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私はシスター長と話を終え、セイに案内され小部屋に着いた。
「セイ、セシルを呼んできて貰えますか?」
「はい、お待ち下さい」
暫くし、セイとセシルがやって来た。
「セシル、元気にしてた?」
「は、はい…」
「さあ、ここに座って」
私は、今座ってる椅子の隣の椅子に座らせた。
「セシル、貴女は卒院してもこのセイリーン孤児院でシスターのお手伝いをして貰いたいの」
「は、はい」
「今迄通り貴女が出来る事をお手伝いすればいいの」
「は、はい」
「でも頑張りすぎないで、いい?」
「わ、分かり、ま、ました」
セシルが出て行き、
「セイ、マークとマークの妹さんと弟さんを呼んできて貰えないかしら」
「分かりました」
暫くしてセイに連れられ3人が入って来た。
「さあ座って」
「はい、お嬢様」
「マーク?」
「ジンさんにキャメル侯爵家の領民になるなら言葉使いを気を付けなさいと言われました。本来なら侯爵様とお呼びしないといけないけれどお嬢様は嫌がるからお嬢様とお呼びするようにと言われました」
私はガインを一度見たら頷かれたので、
「そうね、貴方達は私の領民ですものね」
「はい」
「さあ座って」
3人が椅子に座り、
「マークの気持ちは聞いたから今日は妹さんや弟さんの気持ちを聞きたいのだけど、良いかしら」
「はい」
「ありがとう。では、妹さんから良いかしら?」
「は、はい」
「妹さんの名前を聞いてもいい?」
「はい、マリアと言います」
「マリアね。マリアは王都を離れるのは嫌じゃない?領地へ行けば直ぐに帰ってこれる距離じゃないのよ?それに孤児院のお友達とも会えなくなるわ」
「王都は」
「うん、何?」
「王都は悲しい場所だから」
「そうね」
「だから離れたい」
「そう。お友達とも会えなくなるわよ?」
「お友達はいないから…」
「そう。それなら私の領地に移り住むで良いのね?」
「はい」
「分かったわ、ありがとう。では弟さんも聞いて良い?」
「うん」
「おいマリオ、うんじゃなくてはいだろ」
「はい」
「マーク大丈夫よ」
「ですが」
「まだマリオは小さいでしょ?それは追々で良いの」
「分かりました」
「マリオはいくつ?」
「8歳」
「そう。マリオにもマリアと同じ事を聞いてもいい?」
「うんじゃなくて、はい」
「ふふっ、話しやすいように話しても大丈夫よ?」
「いいの?」
「良いわよ」
「うん」
「ここから田舎に行くけど大丈夫?」
「田舎?」
「そう。自然がいっぱいあってのどかな所よ?」
「自然?」
「木がいっぱいあって、小麦畑が広がっているの。そうね、広い野原、かしら」
「走り回れる?」
「走り回れるわよ」
「木登りできる?」
「木登り出来るわよ」
「なら行く」
「お友達とも会えなくなるわよ?いいの?」
「お友達に会えないのは嫌だけど、お兄ちゃんとお姉ちゃんと一緒にいたいの」
「そう」
「それにおばあちゃんができるんでしょ?」
「そうね」
「僕ねおばあちゃんの手を繋いで買い物に行くの」
「そう、頼もしいわね」
「それとね、おばあちゃんの肩をたたいてあげるの」
「それは喜ぶわ」
「あとね、おばあちゃんと一緒に寝るの」
「それは楽しみね」
「ねえお姉ちゃん」
「私?」
「うん」
「何?」
「向こうでも友達できる?」
「向こうでも子供はいっぱいいるわよ。皆が大きな家族なの」
「大きな家族?」
「そうよ。私の領民達は皆が家族なの。皆で助け合い手を貸す。マリオも友達のお父さんやお母さんに褒められるし怒られるわ」
「うん」
「マリオのお兄ちゃんやお姉ちゃん、それに新しくできるおばあちゃんだけが家族じゃなくて、一緒に暮らす皆がマリオのおじいちゃんでおばあちゃんでお父さんでお母さんなの。それにお兄ちゃんもお兄ちゃん以外に増えるしお姉ちゃんも増えるわ」
「うん」
「あとマリオがお兄ちゃんになるのよ?」
「僕がお兄ちゃん?」
「そうよ。マリオより小さい子達のお兄ちゃんになるの」
「僕がお兄ちゃんか。うんと可愛がる」
「そうね」
「お姉ちゃんも一緒に住むの?」
「お姉ちゃんはこの王都で住んで、マークや他の人達が作った小麦を売ってお金を稼ぐのよ?」
「一緒に住めないんだ」
「一緒には住めないけど、私とマリオも大きな家族の一員よ?遠く離れていても私はマリオが元気に走り回ってるかな?って思うし、どんな様子か教えてくれる人がいるの」
「そうなんだ。ならお姉ちゃんは寂しくないね」
「そうね。お姉ちゃんにも大きな家族がいるから」
「良かった」
「お嬢様すみません」
「良いのよ。マークもマリオみたいに子供らしくして良いの。領地に行ったらマークもまだ子供なの。大人に護られる子供なの。一人で頑張り過ぎないで誰かを頼りなさい。分かった?」
「はい」
「準備が整い次第いつでも向かえるからもう少し待っててね」
「はい。あのお嬢様」
「何?」
「一緒に住むって言ってた」
「ステラお祖母様?」
「はい。俺達が一緒に住む事を反対しませんでしたか?」
「貴方達を迎えるのを楽しみにしているわ。今も家の改築で領地に向かえないだけで改築が終われば直ぐに向かえるの。だから気にしなくても大丈夫よ」
