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「私達はもっと話し合えば良かったのかしらね。それでもきっとあの頃の私は何もかも諦めていた。心が死んでる私では誰が相手でも変わらなかったと思うわ。家を空けて出掛ける事も出来なかった。だって学園に通って帰って来てから夜遅くまで家の仕事をしてたから、そんな暇なんて無かったの。それでも私の為だけに髪留め一つでも贈って欲しかった、それがあの時の本音よ?」
「あった」
「何?」
「婚約して、俺を見ないお前に苛立っていたのも事実だ。絶対に婚約破棄してやるって思ってたしな」
「そう」
「誰がお前なんか相手にしてやるって思ってた」
「そうよね」
「それでも婚約して初めてのお前の誕生日に俺の色の髪留めを贈ろうと買ったんだ」
「そうなの?私貰ってないけど」
「お前は覚えてないんだな」
「え?」
「俺はお前の誕生日の前日にお前に言った。明日の誕生日どうすると」
「え?」
「お前は覚えてないんだな」
「ごめんなさい。私は何て言ったの?」
「お前は誕生日なんか祝って貰わなくていい、そんな事より用事はそれだけ?それだけなら帰ってくれないって言ったんだ!」
「ごめんなさい」
「あの時の俺の気持ちがお前に分かるか?確かに親に勝手に決められた婚約だった。お前だって俺が気に食わなかっただろう。だけど婚約して初めてのお前の誕生日だぞ?婚約者が自分の色の物を贈る事が出来る誕生日だぞ!それをお前はそんな事って言ったんだ!
お前は!お前は俺がサラに心を移して何も贈って貰えなかったって思ってるかも知れないけどな!お前が俺に何も贈らせ無かったんだ!」
「ごめんなさい、本当にごめんなさい」
「俺を婚約者として見てなかったのはお前だ!」
「ごめんなさい」
「今の俺の姿を嘲笑いたいなら嘲笑ってくれ」
「そんな事出来ないわよ」
「嘲笑いに来たんだろ?」
「ジェフ様を確認しに来たのは本当よ。嘲笑いに来たって思われても仕方ないわ。
それでも、本当にごめんなさい。今更謝っても許される事じゃないわ。あの時私は心が死んでた。感情を持ってたらもっと小さい時に本当に死んでたから。貴方に会う時には既に心を失くして情を失くして、ただ人形の様に生きていた。
それでももしジェフ様に本当の事を言えてたら、もしジェフ様に弱音を吐いていたら、もしジェフ様に助けを求めていたらきっと違ったのかも知れない。それでも今更よね」
「今更だな」
「私はジェフ様の人生を壊したのね」
「ああ。それでも俺がお前に相手にされなくても贈り続けていれば良かったのか?そしたらお前は俺を見たのか? それでも俺もガキだったんだよ。お前の言葉一つ行動一つで傷付くガキだったんだよ」
「ごめんなさい」
「もう今更だ」
「私は謝っても謝っても許されない事をしたわ。貴方のお兄様に私も謝罪して本当の事を言うわ。お兄様に、」
「止めてくれ!」
「でも、」
「止めてくれ。俺は勘当された。お前に婚約者として贈り物をしてこなかったのも事実だ」
「でもそれは、」
「お前がいながらサラに好意を持ったのも事実だ」
「それだって、」
「もう良いんだよ、他っておいてくれ」
「そんな事出来ないわよ!」
「何だよ、罪滅ぼしでもするってか?」
「そうよ!私は貴方に罪をなすりつけたのだもの」
「それこそ止めてくれ」
「何でよ!私の罪よ。貴方は婚約者として贈り物を贈ろうとしてくれた。それなのに私が受け取らなかった。ううん違うわね、貴方に贈らせ無かった。それは私の罪よ、貴方じゃない。貴方が受ける罰じゃない」
「それでも今更だ」
「貴族に戻す事は簡単じゃないわ。そんな事分かってる。それでも被る必要のない罪を被る必要なんてないのよ」
「なあエミリーヌ」
「何?」
「俺はエミリーヌの辛さ、置かれてる立場、そんなの見ようとしなかった」
「そんなの当たり前じゃない。私が言わなかったんだもの」
「確かに聞いてない。それでも当主じゃないお前が、毎度会いに行く度に仕事をしているのを疑問に思わなかった俺にだって責任はあるんだよ」
「そんなの責任じゃないわ」
「それでも俺はお前の補佐として婿に入る予定だった。学園でも当主の仕事も補佐の仕事も習った。冷静になった今思えば当主じゃないお前が仕事をしているのがおかしいと気付ける。時期当主だとしてもお前の父上が家に居て仕事をせず、お前が代わりに仕事をしてる事は本来なら駄目な事だ。それでもあの時の俺は疑問にも思わなかった。それが俺の罪だ」
「そんなの罪じゃないわ。当主の仕事を代わりにする家だってあるわよ」
「それでも兄上は人に任せたりしない。当主しか印が押せない物があるし、当主しか知らされない家の内情もある。それすら見えない程俺の目は曇っていた」
「曇らせたのは私じゃない。私がもっと婚約者らしくしていれば違ったわ。ジェフ様は言ったわ、婚約者になりたかったと。ジェフ様を婚約者にしなかったのは私よ…」
「それでも今更なんだよ」
「あった」
「何?」
「婚約して、俺を見ないお前に苛立っていたのも事実だ。絶対に婚約破棄してやるって思ってたしな」
「そう」
「誰がお前なんか相手にしてやるって思ってた」
「そうよね」
「それでも婚約して初めてのお前の誕生日に俺の色の髪留めを贈ろうと買ったんだ」
「そうなの?私貰ってないけど」
「お前は覚えてないんだな」
「え?」
「俺はお前の誕生日の前日にお前に言った。明日の誕生日どうすると」
「え?」
「お前は覚えてないんだな」
「ごめんなさい。私は何て言ったの?」
「お前は誕生日なんか祝って貰わなくていい、そんな事より用事はそれだけ?それだけなら帰ってくれないって言ったんだ!」
「ごめんなさい」
「あの時の俺の気持ちがお前に分かるか?確かに親に勝手に決められた婚約だった。お前だって俺が気に食わなかっただろう。だけど婚約して初めてのお前の誕生日だぞ?婚約者が自分の色の物を贈る事が出来る誕生日だぞ!それをお前はそんな事って言ったんだ!
