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王城から戻り、チャーリーやローラ母様、アーサー父様と過ごす最後の晩。
夕食の席で私は今迄のお礼を言った。
「アーサー父様、ローラ母様、長い間お世話になりました」
「今日が最後なんて母様寂しいわ。ずっと居てくれても構わないのよ?」
「ありがとうございます。私も寂しいです」
「エミリーヌ、これからは何かあった時は直ぐにここに来なさい。もう我慢をする必要はない。私やローラがエミリーヌを護る、良いね」
「はい」
賑やかな夕食が終わり、チャーリーと部屋で話した。
「エリーが明日から居ないなんて俺耐えられないよ」
「私も」
「ねえ、エリー、ご両親の事で何か思う所があるなら遠慮なく俺に言ってくれないか?」
「何もないわよ?」
「俺はエリーとご両親を話す機会も奪った。それに、ご両親に向かって暴言を吐いた…」
「チャーリーが言った事は暴言じゃないわ。真実だし、それに私の代わりに言ってくれたのは分かってる。私だったら何も言えなかった…」
「本当?俺を恨んでない?」
「チャーリーのどこを恨むの?私は陛下も恨んでないわ。お父様とお母様は自業自得なの。それにようやく開放された気分よ?」
「それなら良いけど」
「きっと私は薄情なのよ。お父様とお母様と一生会えなくても寂しくないの。お父様とお母様が私を愛せなかったみたいに私も愛してないのよ。サラの事もそうよ?」
「それは仕方ないよ。今迄エリーが受けてきた事を思えば愛してなくても仕方ない。エリーは自分の手の内に入れた者には深い情を持ってる。俺だってその一人だ。エリーの情で今こうして元気に過ごせてる。だろ?」
「それだって私の為よ?私の代わりをチャーリーに押し付けただけよ?」
「それでも俺には生きる希望になったよ?それに今は婚約者だ。それにゆくゆくは夫だ」
「そうね」
「ご両親は反省するべきなんだ。こんな可愛いエリーを傷つけたんだ。俺の愛する人なのに」
チャーリーは私の唇に口付けした。
「愛しいよ、エリー」
「私もチャーリーが愛しい」
「愛してる」
「私も愛してる」
「早く結婚しようね」
「うん。早く結婚したい」
チャーリーは何度も私の唇に口付けした。
「あ、そうだ、エリーは妹さんの事聞きたい?それとも聞きたくない?」
「サラ?」
「そう」
「聞きたい」
「分かった。前言ってた平民の街にミリー商店を出すって言ったの覚えてる?」
「うん」
「場所は確保した。服はお針子の見習いの子に作らせる事になったよ。平民が着る売り物の服で練習させるのは違うってエディーナ譲に言われたけど、エディーナ譲や他のお針子達は貴族のドレスを作らないといけないし、その他に平民の服までなんて負担はかけられない」
「そうね」
「リンが前に言ってたんだ。ドレスを作る布で練習はさせられないって」
「ドレスに使う布は高いものね」
「どんなに安い布でも平民が着る服の布より高い。失敗が出来ないからこそ見習いの子には作らせれない。だからエリーに送るワンピースを見習いの子達に作らせていたんだ。もし失敗してもエリーは許してくれるだろ?」
「当たり前よ。もし不出来な物でも私の為に作ってくれた気持ちだけで嬉しいもの」
「向こうでは、見習いの子は、始めにエリーに送るワンピースを作って、それからミリー商店で置く平民が着る服を作って、それから貴族のドレスを作らせていたんだ」
「そうなのね」
「だからこっちでもそうしようと思って。見習いの子達には平民の服を作って貰おうと。ゆくゆくは貴族のドレスを作るにしても、服を作る経験が多い方が綺麗に仕上がると思うんだ」
「そうね」
「それに早く一人前にもなれる」
「そうね」
「何事も経験なんだよ」
「そうね」
「だからね、お針子の見習いの子達に平民の服を作って貰って、妹さんの旦那にはアクセサリーを作って貰う事になった」
「そう」
「エリーは知ってた?」
「何が?」
「妹さん、結婚したよ?」
「は?」
「知らなかった?」
「知らない、知らない。何で?」
「ミリー商店で雇う事になっただろ?」
「うん」
「それで結婚したみたいだよ?」
「へぇ~」
「それで、ミリー商店の店番って言うか、売り子を妹さんも手伝う事になったよ」
「は?」
「ほら、旦那の方は店の2階で作業するだろ?」
「待って、2階で作業するの?」
「長屋じゃあ無理だよ。例えガラス玉でも金銭がかかってるから。それに売り物だよ? 失くしました、なくなりましたでは困る」
「そうね…」
「厳重に管理出来る所だと店の2階だろ?」
「確かに」
「それで、長屋を引き払って2階で住む事になったんだよ」
「ちょ、ちょっと待って、住むの?」
「そうだよ?」
「何で」
「旦那の方が朝から晩までアクセサリーを作るだろ?長屋に帰らないかもしれない。急ぎの物や売れ行きが良ければ次から次へと作らないと」
「そうね」
「それなら住めば?ってなったんだ。住居件製作部屋だね。そうなると妹さんは暇だよね?店に下りてこられて困るし。それなら売り子すれば?ってなったんだ」
「そう……」
「妹さんもやる気があるみたいだしね」
「そう…迷惑をかけなければ何でもいいわ…」
「最初の内は向こうから数人手伝いに来るし、その時に教える事になってる。こっそり見に行く?」
