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月日が流れ、今私はチャーリーと領地へ向かっている。私達の後ろの馬車には陛下とアーサー父様が…。
「本当に付いてきたんだね」
「ふふっ」
「エディーナ嬢も久しぶりでしょ?」
「はい、お父様に会うのは久しぶりです」
「幼い時に別れたきり?」
「いえ、エミリー様が許して下さり何度か」
「私の許しなんていらないんだから会えばいいのに」
「ですが、商会もありますし」
「確かにね。でもチャーリーもいるしこれからはちょくちょく会いにこればいいわよ」
「はい。ギルも会いたいと言ってましたので」
「ついに?」
「はい。ですが、エミリー様が結婚してからになりますが」
「それなら早く結婚しないとね、エリー」
「そうね」
先にサフェム様との対面を果たし、突然現れた陛下に驚かれていたみたいだけど、ディーナを置いて私とチャーリーは領地の邸に着いた。
ダンとベンに出迎えられ、
「ダン、いつもありがとう」
「お嬢様、遠い所までありがとうございました。お疲れでしょう、今日はゆっくりなさって下さい」
「そうね。なら話を聞きながらお茶にしましょ」
「承知致しました」
邸の中に入り、お茶を用意され、
「マーク達はどう?」
「はい。領民とも仲良くしております。今はまだ見習いですが、頑張っておりますよ」
「そう、良かったわ。ステラお祖母様とはどう?」
「仲良く暮らしております。ステラさんも孫が出来たと喜んでおります」
「なら良かったわ。これからも少し気にかけてあげて貰える?」
「承知致しました」
「後はスティール公爵家の方は?」
「そちらは全て整っております」
「そう、ありがとう。なら任せるわね」
「承知致しました」
ベンに連れられチャーリーが来て、
「エリーお待たせ」
「チャーリー、紹介するわ。領地を任せてるダンよ。ダン、こちらは婚約者のチャーリー、よろしくね」
「ダンさん、チャーリーです。よろしくお願いします」
「チャーリー殿、こちらこそよろしくお願い致します。兄から話は聞いてますが、チャーリー殿は宰相になられるとか」
「まだまだです。夢のまた夢ですので」
「ご謙遜を」
「俺はエリーの補佐として頑張っていきますから領地に来た時は歓迎して貰えると嬉しいです」
「はい、よろしくお願い致します」
その日は和やかな夕食になり、夜遅くまで皆で領地の話を聞いたり、領民の様子を聞いたりしていた。
陛下達も一週間ゆっくり過ごし、始めはぎこちないサフェム様だったみたいだけど、そこは長年の友なのだろう、いつの間にか学友時代の様に三人で馬で出掛けたり、勉強を教えたり、毎晩お酒を飲んで騒いでいたみたい…。護衛の騎士の方々の苦労が目に取るよう。
スティール公爵家も領地を見て、こちらの領民の土壌の調査員数名と指導者数名を連れて帰って行った。
私とチャーリーとディーナは帰る前に領地を馬車で回った。ベンも一緒に王都へ帰るみたいで一緒の馬車に乗っている。
「ベンはもう少しこっちにいていいのよ?」
「いえ、親と話す話もないですし、十分親子の時間は取れました」
「そう?」
「はい」
馬車の窓からは領民達の笑顔。周りにいる子供達は元気に走り回っていた。私達の馬車に気が付くと手を振ってくれる。
とても豊かな領地を見て周り、私が今迄してきた事が報われた気持ちになった。
あの時、お父様の代わりに領地の経営をしていなければこの豊かな小麦畑も領民の笑顔も全て失っていただろう。この地は誰かが所有していたかもしれないし荒れ地になっていたかもしれない。
領民達は餓死に苦しみ、生き残った領民も痩せ細り生きてるか死んでるか分からない生活を送っていたかもしれない。
確かに犠牲だった。私はこの地を護る為の犠牲だった。心を失くし、ただお金を稼ぐ為の人形に過ぎなかった。
失った物は沢山ある。
無邪気にはしゃぐ子供時代。
友達も作れなかった学生時代。
婚約者の人生も狂わしてしまった。
家族も居なくなった。
それでも、この地、領民、それだけは護れて良かったと今では思う。
涙が流れる。
隣に座る愛しい婚約者は私を抱き寄せる。
新たに得た物をこれからも大事に大切にしよう。
