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目が覚め、私の顔の横に眠ってるチャーリーの顔があった。
一晩中ついててくれてたのね、ありがとう。
目が覚めても昨日のジェフ様の言葉が頭から離れない。きちんと向き合わないといけない。婚約者の時は向き合う事もしなかった…。もしきちんと向き合っていたならジェフ様の気持ちを嬉しく思ったに違いない。私の為だけに買ってくれた髪留め、私の為に祝おうとしてくれた彼の気持ち、もしあの時耳を傾けていたら、もしあの時手を止めてジェフ様の顔を見ていたら、後悔しか残らない…。
きっと仲良くなれてたわ。大事にしたわ。その後も私に贈り物を贈ってくれたわ。私だって何とか暇を見つけて何処かへ出掛けたわ。会いに来てくれたら喜んだわ。部屋の中や庭でお茶をしたわ。
今更悔やんでも仕方ない事は分かってる。それに私にはチャーリーがいる。愛してるチャーリーがいる。今更ジェフ様とやり直す事なんて出来ない。ジェフ様の罵倒に態度に傷付いたのも事実だもの。
「おはようエリー」
「おはようチャーリー」
「どう?」
「うん…」
「散歩しようか」
「うん…」
私はチャーリーに手を引かれ庭を散歩する。
「エリー、今更悔やんでも仕方ないよ。もう過去の事だ」
「分かってる」
「それに今は俺が婚約者だ」
「うん」
「俺はエリーを手放す事なんてしないよ?」
「うん」
「でも、エリーが元婚約者を助けたいって言うなら一緒に助けよう。罪を償うって言うなら一緒に罪を償っていこう。俺達は夫婦になるんだ。楽しい事も喜びも悲しみも辛さも全て一緒に感じるんだ。罰を受けるなら俺も一緒に罰を受ける。エリーの心の痛みを半分俺に渡してくれないか?」
「チャーリー…」
「お互い分け与えていこう」
「チャーリー…」
「エリーは元婚約者を助けたいんだよね?」
「うん…」
「どうやって助けるつもり? 家を与える?職を与える?お金を与える?」
「家も職も自立するまでお金だって出しても構わないわ」
「そうか」
「それでも…」
「ん?」
「それでもやっぱり…ジェフ様のお兄様、ジークリード様と和解が出来ないかな…と思う」
「彼はそれを望んでるの?」
「迷惑かけるからって言ってた…」
「それなら和解する必要ないんじゃない?」
「そうかもしれないけど、でも、きっとジェフ様はお兄様が好きなんだと思うの。お兄様を尊敬しててお兄様の様になりたいって思ってたと思うの。
貴族に戻る事は不可能だわ。それでも和解は出来るでしょ?」
「彼も勘当されたんだよね?そのお兄様から」
「うん…。でもそれは私と婚約破棄したから。でもそもそもその婚約破棄だって元を辿れば私のせいじゃない」
「確かに元を辿ればエリーかもしれないよ?それでもエリーを罵倒したりエリーの妹さんに現を抜かしたのも事実だろ?」
「そうだけど…」
「俺はまあ家は仕方ないと思うよ。住む家が無ければ生活できない。職も仕方ないな。働かないとお金が稼げないんだから。お金が稼げるまでお金を渡すのもそれも仕方ないと思う。俺はそれだけで十分だと思うけど?
和解はさ、本人が自分で稼ぎ生活が出来てから会いに行けば良いと思う」
「うん…」
「一人で自立してる姿を見せたら許そうって思うんじゃない?」
「うん…」
「なら俺達はその手助けをすれば良いよ」
「分かった」
「貴族が平民に交じって働くって並大抵な努力じゃ無理だよ? 貴族は変に虚勢を張りたがるし、そんな貴族を平民は馬鹿にする。それを彼が耐え続けないといけない」
「うん」
「彼に耐えれるのかな?」
「分からない。私が知るジェフ様はいつも私に怒鳴ってばっかりだったから」
「その怒鳴りがどっちの怒鳴りか…」
「どっちの?」
「威張り散らす方か、エリーの態度で傷付いたからか」
「それは…」
「威張り散らす方ならお手上げだね」
「何で?」
「平民に対しても威張り散らすだろ?もう貴族じゃないんだ。同じ平民に威張り散らされたら気分が悪い」
「そうね」
「エリーの態度で傷付いた方ならまだ救いはある」
「そう?」
「元からそういう性格じゃなかったって事だろ?きっと妹さんには紳士らしく接していたかもよ?」
「仲が良いのは知ってたけど、二人でいる所見た事ないから」
「そうか。元の性格も分からない?」
「うん。ジェフ様を気遣える程私も余裕が無かったから。でも、この前話した時は冷静だったわ」
「俺も邸で怒鳴り散らしてた印象しかないからな。一度会いに行ってみるか」
「チャーリーが?」
「話してみないと人の本質は分からないよ?」
「そうだけど」
「エリーはやる事があるだろ?」
「それはチャーリーだって」
「俺の場合は商会の皆が優秀すぎて俺が居なくても回るし、今は割と余裕があるんだよ」
「そう」
「まずは俺に任せてくれない?」
「分かった。あの、行く時、何か食べ物を持って行ってくれない?」
