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「皆揃ってる事だしお互い報告を聞いて決めたいと思うが異存はないか?」
「「「はい」」」
「ガイン、グレンとメイとベンを呼んで来てくれ」
ガインが部屋を出て行った。
「針子になりたい子達は決まったな。後はチャーリーの方だが」
「はい。一人は卒院後、キャメル侯爵家で面倒を見て貰えると言われたのでお願いします」
「分かった」
「後は庭師になりたい子ですが、庭師は本来弟子は取っても跡を継ぐのは子です」
「そうだな。貴族の邸の庭はどこの家も庭師は子が受け継ぐからな」
「はい。なので貴族の庭師を目指すより、家の領地へ預けようかと思います。薔薇だけですが花を育てるのには変わりないので。それも本人の意見を聞いてからですが」
「それなら任せる」
「はい。後は先程の子で、妹や弟と一度話し合って一週間後に答えを出すと言った子ですね。キャメル侯爵領で暮らすか、騎士になるか」
「一週間後に決めるしかないな」
「はい。後は画家になりたい子ですが」
「それは後日になるな。もし画家になれずとも道はある」
「はい」
コンコン
「爺さん何か用か?」
グレンが入って来て、
「グレンか。お前に任せた騎士になりたい子達はどうだ」
「まあやる気があるなら明日から毎日ここに通えって言ってある」
「来そうか?」
「どうだろうな。 やる気があるなら明日の朝に来るだろ」
「お前な」
「迎えとかはいらないぞ?走って来いって言ってある。騎士は体力勝負だ」
「まあ良い。後で行かせた子はどうだ」
「あ~、やる気はあるみたいだな」
「そうか」
「少し話したけど本人は領地に行きたいみたいだぞ?妹と弟と一緒に暮らしたいらしい。騎士になるか領民になるかどっちが危険がないか聞かれたから領民じゃねえ?って即答しておいた」
「分かった。エンリーン孤児院とシスリーン孤児院のシスターに手紙を書いて渡す。セイリーン孤児院には本人が来たいならこさせる様に手紙を書く」
「ああそうしてくれ」
グレンが出て行き、ベンが入って来た。
「ベン、そっちはどうだ」
「はい。料理長の話を真剣に聞いて、教えて貰っていました。後は今日の下準備を手伝っていました。 料理長に話を聞いた所、包丁の扱いも上手く見習いとしてそこそこ出来ると。見習いはひたすら下準備の野菜の皮むきや後片付けらしいのですが、野菜の皮むきも早く丁寧みたいです。 本人に聞いた所、孤児院でも進んでシスターを手伝い調理をしている様です」
「そうか」
「技術はあるというのだな」
「見習いとしてなら」
「始めは誰しも見習いからだ。調理するのは追々だ」
「はい」
「分かった、戻ってくれ」
ベンが部屋を出て行き、メイとアイリーン様のメイドが入って来た。
「メイ、そっちはどうだ」
「はい。メイド見習いと同じ仕事をさせてますが、孤児院でも洗濯をしていたそうで洗濯は出来ますが、」
「何だ」
「貴族の邸の洗濯はドレス等、生地が繊細な物が多いのは分かりますか?」
「そうだな」
「平民が着る服の用に洗えば生地は傷みます。その事を伝えたのですが」
「出来ないか」
「はい。私もですが、平民が通う学校でドレス等の洗濯の仕方を習います。見習いとして入ってくる子達はそれ等が出来てるのが当然です。メイドは厳しく教えられます。平民が貴族の邸に仕えるので当たり前ですが、洗濯一つだけではなく邸の主に対しての対応、言葉使い、メイドとしての心構え等、挙げたらきりがありませんが…」
「メイドでは難しいと言いたいのだな」
「はい」
「アイリーン譲のメイドはどう思った」
「はい。私は元々侍女見習いとして王宮に仕えていました。配属先は王女殿下でしたアイリーン王女です。アイリーン王女が公爵様と婚姻し王宮をお出になられてからは元王女のアイリーン様に仕えるメイドとして公爵家へ来ました。元々私の家は子爵ですが傾きかけた子爵でしたので洗濯や掃除も一人だけいたメイドと一緒にしていたので、メイドとして仕えても問題ではありませんでした。元々貴族の端くれで侍女見習いとして王宮に勤めていましたので、何を基準にして良いのか分かりかねますが、少しお喋りがすぎるかと思いました」
「話くらい誰でもするだろ?裏で話す分には構わんはずだが」
「はい。お喋りが駄目ではありません。主の前でするのではありませんし、お互い情報交換をしたり、少しばかりの愚痴も目を瞑ります。ですが彼女達は街で噂話とされる他家の話を堂々と話していました。メイドは邸の中の事を誰かに話してはなりません。街で話し、他家に噂が流れる様な失態は避けなければなりません」
「そうだな。メイドは口が堅くないとな」
「はい。他家から見て良い悪いではなく、仕える主を信じ陰ながら支え、忠誠を誓う。メイドに求められる一つです」
「そうだな」
「噂話をするなと言う訳ではありませんが、他家の話をするのは一応…」
「駄目だな」
「はい。メイドになりたいのであれば厳しい教育を受けてからと私も思いました」
「そうか。その子達が厳しい教育を受けてでもなりたいと言うのなら教育を受けさせれば良いが、嫌だと言うのなら別の道を考えないとならんな」
「はい」
「分かった。その子達の気持ちも聞いてから決めよう。今後が決まった子から話をするか」