「分かりました」
「セイ、セシルを呼んできて貰えますか?」
「はい、お待ち下さい」
暫くし、セイとセシルがやって来た。
「セシル、元気にしてた?」
「は、はい…」
「さあ、ここに座って」
私は、今座ってる椅子の隣の椅子に座らせた。
「セシル、貴女は卒院してもこのセイリーン孤児院でシスターのお手伝いをして貰いたいの」
「は、はい」
「今迄通り貴女が出来る事をお手伝いすればいいの」
「は、はい」
「でも頑張りすぎないで、いい?」
「わ、分かり、ま、ました」
セシルが出て行き、
「セイ、マークとマークの妹さんと弟さんを呼んできて貰えないかしら」
「分かりました」
暫くしてセイに連れられ3人が入って来た。
「さあ座って」
「はい、お嬢様」
「マーク?」
「ジンさんにキャメル侯爵家の領民になるなら言葉使いを気を付けなさいと言われました。本来なら侯爵様とお呼びしないといけないけれどお嬢様は嫌がるからお嬢様とお呼びするようにと言われました」
私はガインを一度見たら頷かれたので、
「そうね、貴方達は私の領民ですものね」
「はい」
「さあ座って」
3人が椅子に座り、
「マークの気持ちは聞いたから今日は妹さんや弟さんの気持ちを聞きたいのだけど、良いかしら」
「はい」
「ありがとう。では、妹さんから良いかしら?」
「は、はい」
「妹さんの名前を聞いてもいい?」
「はい、マリアと言います」
「マリアね。マリアは王都を離れるのは嫌じゃない?領地へ行けば直ぐに帰ってこれる距離じゃないのよ?それに孤児院のお友達とも会えなくなるわ」
「王都は」
「うん、何?」
「王都は悲しい場所だから」
「そうね」
「だから離れたい」
「そう。お友達とも会えなくなるわよ?」
「お友達はいないから…」
「そう。それなら私の領地に移り住むで良いのね?」
「はい」
「分かったわ、ありがとう。では弟さんも聞いて良い?」
「うん」
「おいマリオ、うんじゃなくてはいだろ」
「はい」
「マーク大丈夫よ」
「ですが」
「まだマリオは小さいでしょ?それは追々で良いの」
「分かりました」
「マリオはいくつ?」
「8歳」
「そう。マリオにもマリアと同じ事を聞いてもいい?」
「うんじゃなくて、はい」
「ふふっ、話しやすいように話しても大丈夫よ?」
「いいの?」
「良いわよ」
「うん」
「ここから田舎に行くけど大丈夫?」
「田舎?」
「そう。自然がいっぱいあってのどかな所よ?」
「自然?」
「木がいっぱいあって、小麦畑が広がっているの。そうね、広い野原、かしら」
「走り回れる?」
「走り回れるわよ」
「木登りできる?」
「木登り出来るわよ」
「なら行く」
「お友達とも会えなくなるわよ?いいの?」
「お友達に会えないのは嫌だけど、お兄ちゃんとお姉ちゃんと一緒にいたいの」
「そう」
「それにおばあちゃんができるんでしょ?」
「そうね」
「僕ねおばあちゃんの手を繋いで買い物に行くの」
「そう、頼もしいわね」
「それとね、おばあちゃんの肩をたたいてあげるの」
「それは喜ぶわ」
「あとね、おばあちゃんと一緒に寝るの」
「それは楽しみね」
「ねえお姉ちゃん」
「私?」
「うん」
「何?」
「向こうでも友達できる?」
「向こうでも子供はいっぱいいるわよ。皆が大きな家族なの」
「大きな家族?」
「そうよ。私の領民達は皆が家族なの。皆で助け合い手を貸す。マリオも友達のお父さんやお母さんに褒められるし怒られるわ」
「うん」
「マリオのお兄ちゃんやお姉ちゃん、それに新しくできるおばあちゃんだけが家族じゃなくて、一緒に暮らす皆がマリオのおじいちゃんでおばあちゃんでお父さんでお母さんなの。それにお兄ちゃんもお兄ちゃん以外に増えるしお姉ちゃんも増えるわ」
「うん」
「あとマリオがお兄ちゃんになるのよ?」
「僕がお兄ちゃん?」
「そうよ。マリオより小さい子達のお兄ちゃんになるの」
「僕がお兄ちゃんか。うんと可愛がる」
「そうね」
「お姉ちゃんも一緒に住むの?」
「お姉ちゃんはこの王都で住んで、マークや他の人達が作った小麦を売ってお金を稼ぐのよ?」
「一緒に住めないんだ」
「一緒には住めないけど、私とマリオも大きな家族の一員よ?遠く離れていても私はマリオが元気に走り回ってるかな?って思うし、どんな様子か教えてくれる人がいるの」
「そうなんだ。ならお姉ちゃんは寂しくないね」
「そうね。お姉ちゃんにも大きな家族がいるから」
「良かった」
「お嬢様すみません」
「良いのよ。マークもマリオみたいに子供らしくして良いの。領地に行ったらマークもまだ子供なの。大人に護られる子供なの。一人で頑張り過ぎないで誰かを頼りなさい。分かった?」
「はい」
「準備が整い次第いつでも向かえるからもう少し待っててね」
「はい。あのお嬢様」
「何?」
「一緒に住むって言ってた」
「ステラお祖母様?」
「はい。俺達が一緒に住む事を反対しませんでしたか?」
「貴方達を迎えるのを楽しみにしているわ。今も家の改築で領地に向かえないだけで改築が終われば直ぐに向かえるの。だから気にしなくても大丈夫よ」
「分かりました」
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