「フッ、分かってるよ」
一晩中ついててくれてたのね、ありがとう。
目が覚めても昨日のジェフ様の言葉が頭から離れない。きちんと向き合わないといけない。婚約者の時は向き合う事もしなかった…。もしきちんと向き合っていたならジェフ様の気持ちを嬉しく思ったに違いない。私の為だけに買ってくれた髪留め、私の為に祝おうとしてくれた彼の気持ち、もしあの時耳を傾けていたら、もしあの時手を止めてジェフ様の顔を見ていたら、後悔しか残らない…。
きっと仲良くなれてたわ。大事にしたわ。その後も私に贈り物を贈ってくれたわ。私だって何とか暇を見つけて何処かへ出掛けたわ。会いに来てくれたら喜んだわ。部屋の中や庭でお茶をしたわ。
今更悔やんでも仕方ない事は分かってる。それに私にはチャーリーがいる。愛してるチャーリーがいる。今更ジェフ様とやり直す事なんて出来ない。ジェフ様の罵倒に態度に傷付いたのも事実だもの。
「おはようエリー」
「おはようチャーリー」
「どう?」
「うん…」
「散歩しようか」
「うん…」
私はチャーリーに手を引かれ庭を散歩する。
「エリー、今更悔やんでも仕方ないよ。もう過去の事だ」
「分かってる」
「それに今は俺が婚約者だ」
「うん」
「俺はエリーを手放す事なんてしないよ?」
「うん」
「でも、エリーが元婚約者を助けたいって言うなら一緒に助けよう。罪を償うって言うなら一緒に罪を償っていこう。俺達は夫婦になるんだ。楽しい事も喜びも悲しみも辛さも全て一緒に感じるんだ。罰を受けるなら俺も一緒に罰を受ける。エリーの心の痛みを半分俺に渡してくれないか?」
「チャーリー…」
「お互い分け与えていこう」
「チャーリー…」
「エリーは元婚約者を助けたいんだよね?」
「うん…」
「どうやって助けるつもり? 家を与える?職を与える?お金を与える?」
「家も職も自立するまでお金だって出しても構わないわ」
「そうか」
「それでも…」
「ん?」
「それでもやっぱり…ジェフ様のお兄様、ジークリード様と和解が出来ないかな…と思う」
「彼はそれを望んでるの?」
「迷惑かけるからって言ってた…」
「それなら和解する必要ないんじゃない?」
「そうかもしれないけど、でも、きっとジェフ様はお兄様が好きなんだと思うの。お兄様を尊敬しててお兄様の様になりたいって思ってたと思うの。
貴族に戻る事は不可能だわ。それでも和解は出来るでしょ?」
「彼も勘当されたんだよね?そのお兄様から」
「うん…。でもそれは私と婚約破棄したから。でもそもそもその婚約破棄だって元を辿れば私のせいじゃない」
「確かに元を辿ればエリーかもしれないよ?それでもエリーを罵倒したりエリーの妹さんに現を抜かしたのも事実だろ?」
「そうだけど…」
「俺はまあ家は仕方ないと思うよ。住む家が無ければ生活できない。職も仕方ないな。働かないとお金が稼げないんだから。お金が稼げるまでお金を渡すのもそれも仕方ないと思う。俺はそれだけで十分だと思うけど?
和解はさ、本人が自分で稼ぎ生活が出来てから会いに行けば良いと思う」
「うん…」
「一人で自立してる姿を見せたら許そうって思うんじゃない?」
「うん…」
「なら俺達はその手助けをすれば良いよ」
「分かった」
「貴族が平民に交じって働くって並大抵な努力じゃ無理だよ? 貴族は変に虚勢を張りたがるし、そんな貴族を平民は馬鹿にする。それを彼が耐え続けないといけない」
「うん」
「彼に耐えれるのかな?」
「分からない。私が知るジェフ様はいつも私に怒鳴ってばっかりだったから」
「その怒鳴りがどっちの怒鳴りか…」
「どっちの?」
「威張り散らす方か、エリーの態度で傷付いたからか」
「それは…」
「威張り散らす方ならお手上げだね」
「何で?」
「平民に対しても威張り散らすだろ?もう貴族じゃないんだ。同じ平民に威張り散らされたら気分が悪い」
「そうね」
「エリーの態度で傷付いた方ならまだ救いはある」
「そう?」
「元からそういう性格じゃなかったって事だろ?きっと妹さんには紳士らしく接していたかもよ?」
「仲が良いのは知ってたけど、二人でいる所見た事ないから」
「そうか。元の性格も分からない?」
「うん。ジェフ様を気遣える程私も余裕が無かったから。でも、この前話した時は冷静だったわ」
「俺も邸で怒鳴り散らしてた印象しかないからな。一度会いに行ってみるか」
「チャーリーが?」
「話してみないと人の本質は分からないよ?」
「そうだけど」
「エリーはやる事があるだろ?」
「それはチャーリーだって」
「俺の場合は商会の皆が優秀すぎて俺が居なくても回るし、今は割と余裕があるんだよ」
「そう」
「まずは俺に任せてくれない?」
「分かった。あの、行く時、何か食べ物を持って行ってくれない?」
「フッ、分かってるよ」
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