「「「はい」」」
「「「はい」」」
「ガイン、グレンとメイとベンを呼んで来てくれ」
ガインが部屋を出て行った。
「針子になりたい子達は決まったな。後はチャーリーの方だが」
「はい。一人は卒院後、キャメル侯爵家で面倒を見て貰えると言われたのでお願いします」
「分かった」
「後は庭師になりたい子ですが、庭師は本来弟子は取っても跡を継ぐのは子です」
「そうだな。貴族の邸の庭はどこの家も庭師は子が受け継ぐからな」
「はい。なので貴族の庭師を目指すより、家の領地へ預けようかと思います。薔薇だけですが花を育てるのには変わりないので。それも本人の意見を聞いてからですが」
「それなら任せる」
「はい。後は先程の子で、妹や弟と一度話し合って一週間後に答えを出すと言った子ですね。キャメル侯爵領で暮らすか、騎士になるか」
「一週間後に決めるしかないな」
「はい。後は画家になりたい子ですが」
「それは後日になるな。もし画家になれずとも道はある」
「はい」
コンコン
「爺さん何か用か?」
グレンが入って来て、
「グレンか。お前に任せた騎士になりたい子達はどうだ」
「まあやる気があるなら明日から毎日ここに通えって言ってある」
「来そうか?」
「どうだろうな。 やる気があるなら明日の朝に来るだろ」
「お前な」
「迎えとかはいらないぞ?走って来いって言ってある。騎士は体力勝負だ」
「まあ良い。後で行かせた子はどうだ」
「あ~、やる気はあるみたいだな」
「そうか」
「少し話したけど本人は領地に行きたいみたいだぞ?妹と弟と一緒に暮らしたいらしい。騎士になるか領民になるかどっちが危険がないか聞かれたから領民じゃねえ?って即答しておいた」
「分かった。エンリーン孤児院とシスリーン孤児院のシスターに手紙を書いて渡す。セイリーン孤児院には本人が来たいならこさせる様に手紙を書く」
「ああそうしてくれ」
グレンが出て行き、ベンが入って来た。
「ベン、そっちはどうだ」
「はい。料理長の話を真剣に聞いて、教えて貰っていました。後は今日の下準備を手伝っていました。 料理長に話を聞いた所、包丁の扱いも上手く見習いとしてそこそこ出来ると。見習いはひたすら下準備の野菜の皮むきや後片付けらしいのですが、野菜の皮むきも早く丁寧みたいです。 本人に聞いた所、孤児院でも進んでシスターを手伝い調理をしている様です」
「そうか」
「技術はあるというのだな」
「見習いとしてなら」
「始めは誰しも見習いからだ。調理するのは追々だ」
「はい」
「分かった、戻ってくれ」
ベンが部屋を出て行き、メイとアイリーン様のメイドが入って来た。
「メイ、そっちはどうだ」
「はい。メイド見習いと同じ仕事をさせてますが、孤児院でも洗濯をしていたそうで洗濯は出来ますが、」
「何だ」
「貴族の邸の洗濯はドレス等、生地が繊細な物が多いのは分かりますか?」
「そうだな」
「平民が着る服の用に洗えば生地は傷みます。その事を伝えたのですが」
「出来ないか」
「はい。私もですが、平民が通う学校でドレス等の洗濯の仕方を習います。見習いとして入ってくる子達はそれ等が出来てるのが当然です。メイドは厳しく教えられます。平民が貴族の邸に仕えるので当たり前ですが、洗濯一つだけではなく邸の主に対しての対応、言葉使い、メイドとしての心構え等、挙げたらきりがありませんが…」
「メイドでは難しいと言いたいのだな」
「はい」
「アイリーン譲のメイドはどう思った」
「はい。私は元々侍女見習いとして王宮に仕えていました。配属先は王女殿下でしたアイリーン王女です。アイリーン王女が公爵様と婚姻し王宮をお出になられてからは元王女のアイリーン様に仕えるメイドとして公爵家へ来ました。元々私の家は子爵ですが傾きかけた子爵でしたので洗濯や掃除も一人だけいたメイドと一緒にしていたので、メイドとして仕えても問題ではありませんでした。元々貴族の端くれで侍女見習いとして王宮に勤めていましたので、何を基準にして良いのか分かりかねますが、少しお喋りがすぎるかと思いました」
「話くらい誰でもするだろ?裏で話す分には構わんはずだが」
「はい。お喋りが駄目ではありません。主の前でするのではありませんし、お互い情報交換をしたり、少しばかりの愚痴も目を瞑ります。ですが彼女達は街で噂話とされる他家の話を堂々と話していました。メイドは邸の中の事を誰かに話してはなりません。街で話し、他家に噂が流れる様な失態は避けなければなりません」
「そうだな。メイドは口が堅くないとな」
「はい。他家から見て良い悪いではなく、仕える主を信じ陰ながら支え、忠誠を誓う。メイドに求められる一つです」
「そうだな」
「噂話をするなと言う訳ではありませんが、他家の話をするのは一応…」
「駄目だな」
「はい。メイドになりたいのであれば厳しい教育を受けてからと私も思いました」
「そうか。その子達が厳しい教育を受けてでもなりたいと言うのなら教育を受けさせれば良いが、嫌だと言うのなら別の道を考えないとならんな」
「はい」
「分かった。その子達の気持ちも聞いてから決めよう。今後が決まった子から話をするか」
「「「はい」」」
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