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部屋に残された私達は、
「お祖父様」
「何だ」
「領民が増えるのは構いませんが、騎士になれと決めて良かったのですか」
「マークみたいな奴には道を決めてやった方が良い」
「そうですが…」
「家族の為なら我武者羅にやる、儂は好きだがな。儂も家族の為に我武者羅にやってきた。その結果が今に至る」
「そうですね」
「何にせよ後はマーク次第だ。騎士になるにせよ領地で働くにせよ、どちらも努力をするしかない」
「はい」
「エミリーよ、気になる事があるのだろ?」
「え? はい…。お祖父様は知っていたのですね。私が医者を志す者達を集め学ばせている事を」
「儂も常々思っておった。領地に医者がほしいとな。だが医者になるには年月とお金がかかる。それにだ、領地より王都の方が給金も高い。領地に留めておく事は無理だと諦めていた」
「はい、私もそう思います。それでも投資する価値はあると判断しました」
「そうだな」
「だが侯爵家のお金では賄えないだろ」
「え?」
「エミリーの得たお金をどう使おうと何も言う気はないが、侯爵家が後見人になるなら侯爵家からお金を出せ」
「ですが…」
「儂の鉱山を侯爵家所有にすれば問題ない」
「それなら私の鉱山を所有にします。他国の鉱山ですが財産として手続きします」
「エミリー」
「私は現当主です。医師を育てるのも侯爵家の事業の一つです」
「そうだが」
「確かにお父様達が邸に居た時は鉱山の事を隠していました」
「あ奴らに知られてみろ、全てのお金を取り上げ自分達に使っていただろう。隠していて正解だった」
「はい、私もそう思い隠していました。ですがお父様達もいなくなり、隠す必要もなくなりました。それに鉱山を持つように仕向けたのはお祖父様ではありませんか」
「確かにな。 小麦だけでは心許ないと思ってな。小麦以外の収入源があれば領民や使用人達を路頭に迷わせる事はないからな」
「はい。侯爵家のお金ではなく私の資産を出して、侯爵領の片隅で医者を志す者や頭の賢い子を集め学ばせています。できれば侯爵領の医者になってほしいのですが無理強いもしたくありません。ただ、医者になっても侯爵家所有にすると言ってあり納得もして貰いました。医者になるまでにかかるお金を全て出すのですよ? お金だけ出して見返りがないではお金を溝に捨てたようなものですもの」
「確かにな」
「その代わり医者になるまでの学費、留学費、生活の補償、全て面倒みます。それに皆平民なので侯爵家が後見人として彼等の後ろ盾になります」
「ああ、儂も異存はない」
「はい」
「後残すのは愛人になりたい子達だけだがアイリーン譲にも同席して貰う」
「「はい」」
「ガイン、おるか」
ガインが入って来た。
「アイリーン譲の様子を見て、こちらに来れる様ならこちらへ連れて来てくれ」
ガインが出ていき、
「チャーリーいけるか?」
「厳しい事を言っても?」
「構わん」
「ですが、俺が言える立場ではありませんが」
「気にするな」
「それなら良いのですが」
「アイリーン譲やエミリーでは無理だ。儂は様子を見たい」
「分かりました」
暫くしてアイリーン様を連れてガインが戻って来た。
「アイリーン譲、そっちはどうだ」
「私の方は針子になりたい子達に刺繍を刺して貰いましたが丁寧に刺していました。時間が少しかかるのが気になりましたがそれも数をこなせば何とかなるかと」
「そうか」
「後は服屋で働きたい子ですが、伝手があるそうなので手を出すのは止めました」
「伝手?」
「卒院した子が働いていて声をかけて貰ったそうです」
「それならこちらが手を貸す必要はないな」
「はい」
「アイリーン譲も見たと思うが愛人になりたいと書いた子達がいただろう」
「はい、見ましたが…」
「儂もだが皆が悩む回答だ」
「はい」
「皆で話を聞こうと思ってな。アイリーン譲も同席して貰えるか?」
「はい、勿論です」
「だが、アイリーン譲やエミリーでは厳しい事は言えないだろう。チャーリーに任すが良いか?」
「私は異存ありません」
「儂も様子を見るが、アイリーン譲とエミリーも様子を見てほしい。女性目線で分かる事もあるだろうからな」
「分かりました」
「チャーリーは厳しい事を言っても構わん」
「多少怒らせてみようと思ってますが」
「チャーリーのやりたい様にやって構わん。誰も口出しせん」
「分かりました」
「儂とチャーリーで向き合う。アイリーン譲とエミリーは後ろで見ていてくれ。
ガイン、後ろに椅子を用意してくれ」
「分かりました」
ガインがソファーの後ろに椅子を移動させ、アイリーン様と私は座った。
「ガイン、愛人になりたい5人を連れて来い」
ガインが部屋を出て行った。
愛人になりたい子達…。一癖ありそうね…。 チャーリー、怒らすって言ってたけど、どうやって怒らすのかしら。