チャーリー、私、とっても幸せよ。
「本当に付いてきたんだね」
「ふふっ」
「エディーナ嬢も久しぶりでしょ?」
「はい、お父様に会うのは久しぶりです」
「幼い時に別れたきり?」
「いえ、エミリー様が許して下さり何度か」
「私の許しなんていらないんだから会えばいいのに」
「ですが、商会もありますし」
「確かにね。でもチャーリーもいるしこれからはちょくちょく会いにこればいいわよ」
「はい。ギルも会いたいと言ってましたので」
「ついに?」
「はい。ですが、エミリー様が結婚してからになりますが」
「それなら早く結婚しないとね、エリー」
「そうね」
先にサフェム様との対面を果たし、突然現れた陛下に驚かれていたみたいだけど、ディーナを置いて私とチャーリーは領地の邸に着いた。
ダンとベンに出迎えられ、
「ダン、いつもありがとう」
「お嬢様、遠い所までありがとうございました。お疲れでしょう、今日はゆっくりなさって下さい」
「そうね。なら話を聞きながらお茶にしましょ」
「承知致しました」
邸の中に入り、お茶を用意され、
「マーク達はどう?」
「はい。領民とも仲良くしております。今はまだ見習いですが、頑張っておりますよ」
「そう、良かったわ。ステラお祖母様とはどう?」
「仲良く暮らしております。ステラさんも孫が出来たと喜んでおります」
「なら良かったわ。これからも少し気にかけてあげて貰える?」
「承知致しました」
「後はスティール公爵家の方は?」
「そちらは全て整っております」
「そう、ありがとう。なら任せるわね」
「承知致しました」
ベンに連れられチャーリーが来て、
「エリーお待たせ」
「チャーリー、紹介するわ。領地を任せてるダンよ。ダン、こちらは婚約者のチャーリー、よろしくね」
「ダンさん、チャーリーです。よろしくお願いします」
「チャーリー殿、こちらこそよろしくお願い致します。兄から話は聞いてますが、チャーリー殿は宰相になられるとか」
「まだまだです。夢のまた夢ですので」
「ご謙遜を」
「俺はエリーの補佐として頑張っていきますから領地に来た時は歓迎して貰えると嬉しいです」
「はい、よろしくお願い致します」
その日は和やかな夕食になり、夜遅くまで皆で領地の話を聞いたり、領民の様子を聞いたりしていた。
陛下達も一週間ゆっくり過ごし、始めはぎこちないサフェム様だったみたいだけど、そこは長年の友なのだろう、いつの間にか学友時代の様に三人で馬で出掛けたり、勉強を教えたり、毎晩お酒を飲んで騒いでいたみたい…。護衛の騎士の方々の苦労が目に取るよう。
スティール公爵家も領地を見て、こちらの領民の土壌の調査員数名と指導者数名を連れて帰って行った。
私とチャーリーとディーナは帰る前に領地を馬車で回った。ベンも一緒に王都へ帰るみたいで一緒の馬車に乗っている。
「ベンはもう少しこっちにいていいのよ?」
「いえ、親と話す話もないですし、十分親子の時間は取れました」
「そう?」
「はい」
馬車の窓からは領民達の笑顔。周りにいる子供達は元気に走り回っていた。私達の馬車に気が付くと手を振ってくれる。
とても豊かな領地を見て周り、私が今迄してきた事が報われた気持ちになった。
あの時、お父様の代わりに領地の経営をしていなければこの豊かな小麦畑も領民の笑顔も全て失っていただろう。この地は誰かが所有していたかもしれないし荒れ地になっていたかもしれない。
領民達は餓死に苦しみ、生き残った領民も痩せ細り生きてるか死んでるか分からない生活を送っていたかもしれない。
確かに犠牲だった。私はこの地を護る為の犠牲だった。心を失くし、ただお金を稼ぐ為の人形に過ぎなかった。
失った物は沢山ある。
無邪気にはしゃぐ子供時代。
友達も作れなかった学生時代。
婚約者の人生も狂わしてしまった。
家族も居なくなった。
それでも、この地、領民、それだけは護れて良かったと今では思う。
涙が流れる。
隣に座る愛しい婚約者は私を抱き寄せる。
新たに得た物をこれからも大事に大切にしよう。
チャーリー、私、とっても幸せよ。
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