遣された獣人だ。
メリーさんにも人族の番がいて共存街で暮らしている。
掃除、洗濯、食事の準備、貴族令嬢だったアイリスに教えてくれている。
「ただいま、アイリス、俺の愛しい番」
俺はアイリスを抱きしめた。
クンクン
チッ!あのジジィ、アイリスの手に触れやがったな!
俺はアイリスを抱き上げそのまま寝室へ連れて行った。
またやってしまった………。
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