「そうね。少し気になるわ」
「だろうね」
夕食の席で私は今迄のお礼を言った。
「アーサー父様、ローラ母様、長い間お世話になりました」
「今日が最後なんて母様寂しいわ。ずっと居てくれても構わないのよ?」
「ありがとうございます。私も寂しいです」
「エミリーヌ、これからは何かあった時は直ぐにここに来なさい。もう我慢をする必要はない。私やローラがエミリーヌを護る、良いね」
「はい」
賑やかな夕食が終わり、チャーリーと部屋で話した。
「エリーが明日から居ないなんて俺耐えられないよ」
「私も」
「ねえ、エリー、ご両親の事で何か思う所があるなら遠慮なく俺に言ってくれないか?」
「何もないわよ?」
「俺はエリーとご両親を話す機会も奪った。それに、ご両親に向かって暴言を吐いた…」
「チャーリーが言った事は暴言じゃないわ。真実だし、それに私の代わりに言ってくれたのは分かってる。私だったら何も言えなかった…」
「本当?俺を恨んでない?」
「チャーリーのどこを恨むの?私は陛下も恨んでないわ。お父様とお母様は自業自得なの。それにようやく開放された気分よ?」
「それなら良いけど」
「きっと私は薄情なのよ。お父様とお母様と一生会えなくても寂しくないの。お父様とお母様が私を愛せなかったみたいに私も愛してないのよ。サラの事もそうよ?」
「それは仕方ないよ。今迄エリーが受けてきた事を思えば愛してなくても仕方ない。エリーは自分の手の内に入れた者には深い情を持ってる。俺だってその一人だ。エリーの情で今こうして元気に過ごせてる。だろ?」
「それだって私の為よ?私の代わりをチャーリーに押し付けただけよ?」
「それでも俺には生きる希望になったよ?それに今は婚約者だ。それにゆくゆくは夫だ」
「そうね」
「ご両親は反省するべきなんだ。こんな可愛いエリーを傷つけたんだ。俺の愛する人なのに」
チャーリーは私の唇に口付けした。
「愛しいよ、エリー」
「私もチャーリーが愛しい」
「愛してる」
「私も愛してる」
「早く結婚しようね」
「うん。早く結婚したい」
チャーリーは何度も私の唇に口付けした。
「あ、そうだ、エリーは妹さんの事聞きたい?それとも聞きたくない?」
「サラ?」
「そう」
「聞きたい」
「分かった。前言ってた平民の街にミリー商店を出すって言ったの覚えてる?」
「うん」
「場所は確保した。服はお針子の見習いの子に作らせる事になったよ。平民が着る売り物の服で練習させるのは違うってエディーナ譲に言われたけど、エディーナ譲や他のお針子達は貴族のドレスを作らないといけないし、その他に平民の服までなんて負担はかけられない」
「そうね」
「リンが前に言ってたんだ。ドレスを作る布で練習はさせられないって」
「ドレスに使う布は高いものね」
「どんなに安い布でも平民が着る服の布より高い。失敗が出来ないからこそ見習いの子には作らせれない。だからエリーに送るワンピースを見習いの子達に作らせていたんだ。もし失敗してもエリーは許してくれるだろ?」
「当たり前よ。もし不出来な物でも私の為に作ってくれた気持ちだけで嬉しいもの」
「向こうでは、見習いの子は、始めにエリーに送るワンピースを作って、それからミリー商店で置く平民が着る服を作って、それから貴族のドレスを作らせていたんだ」
「そうなのね」
「だからこっちでもそうしようと思って。見習いの子達には平民の服を作って貰おうと。ゆくゆくは貴族のドレスを作るにしても、服を作る経験が多い方が綺麗に仕上がると思うんだ」
「そうね」
「それに早く一人前にもなれる」
「そうね」
「何事も経験なんだよ」
「そうね」
「だからね、お針子の見習いの子達に平民の服を作って貰って、妹さんの旦那にはアクセサリーを作って貰う事になった」
「そう」
「エリーは知ってた?」
「何が?」
「妹さん、結婚したよ?」
「は?」
「知らなかった?」
「知らない、知らない。何で?」
「ミリー商店で雇う事になっただろ?」
「うん」
「それで結婚したみたいだよ?」
「へぇ~」
「それで、ミリー商店の店番って言うか、売り子を妹さんも手伝う事になったよ」
「は?」
「ほら、旦那の方は店の2階で作業するだろ?」
「待って、2階で作業するの?」
「長屋じゃあ無理だよ。例えガラス玉でも金銭がかかってるから。それに売り物だよ? 失くしました、なくなりましたでは困る」
「そうね…」
「厳重に管理出来る所だと店の2階だろ?」
「確かに」
「それで、長屋を引き払って2階で住む事になったんだよ」
「ちょ、ちょっと待って、住むの?」
「そうだよ?」
「何で」
「旦那の方が朝から晩までアクセサリーを作るだろ?長屋に帰らないかもしれない。急ぎの物や売れ行きが良ければ次から次へと作らないと」
「そうね」
「それなら住めば?ってなったんだ。住居件製作部屋だね。そうなると妹さんは暇だよね?店に下りてこられて困るし。それなら売り子すれば?ってなったんだ」
「そう……」
「妹さんもやる気があるみたいだしね」
「そう…迷惑をかけなければ何でもいいわ…」
「最初の内は向こうから数人手伝いに来るし、その時に教える事になってる。こっそり見に行く?」
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