お前は!お前は俺がサラに心を移して何も贈って貰えなかったって思ってるかも知れないけどな!お前が俺に何も贈らせ無かったんだ!」
「ごめんなさい、本当にごめんなさい」
「俺を婚約者として見てなかったのはお前だ!」
「ごめんなさい」
「今の俺の姿を嘲笑いたいなら嘲笑ってくれ」
「そんな事出来ないわよ」
「嘲笑いに来たんだろ?」
「ジェフ様を確認しに来たのは本当よ。嘲笑いに来たって思われても仕方ないわ。
それでも、本当にごめんなさい。今更謝っても許される事じゃないわ。あの時私は心が死んでた。感情を持ってたらもっと小さい時に本当に死んでたから。貴方に会う時には既に心を失くして情を失くして、ただ人形の様に生きていた。
それでももしジェフ様に本当の事を言えてたら、もしジェフ様に弱音を吐いていたら、もしジェフ様に助けを求めていたらきっと違ったのかも知れない。それでも今更よね」
「今更だな」
「私はジェフ様の人生を壊したのね」
「ああ。それでも俺がお前に相手にされなくても贈り続けていれば良かったのか?そしたらお前は俺を見たのか? それでも俺もガキだったんだよ。お前の言葉一つ行動一つで傷付くガキだったんだよ」
「ごめんなさい」
「もう今更だ」
「私は謝っても謝っても許されない事をしたわ。貴方のお兄様に私も謝罪して本当の事を言うわ。お兄様に、」
「止めてくれ!」
「でも、」
「止めてくれ。俺は勘当された。お前に婚約者として贈り物をしてこなかったのも事実だ」
「でもそれは、」
「お前がいながらサラに好意を持ったのも事実だ」
「それだって、」
「もう良いんだよ、他っておいてくれ」
「そんな事出来ないわよ!」
「何だよ、罪滅ぼしでもするってか?」
「そうよ!私は貴方に罪をなすりつけたのだもの」
「それこそ止めてくれ」
「何でよ!私の罪よ。貴方は婚約者として贈り物を贈ろうとしてくれた。それなのに私が受け取らなかった。ううん違うわね、貴方に贈らせ無かった。それは私の罪よ、貴方じゃない。貴方が受ける罰じゃない」
「それでも今更だ」
「貴族に戻す事は簡単じゃないわ。そんな事分かってる。それでも被る必要のない罪を被る必要なんてないのよ」
「なあエミリーヌ」
「何?」
「俺はエミリーヌの辛さ、置かれてる立場、そんなの見ようとしなかった」
「そんなの当たり前じゃない。私が言わなかったんだもの」
「確かに聞いてない。それでも当主じゃないお前が、毎度会いに行く度に仕事をしているのを疑問に思わなかった俺にだって責任はあるんだよ」
「そんなの責任じゃないわ」
「それでも俺はお前の補佐として婿に入る予定だった。学園でも当主の仕事も補佐の仕事も習った。冷静になった今思えば当主じゃないお前が仕事をしているのがおかしいと気付ける。時期当主だとしてもお前の父上が家に居て仕事をせず、お前が代わりに仕事をしてる事は本来なら駄目な事だ。それでもあの時の俺は疑問にも思わなかった。それが俺の罪だ」
「そんなの罪じゃないわ。当主の仕事を代わりにする家だってあるわよ」
「それでも兄上は人に任せたりしない。当主しか印が押せない物があるし、当主しか知らされない家の内情もある。それすら見えない程俺の目は曇っていた」
「曇らせたのは私じゃない。私がもっと婚約者らしくしていれば違ったわ。ジェフ様は言ったわ、婚約者になりたかったと。ジェフ様を婚約者にしなかったのは私よ…」
「それでも今更なんだよ」
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