「お祖父様」
「何だ」
「領民が増えるのは構いませんが、騎士になれと決めて良かったのですか」
「マークみたいな奴には道を決めてやった方が良い」
「そうですが…」
「家族の為なら我武者羅にやる、儂は好きだがな。儂も家族の為に我武者羅にやってきた。その結果が今に至る」
「そうですね」
「何にせよ後はマーク次第だ。騎士になるにせよ領地で働くにせよ、どちらも努力をするしかない」
「はい」
「エミリーよ、気になる事があるのだろ?」
「え? はい…。お祖父様は知っていたのですね。私が医者を志す者達を集め学ばせている事を」
「儂も常々思っておった。領地に医者がほしいとな。だが医者になるには年月とお金がかかる。それにだ、領地より王都の方が給金も高い。領地に留めておく事は無理だと諦めていた」
「はい、私もそう思います。それでも投資する価値はあると判断しました」
「そうだな」
「だが侯爵家のお金では賄えないだろ」
「え?」
「エミリーの得たお金をどう使おうと何も言う気はないが、侯爵家が後見人になるなら侯爵家からお金を出せ」
「ですが…」
「儂の鉱山を侯爵家所有にすれば問題ない」
「それなら私の鉱山を所有にします。他国の鉱山ですが財産として手続きします」
「エミリー」
「私は現当主です。医師を育てるのも侯爵家の事業の一つです」
「そうだが」
「確かにお父様達が邸に居た時は鉱山の事を隠していました」
「あ奴らに知られてみろ、全てのお金を取り上げ自分達に使っていただろう。隠していて正解だった」
「はい、私もそう思い隠していました。ですがお父様達もいなくなり、隠す必要もなくなりました。それに鉱山を持つように仕向けたのはお祖父様ではありませんか」
「確かにな。 小麦だけでは心許ないと思ってな。小麦以外の収入源があれば領民や使用人達を路頭に迷わせる事はないからな」
「はい。侯爵家のお金ではなく私の資産を出して、侯爵領の片隅で医者を志す者や頭の賢い子を集め学ばせています。できれば侯爵領の医者になってほしいのですが無理強いもしたくありません。ただ、医者になっても侯爵家所有にすると言ってあり納得もして貰いました。医者になるまでにかかるお金を全て出すのですよ? お金だけ出して見返りがないではお金を溝に捨てたようなものですもの」
「確かにな」
「その代わり医者になるまでの学費、留学費、生活の補償、全て面倒みます。それに皆平民なので侯爵家が後見人として彼等の後ろ盾になります」
「ああ、儂も異存はない」
「はい」
「後残すのは愛人になりたい子達だけだがアイリーン譲にも同席して貰う」
「「はい」」
「ガイン、おるか」
ガインが入って来た。
「アイリーン譲の様子を見て、こちらに来れる様ならこちらへ連れて来てくれ」
ガインが出ていき、
「チャーリーいけるか?」
「厳しい事を言っても?」
「構わん」
「ですが、俺が言える立場ではありませんが」
「気にするな」
「それなら良いのですが」
「アイリーン譲やエミリーでは無理だ。儂は様子を見たい」
「分かりました」
暫くしてアイリーン様を連れてガインが戻って来た。
「アイリーン譲、そっちはどうだ」
「私の方は針子になりたい子達に刺繍を刺して貰いましたが丁寧に刺していました。時間が少しかかるのが気になりましたがそれも数をこなせば何とかなるかと」
「そうか」
「後は服屋で働きたい子ですが、伝手があるそうなので手を出すのは止めました」
「伝手?」
「卒院した子が働いていて声をかけて貰ったそうです」
「それならこちらが手を貸す必要はないな」
「はい」
「アイリーン譲も見たと思うが愛人になりたいと書いた子達がいただろう」
「はい、見ましたが…」
「儂もだが皆が悩む回答だ」
「はい」
「皆で話を聞こうと思ってな。アイリーン譲も同席して貰えるか?」
「はい、勿論です」
「だが、アイリーン譲やエミリーでは厳しい事は言えないだろう。チャーリーに任すが良いか?」
「私は異存ありません」
「儂も様子を見るが、アイリーン譲とエミリーも様子を見てほしい。女性目線で分かる事もあるだろうからな」
「分かりました」
「チャーリーは厳しい事を言っても構わん」
「多少怒らせてみようと思ってますが」
「チャーリーのやりたい様にやって構わん。誰も口出しせん」
「分かりました」
「儂とチャーリーで向き合う。アイリーン譲とエミリーは後ろで見ていてくれ。
ガイン、後ろに椅子を用意してくれ」
「分かりました」
ガインがソファーの後ろに椅子を移動させ、アイリーン様と私は座った。
「ガイン、愛人になりたい5人を連れて来い」
ガインが部屋を出て行った。
愛人になりたい子達…。一癖ありそうね…。 チャーリー、怒らすって言ってたけど、どうやって怒らすのかしら。
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